諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです!
今週は先週と異なり、暖かい日が増えるようですね!
さて、今回は「扶養控除」について調べていますので、
報告内容をご覧ください。
■扶養控除に新たな壁!106万円の壁って?
最近テレビや雑誌などでも扶養控除の特集が組まれたりしています。
その理由は、これから扶養控除に大きな変化があるためでしょう。
今回は、扶養控除について何が起きているのかについて、まとめてみます。
●まずはおさらい。配偶者控除って?
配偶者控除とは、納税者の配偶者が一定金額以下であれば、
納税者の所得額が優遇される制度です。
具体例として、よくある家庭「夫がサラリーマンで妻がパートで働いている場合」で考えると、
妻の年収が103万円以下であれば、妻のパート分の所得税が実質ゼロになります。
※計算式※ (基礎控除38万円+給与所得控除65万円=103万円の控除)
さらに、主たる納税者の夫が所得から38万円控除されます。
これが配偶者控除です。
しかし、103万円を超えると夫の配偶者控除がなくなってしまうので、
パートの妻が年収103万円以内で抑えておこうと考えるケースも多いようです。
これが、いわゆる「103万円の壁」と言われるものです。
参考)国税庁 配偶者控除 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm
●103万円の壁をなくす配偶者特別控除?
「103万円の壁」を低くしようと取られた対策として、
配偶者特別控除があります。
配偶者控除が受けられなくなる「103万円以上から141万円まで」
段階的に控除されます。
これにより、103万円を超えるといきなり控除がなくなるのではなく、
スロープのように徐々になくなっていく制度となっています。
参考)国税庁 配偶者特別控除 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm
ですが、141万円に行く前に「130万円の壁」があるのです。
●130万円の壁。社会保険料の負担が増える。
130万円の壁。それは社会保険料の負担によるものです。
パートの妻の年収が130万円未満であれば、
夫の扶養家族として妻の分の社会保険料は免除されます。
しかし、130万円を超えると夫の扶養から外れ、
妻自身が社会保険料(健康保険、年金保険料)を支払う必要がでてきます。
その際の社会保険料は、概ね年間18万円ほどにもなります。
そのため、妻の年収が130万円から160万円ぐらいまでの間は、
夫婦の手取り収入は実質下がることになってしまうのです。
それであればと、130万円までで抑えている方もかなりいるようです。
103万円の壁と比べると、130万円の壁の方が
実質的な負担が大きいですから、当然と言えば当然かもしれません。
ですが、この130万円の壁が大きく動こうとしています。
●2016年10月から106万円の壁になる!?
これまで社会保険料の扶養家族となる条件が緩和され、
次のように変更されることとなりました。
【短時間労働者に対する社会保険の適用拡大】
- 週20時間以上の勤務
- 賃金月額8.8万円以上
- 勤務期間が1年以上
- 従業員が501人以上の企業
この条件すべてに合致した場合、年収106万円から社会保険の加入対象となります!
つまり、これまで130万円の壁であった社会保険料の負担が、
106万円まで引き下げられたことになります。
そして、この制度の施行は、2016年10月からです!
これまで130万円の壁で抑えていた方は、
上記の条件に合致する場合、今後どうするか見直す必要があります。
該当者は約25万人とされていますので、
思い当たる方はぜひ確認してみてください。
さらに、この改正による上記の条件は、
仮のもので今後3年以内に見直される予定となっています(法律に明記)。
そして、その際の条件は、
さらに緩和される方向になると言われています。
ですから、条件に合致しなかったから
といって油断せずに今後の動向にも注目しておいてください。
●制度実施の背景
では、なぜこのような制度が実施されたのでしょうか?
基本的な考え方は、2つあります。
1つは、セーフティーネットの拡大です。
非正規労働者のうち、短時間労働に従事する人は
社会保険が適用されていないことが多いため
「社会保険の格差」があるとされてきました。
そこで社会保険の加入条件を引き下げ、格差を是正しようと言うものです。
もう1つは、「働かない方が有利になるような仕組みを除去することで、
特に女性の就業意欲を促進して、今後の人口減少社会に備える」(厚労省の資料のママ)
ということのようです。
読みちがえると「専業主婦は働いていないので社会に出て働け」
と読めなくもないので、主婦の方からは大きく反論が出てきそうですが、
これらが今回の改正の大義とされています。
ですが、実際のところは、財政問題でしょう。
健康保険、年金保険ともに財政問題が顕著化して久しいですが、
実質的に有効な打開策がなく時間ばかりが過ぎてしまっています。
そうした中で、低所得者層からも保険料を徴収しようと
適用範囲を拡大したというのが本音のところでしょう。
そして、このような流れは今後も拡大していくと予想されています。
今回は以上です。
最後はちょっと暗くなってしまいましたが、
パートで働いている方は来月からの働き方を一度見直される良い機会、
と捉えて前向きに働いていくことをオススメします。
今は人手不足で多くの求人がありますから、より良い条件を選んで
106万円の壁など軽々超えて収入を増やすことが
一番良いのかもしれませんね。
さて、今回は以上となります。
次回も宜しくお願い致します。