こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さあ、2016年も残り3週間ちょっとです。
体調など崩さず、元気に年末を乗り切っていきましょう!
さて、今回も前2回に引き続き「法人を設立するタイミングとは?」
というテーマで報告をしていきます。
<前2回:下記リンク参照> ※法人を設立するタイミングとは?-①創業時 ※法人を設立するタイミングとは?-②消費税考慮
事業を行うにあたり、事業内容や取引先、その他諸々の事情で、
「個人事業」か「法人」か、どちらかを選択して
事業主の皆様は活動されています。
では、「法人を設立する!」という決断に至るタイミングや
背景・きっかけというのは、どのようなものがあるのか?
という話を、税理士紹介事業を行う中で
諸々頂戴するお問合せの中からお話をしていきます。
■法人を設立するタイミングとは?-③節税考慮
前回では、「消費税負担」を考慮して、個人事業から法人化をするお話をしました。
消費税納税義務の免除を考慮し、売上1,000万円の突破までは個人事業を継続、
売上1,000万円超になった後の翌期で、同様に設立からの2期が
消費税免除となる法人を設立する人が多い、という報告を致しました。
今回は、その観点に近いと言えば近いのですが、「節税」を考慮してのお話です。
●法人の方が節税しやすい??
以前に、税理士諜報部員が法人のメリットをまとめて報告した内容(下記参照)にもある通り、
個人事業の状態よりも、法人の方が節税的なメリットは多数あります。
<参照> ※独立開業前に知っておきたいこと:②法人のメリット(節税面)
上記のページ内にもありますが、ざっとまとめると、下記のようなものです。
経営者に給与を支払うことができる | ⇒給与所得控除が受けられる |
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家族に給与を支払うことができる | ⇒家族の給与も会社の経費 |
経営者の生命保険料が会社の経費にできる | ⇒生命保険も経費。生命保険料控除のような上限もなし |
役員社宅を借りることができる | ⇒会社名義で借りる事で、約半額を経費算入可能 |
赤字の繰越控除期間が長い | ⇒個人事業は3年だが、法人は9年 (※平成29年4月以降の赤字は10年になる予定) |
税率が一定 | ⇒個人と異なり、累進課税ではない |
逆に考えると、上記にあるようなメリットは、
個人事業主では享受できない、ということです。
●財布が分かれる?
ここからは私見も含まれますが、上記のようなメリットを受けられるのは、
個人(代表者)と法人が、法律上は「別人格」であるから、ということです。
現在では会社法が変わったため、代表者(取締役)1名でも株式会社の設立が可能です。
この場合、1人でやっている個人事業主と見た目や組織上は全く変わりません。
ただ、それでも個人と法人では「別人格」なのです。
そして、別人格であるからこそ、財布が分かれるわけです。
財布が分かれるというのはどういうことかというと、
例えば、会社で必要な事務用品を文具屋で購入したとします。
その時、代表者が自分の手持ちのお金から払った場合は、
「代表者個人が法人の経費を立て替えて払った」ということになります。
なので、法人としては「代表者個人への立て替え分の未払い金が発生」
ということになります。
また、法人で今期の儲けがめちゃくちゃ出た!!という場合に、
代表者が「100万円くらい余分に給料もらっちゃおう!」ということも出来ません。
厳密に言えば出来るのですが、役員への賞与は原則として経費になりませんので、
そもそものメリット(経営者への給与という概念)を享受できない形になってしまいます。
これも、財布が分かれているからです。
実際としては、上記のような1人代表の会社だと、
そこまで明確に分けて運用していないと思いますので、
もっと曖昧な部分もありますが、
あまりにもゴチャ混ぜにしたお金の運用をしていると、
決算のときの整理が大変かもしれませんね。
●税理士の手助けも本格的に必要になる
1人代表の会社は、自分の給与も、経費の使い道も全て自分で決定できます。
このあたりの意思決定に関しては、全く変わらないのですが、上に記載した通り、
法人を作ると、「自分のお金」と「法人のお金」
という二つの財布を持つことになります。
経営者の中には、役員報酬はかなり低めに設定し、
法人側に利益を大半残している人もいます。
実質的には両方ともご自身のお金なのですが、
財布が異なることを認識した上でのやり方です。
そして、この「財布が別」という状態になると、
代表者さんの決定一つで、どちらか、もしくは両方の
税額が大きく変わってしまうことがあります。
個人事業時代は税理士さんと関与せずに来られた人も、
「節税」的なメリットを考慮して法人化するような方であれば、
まずこの法人設立の段階で税理士さんと関与します。
税理士さんに報酬を支払っても、判断を間違えないことの方が、
手元に大きくお金が残る可能性があることを認識してしまうからです。
法人を作っても、税理士さんに頼むつもりは無いよ!!
という方、勿体ないと思います。
特に利益が出ているなら、税理士さんと関与して、
きちんと取り組んだ方が、ほぼ間違いなくメリットが出るはずです。
税理士に心当たりが無い場合は、是非お気軽にこちらにお問合せください。
税理士紹介ネットワーク:http://www.tax-concierge.net/
●その他にも!
その他、節税的な観点ではありませんが、法人ならではのことがあります。
個人事業の時は、国民健康保険と国民年金の加入になりますが、
法人の場合は、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入になります。
体裁的には、法人が半額支払ということになりますので、
代表者個人としては、負担減です。
総額としては、個人事業時代の方が低額になるケースが通常ですが、
それも、個人事業時代の利益と同等額を給与としてもらった場合です。
税金面での節税効果を意識して法人化したのに、
社会保険料が高くなって結局・・・ということにならないよう、
法人設立1期目から一定の利益が見込める場合は、
役員報酬を慎重に考慮した方がいいかもしれませんね。
でも、将来的な保障は社会保険の方が手厚いので、
まあ、メリットの方が大きいと思います。
さて、今回の報告は以上です。
次回も「法人を設立するタイミングとは?」ということで、
法人設立の際に考慮すべき点、という内容で報告致します。
また、次回宜しくお願い致します。
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