こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

確定申告期も終了しました。
きちんと期限内で申告・納税まで完了しましたか?
もし、遅れてしまっても、絶対に放置してはダメです!
遅れても、必ず申告しましょう!

※参照リンク
確定申告特集:③申告期限に遅れそうなとき・・・

さて、本題ですが、前2回に引き続き「税務調査体験談」です。

<前2回:下記リンク参照>
※税務調査体験談-①告知税務調査体験談-②事前通知(日程調整)

弊社も今期で5期目となっておりますが、昨年末に初めての税務調査の対象となりました。
税理士紹介事業という仕事柄、税務調査の情報・実情は耳にしますが、
やはり、実際に体験することは、知識を仕入れるのとは別の気づきがあるものだと思いました。
ということで、本当に「ユーザー」目線での体験談をお話したいと思います。




■税務調査体験談-③前日~当日

前回は税務調査の日程確定段階で行われる「事前通知」についてお話をしました。
日程の調整等もこの事前通知に含まれるのですが、
調査日数や調査官の人数、調査目的や準備資料等に関して通達されるのが事前通知であり、
この情報から今回の税務調査の「本当の目的」、
「税務署側の意図」がある程度見えてくるという話でした。

今回は、調査前日~当日についてのお話です。

●調査前日までにしておくこと

前回の事前通知が行われた以後、会社側での業務は「必要書類・資料」の準備です。
税理士さんからの助言を基に、遅くとも前日までに資料を用意しておくことになります。

弊社の場合は基本的にすべての書類をまとめてあるので、新たに何かを取得する、
という事ではないのですが、それでもやらなければいけないことはあります。

まずは、書類もれなく存在するかの確認を改めて行います。
全ての書類をまとめている、とは言っても人が行う作業ですから、

  • 抜けている書類がないか?
  • 税理士さんに返却してもらっていないものはないか?
  • 違う保管場所にファイルしていないか?

こういったことを確認しながら行っていきます。

また、最近では、総勘定元帳は印刷すると非常に枚数が多くなるので、
わざわざ印刷せずにデータ(CD-R)の状態で納品されたりします。
ただ、調査の当日にCDとパソコンを調査官にいきなり渡すことはしませんので、
基本的に印刷して用意しておくことになります。

このように税務調査までの準備は、税理士さんに全て丸投げすることは出来ません。
特に書類関係は、原本が最終的には会社側に返却されているものが大半です。
そして、資料の準備が整ったら、最終打ち合わせです。

●調査前日:税理士との最終打ち合わせ

弊社の場合は前日の夜、ということになりましたが、
顧問の税理士さんがいる場合は、税務調査当日までに
税理士さんと打ち合わせを行うと思います。

具体的には、

  • 準備資料の確認
  • 今回の調査対象となる内容に関しての説明
  • 当日の流れについて

このあたりの話が中心になります。

要は、資料の漏れ・紛失が無いかの確認と、
当日の調査官からされるであろう質問や話について、
税理士さんから説明を受け、質疑応答する時間になります。

これで、前日までの準備は終わりです。

●税務調査当日

税務調査は基本10時~スタートです。
税理士さんの話によると、調査官は10時きっかりに到着するとのことなので、
税理士さんは大体9時半ごろに事務所にお見えになり、
本日や資料の再確認を行って、予定時刻を待つ、という感じです。
そして、お話の通り10時きっかりに調査官が来社しました。

お話の通り、お一人で来られました。
まず、普通に会社に入って頂き、私たち、並びに税理士さんと名刺交換から始まります。
税務調査は怖いイメージがありますが、税務署の調査官が強面で
いきなり威圧的ということではありません(笑)。
この時点では普通にビジネス上での初対面と変わりませんので、普通の応対です。

●税務調査、スタート!

この段階から調査が開始します。
税務調査は、まず大体雑談から入る、というのが定説です。
私たちも雑談をするなら、営業時代からの名残で徹底的に雑談に付き合おう!
と思っていました。

そして、1日しか調査日数が無いので、出来る限りこれで時間を潰してやろう(笑)、
とすら考えていたので、どんな話を切り出してくるかな~、と思ったのですが、
10時から10分も経過しないうちに、先方が雑談を切り上げ、本題に入ってきました。。。

これは後から税理士さんにも聞いたのですが、
あそこまですぐに本題に入るというのは珍しいようです。
1日しか調査日がないからなのか、担当調査官が真面目だからなのかはわからないですが、
非常にレアなケースだったようです。

税務調査の本題ですが、まず調査官が実施することは、代表者へのヒアリングです。
具体的に何をするかというと、事業内容、対象顧客、売上の受け取り方法や
入金サイクル等、事業の概況に関して説明を求められます。
ヒアリングを受けた印象としては、
売上発生の基準やポイント、入金方法(振込・現金受領)等、
要はキャッシュポイントやお金の流れについて詳しく質問されたなという印象です。

一通りヒアリングが完了すると、調査官は準備を依頼していた資料のうち、
「まずは〇〇と〇〇をください」という話になり、書類チェックが開始します。
基本的には、まず決算書と総勘定元帳を拝見したいという話になると思います。

●お昼はきっちり休憩する

書類のチェックがスタートし、さらに他の資料も見せてくださいという意見をもらいながら、
調査官の調べものが進む中、12時になると、きっかり作業を中断して
昼食の為の休憩に入ります。

昔は、調査官と経営者が一緒にご飯を食べにいく
なんてこともあったようですが、現在はまずありません。
12時になると「13時に戻ってきます」ということで、すぐに会社から出ていきます。

そして、朝と同様13時きっかりに会社に戻ってきて、
中断した業務を再開します。

●質疑応答、書面確認、コピー

ある程度の調査官のチェックが終わると、
調査官は私たち、並びに税理士さんに質問してきます。
基本的に書面の内容や実態等を尋ねるものは私たちに質問し、
会計・税務上の処理的な話は税理士さんに尋ねるという感じで進んでいきます。

そして、誤りや漏れがありそうな事項を掘り出してくると質問が集中し、
その該当書類をコピーしてほしいという意見が出てきます。
基本的に、税理士さんからも言われると思いますが、調査官へコピーした資料は、
今回の調査として指摘したい箇所になるのが濃厚ですから、
話を早く進めるためにも、税理士さんにも共有しておいた方がいいです。

●調査終盤へ

そして、チェックや質疑応答、資料のコピー等が終わると、
調査官から話があります。

内容としては、今回の調査で修正を希望したい箇所等の説明です。
うちの場合は、前回前々回でも想定していた通り、
消費税還付に関しての内容でした。

要は、「還付された額が間違っているんじゃないか?」という話です。
この場合の「間違っている」は、税務署側からすると
100%「還付額が多いんじゃないか?」という意味です。
わざわざ、「本来はもっと還付されますから、出し直してください」
なんてことは言いません(笑)。

当然、私たちも税理士さんも正しいと思って申告していますから、
いやそれは違うとか云々をやりとりして、
最終的には調査官も確定的な回答はせず
「今回指摘した〇〇のポイントについて、署内で協議してまた回答します」
のような終了を迎えます。

とりあえず、調査自体はこれで終了となり、
大体17時までには、調査官も会社を後にすると思います。

●本当に真面目・・・

税務調査を実体験して、純粋に凄いなと思ったのは調査官の真面目さです。
私たちの会社はそんなに広くないので、スペースも限られています。
そんな状況で私たちや税理士さんが周りにいる中、税務署の人は無駄口一つたたかずに、
一心不乱に書類をチェックし、必要箇所は自分のノートにメモをしていっています。

周りにいるのは調査対象企業(代表者)とその企業の顧問税理士という状況で、
決して自分の味方ではありません。
むしろ、利害が一致しない以上、敵か味方かであれば敵に分類される人たちの周りで
黙々と作業を続けるのは、純粋に凄いなと思いました。

これは個人差あるかもしれませんが、
それこそ、トイレにすら1回も行きませんでしたからね。

とりあえず、調査当日もこれで終了です。
ただし、これで全て調査応対が終わったわけではありませんので、
それ以降はまた次回に・・・

今回の報告は以上です。
次回も「税務調査体験談」ということで、
調査後の回答や修正申告についての話をまとめて報告したいと思います。

また、次回宜しくお願い致します。