こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

今週末から大型連休!という人も多いのではないでしょうか?
旅行、帰省、休養、イベント参加等、
お休みを待ちわびている人もいらっしゃると思います!

ま、私はある程度仕事しそうですが・・・
※仕事好きなのでいいんですけどね(笑)

さて、今回からは新しいテーマです。
税理士紹介という仕事は、
個人の方、法人の方等々からお問合せを頂き、
その人・企業にあった税理士を紹介していくビジネスです。
つまり、第一の仕事はお問合せ頂いたお客様の
「ヒアリング」からスタートします。

当然、税理士紹介サービスなので、
「税理士を探している」、「税理士を変更したい」
という希望が多数なのですが、
中には「税理士に依頼すべきではない内容」
も含まれていたりします。

ということで、
今回は「税理士に頼むものだと思ってた・・・」
というテーマで、初めて税理士に相談される方が
間違いやすい内容、本来は税理士に依頼すべきでないもの、
税理士に依頼しても解決しないもの
等々のお問合せに関して、お話していきます。




■税理士に頼むものだと思ってた・・・①副業バレ対策

まずは一番多い内容から・・・。
2015年の夏を過ぎたあたりから
急激に増加した問合せがあります。

それは、個人の方からのご相談で、
会社員として働きながら副収入をお持ちの方です。

何故、この時期から増えたかといいますと、
マイナンバーの通知(配布)が2015年の秋から始まる為、
それに備えて新聞・テレビでマイナンバーの情報が
一気に増加し、一般への認知度が
急激に高まった時期だからだと考えられます。

じゃあ、どうして副収入がある方に限られるのか?
というと、それは簡単です。

「副業バレ対策」
つまり、本業の会社に副業や
副収入の存在を知られたくない!
という考えからです。

●多かった相談例

ここからは、実際に多かった
相談例についてお話をしていきます。

【相談例①:個人事業としての副収入があるパターン】
  • 不動産の収入や、デザイン、オークション、フリーマーケットでの売上がある方
  • 雇われているわけでは無く、自分でやっている
  • 経費を多く使っているので、あまり利益が無い(ようにしている場合もあり)
  • 確定申告等も行ったことあり
【相談例②:本業以外の給与があるパターン】
  • アルバイトや勤務先同業界等で働いて給与として収入を得ている方
  • 本業の給与が少なくて生活が大変という理由でやっているケースが多い
  • 会社には絶対バレたくない
  • 確定申告はしたことが無い場合が多数

大抵のケース、上記2例のどちらかでしたが、
副業バレではないものの、
同様に色々バレたくないという意味で
同じなので、以下ケースも増えました。

【相談例③:水商売や風俗店で働いているパターン】
  • 学生でこういったアルバイトをしている人
  • バレたくない相手は、親(親族)が中心。
  • 学生のため親の扶養に入っている場合もあり
  • ほぼ間違いなく確定申告をしたことが無い

●多かったお問合せ時の勘違い

上記の3パターンのお問合せが、
2015年夏以降、急激に増加しました。

電話を切った直後に別の電話が鳴る、
メールも多数・・・という日もありました。

そして、勘違いされている点が
多かったのは皆さん共通で、

「税理士に確定申告を頼めばバレずに上手くやってくれる」

という内容です。
中には、やり方だけを無料で教えてもらえないか?
という人もいらっしゃいました。。。
※もちろんムリですが・・・

まず、結論から申し上げますと、
「税理士に頼んだから会社や親に絶対にバレない!」
という方法はありません。

何とかならないのか?
いい方法はないのか?
困るんです!
等々のご意見を言われる場合もありますが
税理士に確定申告を頼むことと、
バレないようにしたいというのは全く別の問題
です。

ただし、相談例①のパターンの人は
バレても影響が無い場合が多数だったり、
元々確定申告をされた経験もあるので、
自分がやる場合とで結果が異なるかの確認だったり、
むしろ、副収入も大きくなってきたので、
これを機に税理士に依頼しようという、
前向きな話だったりする場合もあるので、
他の2例とは反応も異なります。

ただ、他の2例の方は違います。。。
相談例②と③の方が、会社や親にバレやすい理由ですが、
②の方は住民税、
③の方は親の扶養から外れてしまうから
です。

●【相談例②:本業以外の給与があるパターン】がバレやすい理由

会社員等で給与が発生している方は、
勤務先の給与以外の収入が20万円以上あると、
確定申告をしなければなりません。

同一年内に転職をされた方は、
転職後の会社で合算分を年末調整してもらえる
場合が多数だと思いますが、
複数給与が発生している人は確定申告が必要です。

その上で確定申告を行うと、当然ですが
本業給与分以上に稼ぎがあるわけですから、
それに応じて税額が増加します。

そして、その増加した税額は、
勤務先の給与から天引き(特別徴収)されている
住民税にも反映します。

その後、お住まいの自治体から送られてくる
住民税の納付書が勤務先に到着し、
勤務先給与以上の収入があることが、
住民税額から判明してしまう・・・。
これが一般的な副業がバレるときの経緯です。
※同僚にアルバイト姿を見られる、密告される等は除きます。。。

確定申告をしないのはそもそも未申告・未納付ですから、
程度は小さくても脱税の一種です。
ご本人は、副業がバレて会社から怒られる・懲罰を受けるか、
未申告で脱税したという罪悪感と、
いつ税務署から指摘をされるかという不安に苛まれるかの
どちらかを選択しなければならなくなります。
まあ、後者は程度が小さくでも悪いことですから、
前者を選んで会社に謝罪するのが当然なのですが。。。

●【相談例③:水商売や風俗店で働いているパターン】がバレやすい理由

これが親にバレたくないというのは
どなたでもお分かり頂ける内容だと思います。
ただ、かなりの確率で危ない状態です。

まず、社会保険の扶養は(2015年当時)、
年間で130万円以内の収入(売上でも給与でも)でなければなりません。
これを超えてしまうと、ご自身で国民健康保険に
入らなくてはならないわけです。
また、親御さんの扶養から外れるということは、
親御さんが受けている扶養控除等も受けられなくなるので、
親御さんの給与手取り額も変わってくる話です。

実際、この扶養範囲内なら知人に発見されたり、
密告されたりが無い限り、バレないでしょう。

ですが、水商売や風俗店でのお仕事は高額な時給ですし、
事実として高収入を得たくてこの仕事を選んだ
という女性も多いのが事実かと思います。
この範囲内の給与で良ければ、
別に他のアルバイトで問題無いわけですからね。

ここでも、②の相談例と同様に悩むわけです。
学生さんですから、扶養を外れるのは
事前に親御さんに話さなくてはなりません。
当然、どんなアルバイトをしているの??
という話になるかもしれません。

それを避けるために、確定申告をしないのは脱税、
さらに社会保険に関しては、扶養内の基準を超えているのに加入し続けると、
それが発覚したときに遡っての保険料の請求や、
その対象期間内に医療機関にかかってその保険組合が負担した額を
請求される場合すらあります。

法律的には当然前者を選ぶべきですが、
親御さんとそういう話はしづらいですよね・・・。

●税理士が補える分野ではない

ご覧頂いてお分かりかと思いますが、
税理士に申告を依頼することで、
上記の内容が変わるわけではない
のです。

こういった点は、税理士さんに相談した場合は
「申告・納税してください・・・」
という話しかできませんが、
それも悪気があってのものではなく、
税理士に申告を依頼したことにより、
収入や扶養の基準が変わるわけではないからです。

●でも!副業や副収入が悪いことではない!!

法律上副業が禁止されている公務員や、
相談例③のように副業では無く、親バレ対策
となってしまうと話が違いますが、
以前にこのお金諜報部では「サラリーマン副業のススメ(※)」
というタイトルを記載した通り、
副業自体は悪いことではないと思っていますし、
昨今の人手不足の中では、
複数個所から収入・給与を貰う人も
増えてくると思っています。

<参照リンク:サラリーマン副業のススメ>
・サラリーマン副業のススメ①-確定申告・個人事業主の基礎知識サラリーマン副業のススメ②-副業するときの注意事項サラリーマン副業のススメ③-副業するときのリスクサラリーマン副業のススメ④-副業の選び方

大前提として、
副業が悪い・副収入が悪いなんてことはありません。
悪いのはルール違反や法律違反なのです。
つまり、それに反しない内容や、
ルールを守って活動するのであれば、
経済に貢献している活動とすら言えます。

法律で副業が禁じられているのであれば、
副業は諦めて頂くしかありませんが、
そうでなければ、会社とのルールを守れば良いだけなのです。

ですので、副業や副収入が必要な方は、
上記の記事を読んで頂くのでもいいですし、
自社の就業規則を調べて
総務や人事に確認するのでもいいですし、
ルールや法律に違反しない形を目指して頂ければと思います。

さて、今回の報告は以上です。
次回も「税理士に頼むものだと思ってた・・・」
という同テーマで報告したいと思います。

また、次回宜しくお願い致します。