諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです
今回も引き続き、
「メルカリ現金売買騒動」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■メルカリ「現金売買騒動」の真相 後篇
前回は、メルカリ現金売買騒動の仕組みについてまとめました。
多くの報道でも解説されている通り、マネーロンダリングやクレジットカード現金化がその目的であると考えられます。
ですが、それだけではない別の背景がありそうなのです。
●本当にマネロン・クレカ現金化が目的なのか?
前回ご説明した通り、多くの報道では
マネーロンダリングやクレジットカード現金化が
現金売買の目的であると報じられていますが、
本当にそうでしょうか?
よく考えてみると、
今回のメルカリ現金売買騒動では、
おかしな点が多いのです。
おかしな点1:誰が見てもおかしい商品が売買されている
マネーロンダリングにしても
クレジットカード現金化にしても、
後ろめたいお金の取引ですから
極力目立たない方法を取りたいはずです。
今回騒動となった
「額面以上の価格で現金やSuica等を販売する」
ようなことは、したくないはずですし、
する必要もありません。
前回ご説明した通り、
マネーロンダリングの手口としては
不正なお金を自分が使ったと
わからないように使用し、
キレイな取引で入金させるものですから
数多く取引されている物(ブランド品など)に
紛れ込ませるはずです。
また、クレジットカード現金化にしても、
わざわざ額面以上の価格で購入する必要はなく、
換金率の高い商品を購入したり、
複数のアカウントを使って
自分1人で現金化できるはずです。
つまり、
マネーロンダリング・クレジットカード現金化
として考えると、
わざわざ目立つ現金を
取引材料にしていることが不自然なわけです。
おかしな点2:なぜメルカリで発覚・炎上したのか
ネットを使ったマーケットプレイスは、
ヤフオクやアマゾンなど様々なサービスがあり、
それぞれのサービスにおいても
同様の問題は過去にもありました。
マネーロンダリングにしても、
クレジットカード現金化にしても、
10年以上前から問題視されてきており、
ヤフオク等で対策を講じられてきた経緯があります。
そうした反面、手口はより巧妙になり、
わかりにくい形に変遷して行っている、
という現状となってしまっていますが、
今回のメルカリの問題については、
実に幼稚というかあからさまな印象があります。
おかしな点3:以前から問題視されていた物も多く出品されている
今回イタチゴッコとして
換金性が高い商品(Suicaやパチンコの特殊景品など)
に波及したかの報道となっていますが、
これらは今回の現金売買騒動以前から
メルカリで発覚・問題視されていた
ものでもありました。
換金性が高い物だけでなく、
宛名のない領収書などの出品も
今回の騒動後に確認されていますが、
これらも以前からあった問題で
利用規約にも禁止事項として明記されています。
つまり、こうした不正な取引につながるような
商品の出品について、
メルカリ側も以前から認知はしていたようですが
十分な対策がされてこなかったのではないでしょうか。
●メルカリの特徴について考えてみる
このように今回のメルカリ現金売買騒動には、
おかしな点が多いのです。
その理由を推察するために、
メルカリの特徴について改めて考えてみましょう。
特徴1:メルカリの利用者は若年層が多い
ヤフオク等と異なり、
メルカリの利用層は非常に若い
という特徴があるようです。
メルカリでは年齢確認がありませんから
運営自体も正確に利用層を
把握できていないようですが、
10代後半~20代前半の女性の層、
また20代中盤~30代前半のいわゆる主婦層が多く、
あとは、男性の10代~20代が中心のようです。
さらに、利用者の中には
小・中学生も数多くいるようで、
つたない知識や言葉で売買をしているようです。
なぜ、このように若年層に
普及しているのでしょうか?
それは次の特徴が大きな理由のようです。
特徴2:本人確認がほとんどない
その最大のポイントは、
本人確認がほとんどなく利用できることです。
通常のマーケットプレイスでは、
銀行口座やクレジットカードなどが
確実に必要になってきますので、
必然的に氏名・住所などの
個人情報の登録・確認が行われます。
しかし、メルカリはSMSで行われる
携帯電話番号以外の確認はされないという状況です。
(但し、商品の購入・出品段階では氏名・住所の登録は必要です)
さらに、商品の受渡しについても
「コンビニ受取」や「ロッカー受取」
を利用することで、
正確な氏名・住所を特定されずに利用できるのです。
こうしたハードルの低さが若年層を中心とした
大量の売買につながっているようです。
※ちなみに、メルカリでは新規会員登録しようとした人が 自分の電話番号が既に登録されている問題が起きています。
単純に誰かが間違えて登録したことで
起きている問題であれば良いのですが・・・
特徴3:口座やクレカがなくても売買できる
銀行口座やクレジットカードがない若年層は、
どのように売買しているのでしょうか。
そこにもメルカリ特有の仕組みが機能しています。
その具体的な手順は次のようなものです。
- メールアドレス・電話番号で会員登録する
- いらないもの等をドンドン出品する
- 売れた分が自分の売上としてストックされる
- ストックされた売上を使ってメルカリで購入する
このようにメルカリ内で貯めた売上を使って
メルカリ内の商品を購入していれば、
銀行口座やクレジットカードが不要なのです。
ただし、貯めた売上を現金として入金させるには
銀行口座の登録が必要です。
ちなみに、ヤフオクと比較してみると、その違いがよくわかります。
【メルカリ・ヤフオクの違い(出品する場合)】
メルカリ | ヤフオク | |
---|---|---|
利用者層 | 10代~20代の男女が中心 | 30代~60代の男性が中心 |
出品会員 | 一般会員 | プレミアム会員登録 |
年齢制限 | なし ※未成年は保護者の同意が必要 |
購入:高校生以上 出品:18歳以上 ※未成年は保護者の同意が必要 また特定のカテゴリーの入札不可 |
個人情報 | メールアドレス・電話番号・氏名・住所 | 氏名・年齢・住所・電話番号・銀行口座・クレジットカードが必須 |
本人確認方法 | 電話番号へSMS送信 | 電話番号へSMS送信または登録住所への郵送 銀行口座・クレジットカード登録住所との突合 |
売上での購入 | 無条件 | 銀行口座・クレジットカードの登録必須 |
月額利用料 | なし | 月額498円 銀行口座・クレジットカードでの支払いが必須 |
この表にあるように、ヤフオクに出品するには
必ずプレミアム会員になる必要があり、
銀行口座またはクレジットカードからの
月額利用料が引き落とされます。
一般的に銀行口座やクレジットカードを作る際には、
免許書などの本人確認書類の提出が法律で義務付けられています。
つまり、ヤフオクでは
銀行口座やクレジットカードの登録を
必須とすることで、間接的に
氏名・住所などの本人確認をしているわけです。
一方で、メルカリでは
銀行口座やクレジットカードが必須条件ではなく、
本人確認はSMSによる電話番号の確認のみ
となっています。
大きく3つの特徴を挙げてみましたが、
メルカリの特徴は誰でも簡単に
利用できるようにできる限りハードルを下げている
と言えそうです。
●利用者の立場で考えると見えてくるもの
これまでご説明してきたことを踏まえると、
メルカリの利用者は
銀行口座やクレカを持たない若年層も
多くいると考えられます。
その上で、このような若年層の立場で
考えてみてください。
もし、「現金」が出品されていたとしたら、
買いますか?
また、その「現金」の値段が額面以上だとしたら?
おそらく現金を買いたいと思う利用者は多い
のではないでしょうか。
口座やクレカを持たない若年層は、
ストックされた売上を現金にすることができません。
そのため、多少のロスがあったとしても
「現金を購入したい」と思っても
不思議ではありません。
それが、唯一の現金化の方法だからです。
その「現金」の価格が多少高かったとしても、
それ以上に現金を得られるメリットの方が
大きいと感じるはずです。
この感覚は、実際に換金できない
環境に置かれないと
気がつかないかも知れません。
現金化できない若年層から見れば、
「現金」という商品は
垂涎の逸品に見えていることでしょう。
これらは仮説ではありますが、
このように若年層が現金を購入したと考えると、
冒頭にご説明した「おかしな点」も
理解できるのではないでしょうか。
●メルカリの特性が引き起こした問題
このように今回の現金売買騒動は、
メルカリならではの特性がもたらした問題
であると言えると思います。
「若年層を中心とした利用層」
「本人確認がほとんどない」
「口座もカードも不要」
という状況ですから、
今回の騒動で「そんなことができるのか!」
と逆に利用者に周知された格好になってしまい、
より現金化のニーズが強まっていくことに
なってしまう気がします。
本来、マネーロンダリングやクレジットカード現金化
に対して適正に対処する方法は、
どれだけ厳密に本人確認をするかの1点に尽きます。
ですが、現段階でメルカリが発表している対策は、
出品の監視や通報システムの強化などの
対処療法でしかありません。
本人確認のルーズさこそがメルカリの特徴であり、
爆発的に普及してきた大きな要因
であることをメルカリ側も十分認識しているからです。
こうした背景から、
今回起きてしまった一連の問題は始まりに過ぎず、
換金性の高い商品を中心に
形を変えて今後も続いていく
ことになってしまいそうです。。
※上記は2017年5月現在の内容です。
以上、2回に渡ってまとめてきましたが、
いかがでしたでしょうか?
新聞・テレビ等では「クレジットカードの現金化」や
「マネーロンダリング」を中心に報じられていましたが、
純粋に「額面以上の価格でも現金を購入したい」
というニーズがあることをご理解頂けたのではないでしょうか。
こうした状況は、本物のクレジットカードの現金化や
マネーロンダリングの温床になりかねない状況ですから、
メルカリには本人確認の強化を含め
規制を強めていってほしいところです。
いずれにしても今後の動向に注目ですね。
それでは、今回の報告は以上です。
次回も宜しくお願い致します。
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