諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです
今回は、「年金問題」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■年金の受給資格期間が10年に短縮。無年金問題はどうなる?
かねてから問題となっていた「無年金問題」。
この8月から無年金問題に
一定の改善が図られることになりそうです。
その中身はどのようなものか?
問題はないのか?
についてまとめてみたいと思います。
●無年金問題とは
無年金問題とは、
70歳まで年金保険料を納付しても、
受給要件を満たさないため
年金を受け取れない人がいることです。
その人数は、平成19年に社会保険庁(当時)が
行った調査で約118万人が無年金者になる
と推計され、社会問題になりました。
その後、平成21年9月の民主党政権の誕生により
年金改革に焦点があたり、
「社会保障と税の一体改革」が
推進されることになります。
今回実施される
「年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する」
という法案は、民主党政権末期に
「年金機能強化法」として
平成24年8月に成立したものの一部が、
ようやく施行されることになったというわけです。
●受給資格期間が25年から10年に
これまでは、老齢年金を受け取るためには、
保険料納付済期間(国民年金の保険料納付済期間や
厚生年金保険、共済組合等の加入期間を含む)と
国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が
原則として25年(300ヵ月)以上必要でした。
平成29年8月1日からは、
資格期間が10年(120ヵ月)以上あれば
老齢年金を受け取ることができるようになります。
補足)受給資格期間 ・国民年金の保険料を納めた期間や、免除された期間 ・サラリーマンの期間 (船員保険を含む厚生年金保険や共済組合等の加入期間) ・年金制度に加入していなくても資格期間に加えることが できる期間(「カラ期間」と呼ばれる合算対象期間) これらの期間を合算したものが「受給資格期間」です。
●対象者には通知が来る
今回の変更で
新たに年金を受け取れるようになる対象者は、
約65万人と言われており、
その全員に日本年金機構より黄色い封筒で
「年金請求書」が郵送されることになっています。
年金請求書を受け取った方は、
「ねんきんダイヤル」で予約の上、
手続きが必要です。
また、よくわからない方も
「ねんきんダイヤル」で相談してみてください。
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日本年金機構 ねんきんダイヤル
0570-05-1165(ナビダイヤル)
受付時間:月曜日 午前8:30~午後7:00
火~金曜日 午前8:30~午後5:15
第2土曜日 午前9:30~午後4:00
※祝日(第2土曜日を除く)、12月29日~1月3日はご利用いただけません。
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●実際どれくらいもらえるの?
実際の老齢基礎年金額は、次のようになります。
老齢基礎年金の支給額目安(2017年)
納付期間 | 年額 | 月額 |
---|---|---|
40年(480ヵ月) | 779,300円 | 64,941円 |
25年(300ヵ月) | 487,063円 | 40,589円 |
10年(120ヵ月) | 194,825円 | 16,236円 |
このように納付期間が短くなるにつれて
給付額も減っていくことになります。
ちなみに、2017年度の国民年金保険料は、
16,490円/月ですから、納付期間が10年の場合は
保険料を下回ることになります。
当然ですが、満額もらうことができたとしても、
国民年金だけで生活することは難しいでしょう。
ここに年金制度の本質的な問題があります。
●本当に意味があるのか?
今回の受給資格期間の短縮により、
新たに65万人が年金を受け取れるようになります。
しかし、そこで増えた人たちは、
ほとんどが低年金者となるわけです。
つまり、無年金問題に踏み込んだら
低年金者を増やした格好になってしまったわけです。
それでも、1歩前進したと考えることはできますが、
低年金者が増えたことにより、
どうしても注目が集まるのが生活保護との格差です。
生活保護の支給額は地域によって異なりますが、
東京23区で70歳以上1人暮らしの場合、
生活扶助基準額74,630円
住宅扶助基準額53,700円
合計128,330円もらえることになります。
この他に医療費負担がゼロだったり、
住民税・所得税などの税金を
支払う必要がありません。
つまり、生活保護の方が
遥かに厚遇されているように見えるわけです。
もちろん生活保護を受けるには、
「援助してくれる身内がいない」、
「働けない」、「個人資産がない」
などの条件を満たす必要がありますが、
資産を持たない高齢者は多くの人が
あてはまることになるはずです。
こうしたことから結果的に、
キチンと保険料を納める意識が低下し、
生活保護者をさらに増やす結果に
なってしまうのではないでしょうか。
●そもそも財源はどこから??
今回、新たに約65万人に支給される
年金の総額予算は年間約650億円を
見込んでいるとのことです。
では、その財源はどこから出るでしょうか?
新規の65万人の方々も
最低10年間は保険料を支払っていたのですから、
公的年金制度の積立金から
支払われると考えるのが自然でしょう。
ですが、今回の追加分約650億円は、
税金から賄うことが決定しています。
実は、今回の受給資格期間の短縮は、
もともと消費増税10%と
同時に行われる予定でしたが、
「無年金問題は喫緊の課題だ」として
安倍政権の政治的判断で先行して
実施されることになったのです。
ご存じの通り、
公的年金制度の財政状況はひっ迫しており、
現段階でも国民年金の1/2が国庫負担、
つまり税金で賄っています。
今回の追加分は、従来の国庫負担にプラスして
新たな国庫負担になるということです。
このように年金制度の運用は、
現段階でもその半分以上が税金で賄われており、
少子高齢化社会が深刻化する今後は、
十分な保険料が集まらず国庫負担の割合が
より増加していくに違いありません。
以上、いかがでしたでしょうか?
今回の受給資格期間の短縮により、
「無年金者が救済されることになるが、
低年金者が増える。その財源は
税金で消費増税10%が前提」
ということがおわかり頂けたと思います。
今回のような形で年金制度は
「徐々に税金の割合が増加していること」、
「生活保護者も増えていること」を踏まえると、
国民年金は生活保護を含めて
税金で賄うことにしてしまうしか
解決方法がない気がします。
その場合は、当然保険料相当の増税が
必要になりますが・・・
いずれにしても年金制度は
抜本的な改革が必要でしょうね。
それでは、今週の報告は以上です。
次回も宜しくお願い致します。