諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
今回は、「与党の経済政策」
についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■今後の政策はどうなる? Society5.0って何?
新聞各社の前評判通りに
自民党の圧勝で終わった2017衆院選。
野党が乱立する中で、
やはり着実に実績を
挙げてきていた自民党が
支持されたという事ではないでしょうか。
ですが、実際の政治は
「これから何を進めていくのか?」
が一番大切。
そこで、大勝した自民党が
どのような経済政策を進めていくのか、
どのようなビジョンを持っているのか
についてまとめてみます。
●自民党が打ち出す未来の社会像
衆院選では離合集散した野党が
まともな政策を作れなかったためか、
安倍政権の継続是非に
焦点があたりすぎた感がありました。
一方で、約5年に渡り継続している
自民党安倍政権は
成長戦略が不足している
と言われ続けてきましたが、
ここに来て具体的なビジョンが
見えはじめてきました。
そのビジョンは、
「Society5.0」。
『世界に先駆けた
「超スマート社会」の実現』
ということのようです。
参考:Society 5.0 実現に向けて 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/juyoukadai/infra_fukkou/12kai/sanko2.pdf
フワッとしている気がしますが、
概念を理解すれば
「なるほど」となると思います。
まず「Society」とは、
社会や共同体という意味です。
そして、5.0とついていますから、
4.0や1.0もあったということになりますよね。
図の右下に小さく描かれていますが、
次のようなものです。
- Society1.0:狩猟社会 狩りをして命がけで食料を調達していた社会
- Society2.0:農耕社会 農耕により安全に食料を作れるようになった社会
- Society3.0:工業社会 工業化が進み工業に適した社会構造に変化
- Society4.0:情報社会 情報が価値を持ち情報を中心に社会構造が変化
そして、その次に来るのが、
Society5.0:超スマート社会
と定義しています。
そこでは、ICTを最大限に活用し、
サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)とを
融合させ人々に豊かさをもたらす
「超スマート社会」を
世界に先駆けて実現するということのようです。
この「超スマート社会」とは、
必要なもの・サービスを
必要な人に必要な時に必要なだけ提供し、
社会の様々なニーズにきめ細やかに対応でき、
あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、
年齢、性別、地域、言語といった
様々な違いを乗り越え、
活き活きと快適に暮らすことができる社会
と定義されています。
このような社会では、
例えば、生活の質の向上をもたらす
人とロボット・AIとの共生、
ユーザーの多様なニーズにきめ細かに応える
カスタマイズされたサービスの提供、
潜在的ニーズを先取りして
人の活動を支援するサービスの提供、
地域や年齢等によるサービス格差の解消、
誰もがサービス提供者となれる
環境の整備等の実現が期待されています。
また、超スマート社会に向けた
取組の進展に伴い、
エネルギー、交通、製造、サービスなど、
個々のシステムが組み合わされる
だけにとどまらず、
将来的には、人事、経理、法務のような
組織のマネジメント機能や、
労働力の提供及びアイデアの創出など
人が実施する作業の価値
までもが組み合わされ、
更なる価値の創出が期待できる
と考えられているようです。
その超スマート社会における基盤として、
次のようなインフラ整備を進め、
それらが相互に連携することをイメージしています。
参考:科学技術イノベーション総合戦略2015における 重点化対象施策について【概要】 内閣府政策統括官 http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui011/siryo1-1.pdf
この超スマート社会では、
例えばAIが搭載された自動車が
タイヤ交換を勧めてきたり、
実際のタイヤ交換の手配を
してくれたりするイメージが挙げられています。
参考:平成28年版科学技術白書 http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2016/05/19/1371168_004.pdf
このように具体的な社会像をイメージし
目標として掲げ共有することで、
そうした社会を実現しようということのようです。
このビジョンを中心に様々な政策が掲げられています。
●様々な政策が掲げられているJ-ファイル。その数474!
自民党の総合政策集「J-ファイル」では、
分野ごとに個別に政策がまとめられています。
経済・財政・社会保障・教育・環境など
網羅的にまとめられ、その数は474もあり、
ここで全部ご紹介するのは難しいです。
ですので、その中で主だったものを
ピックアップしたいと思います。
経済再生
「600兆円経済の実現」
「希望出生率1.8」
「介護離職ゼロ」という
新・三本の矢を引継ぎ一体的に推進します。
経済成長の成果を、子育て・介護等に分配して、
それを更なる成長につなげる
「成長と分配の好循環」をつくりあげます。
財政再建
2019年10月に消費税率を10%へ引き上げます。
その際、「全世代型社会保障」への転換など
「人づくり革命」を実現するため、
消費税率10%への引き上げの財源の一部を活用します。
子育て世代への投資と
社会保障の安定化とにバランスよく充当し、
景気への悪影響を軽減しながら財政再建も確実に実行します。
科学技術
「科学技術力は国力に直結する」との考えのもと、
「世界で一番イノベーションに適した国」を目指し、
「第5期科学技術基本計画」に基づき、
「Society5.0」の実現に向けた
科学技術イノベーションの活性化を
官民挙げて推進するとともに、
5年間総額26兆円の政府研究開発投資を目指します。
エネルギー
「エネルギー基本計画」を踏まえ、
徹底した省エネ、再生可能エネルギーの最大限の導入、
火力発電の高効率化などにより、
原発依存度を可能な限り低減させます。
また、安定供給を確保し、
経済成長とco2排出抑制を両立させる
バランスの取れた
エネルギーミックスの実現に向け、
責任あるエネルギー政策を遂行します。
観光立国
外国人旅行者2020年4,000万人、
旅行消費額8兆円をめざし、
訪日プロモーションの強化や
ビザ緩和、免税店の拡大や
電子化等利便性の向上、
空港・港湾のCIQ強化等、
多様なニーズに応じた受け入れ体制の整備・強化を図ります。
中小企業
地域経済の主役である
中小企業・小規模事業者が直面する、
人手不足、マーケット縮小などの課題に対し、
起業の活性化、地域の強みや
魅力を活かした商品開発や
海外展開を含めた販路開拓、
人材育成、人材投資の推進、
ICT・IoT導入支援の強化など
生産性向上の取り組みなどを通じ、
中小企業・小規模事業者の
成長、発展を促進します。
とりわけ小規模事業者には手厚い支援を行います。
社会・生活安全・消費者
労働力人口が減少し、現行制度でも
外国人労働者の大幅な増加が
見込まれる中で、
日本人だけでは労働力が不足し
社会に深刻な悪影響が生じる分野について、
外国人労働者が適切に働ける制度を整備します。
※詳しくは総合政策集「J-file」参照のこと https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/20171010_j-file.pdf
全体としては、アベノミクスの
新・三本の矢でGDP600兆円規模を
目指すとしていますから、
実質国民の所得が
50兆円程度拡大することを意味します。
また、それが実現したとしても
格差が拡大してしまっては問題ですから、
しっかりと再分配が機能する必要もあります。
特に労働環境においては
格差が生じやすい状況である一方で、
外国人労働者の受け入れ拡大などが
計画されていますから、
さらに問題が悪化しないか心配なところです。
いずれにしても、民主党政権時代は
「経済成長しない社会」が前提でしたので、
未来のある社会像が掲げられるのは
良いことだと思います。
さらに「サイバー空間と
フィジカル空間を融合させ~」なんて言葉が
政策に含まれる時代になったわけですから
政治とは面白いものです。
いずれにしても、どこまで実現できるか楽しみですね。
それでは、今週の報告は以上です。
次回も宜しくお願い致します。