諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは、
「ふるさと納税」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■ふるさと納税 ついに規制強化へ!
ふるさと納税制度、利用していますか?
豪華な返礼品を貰えて、
さらに税制優遇のある制度ですが、
近年その返礼品が競い合うように
豪華になっていること等が
問題視されていました。
どうやら本格的に規制が
強化されるようです。
まとめてみます。
●過度な返礼品に総務省も我慢の限界
まずは、ニュースからです。
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ふるさと納税見直しへ 高額返礼は優遇除外
日本経済新聞 2018/9/11 10:56
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35202730R10C18A9MM0000/
野田聖子総務相は11日、ふるさと納税制度の
抜本的な見直しを検討すると発表した。
寄付金に対する自治体の返礼品の額の割合が
3割超の場合や、返礼品が地場産品でない自治体への寄付は
税優遇の対象からはずす方針だ。
開始から10年が経過したふるさと納税は
地域活性化に一定の効果が出ている一方、
本来の趣旨にそぐわないケースも残っており是正を急ぐ。
野田総務相は11日の閣議後の記者会見で、
「一部の地方団体による突出した対応が続けば、
ふるさと納税に対するイメージが傷つき、
制度そのものが否定されることになりかねない」と強調。
過度な返礼をしている自治体は
「一日も早く必要な見直しを
おこなっていただきたい」と述べた。
年末に向けて与党税制調査会で詳細をつめた上で、
2019年の通常国会に地方税法改正案を提出。
早ければ19年4月からの施行をめざす。
ふるさと納税は自治体に対する
寄付金から2千円を引いた額が、
所得税や住民税から控除される仕組み。
故郷や応援したい地域の活性化に役立てるのが
本来の狙いだが、寄付を受けた自治体は
お礼の品を送るのが一般的になっている。
より多くの寄付金を集めようと
過度に豪華な返礼品を用意する自治体もある。
街おこしとは関係の薄い海外のホテル宿泊券や
宝飾品、商品券などを送付するケースが問題となっていた。
他の自治体が不公平感を訴えたり、
税金が流出する側の自治体から批判が出たりしていた。
16年度には全体の65%にあたる1156の自治体で
返礼割合が3割を超えていた。
総務省は17年春、寄付金に対する返礼の割合を
3割以下に抑えて地場産品以外は扱わないよう
大臣通知で各自治体に要請。
18年春にも同様の通知を出したが、
依然として一部の自治体は通知に従っていない。
総務省が11日に公表した9月1日時点の調査によると、
依然として246の自治体(全体の14%)で
返礼割合が3割を超えていた。
10月末までに見直す
との意向を示した自治体を除いても
174と全体の10%を占める。
外国産ワインなど地場産品ではない
返礼品を送る自治体も9月1日時点で190あった。
総務省幹部は「これだけ長い期間、
要請しても従ってもらえないのは限界。
制度としてあるべき姿に戻す検討をせざるを得ない」と強調。
法的には強制力のない通知ではなく、
違反した自治体を制度の対象から除外する規制に踏み切る方針だ。
制度の対象外となった自治体への寄付は
控除の対象とならず、寄付する人には税優遇のメリットがなくなる。
ふるさと納税は08年度に始まってから10年が経過した。
寄付金の受け入れ総額は
当初は年100億円に満たなかったが、
17年度は3653億円まで拡大している。
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ふるさと納税の返礼品競争は、
これまでも度々問題視されており、
過去2年間に渡り2回総務大臣から
各自治体へ是正するように通知がされていました。
ですが、一部の自治体が一向に是正しないため、
ついに法的な規制へ踏み切るようです。
その対応は、早ければ19年4月からの施行となりそうです。
●一向に是正しない問題の自治体とは?
実は今回の発表に先立ち、
総務省では各自治体に事前に意向の調査を行っていました。
返礼割合が3割を超えるものや、
地場産品以外のものを
返礼品としている自治体に対して
「今後どう是正するのか」
と意向を聞いていたわけです。
ですが、見直す意向がなかったり、
回答がなかったりした自治体が12団体ありました。
【問題の自治体】
茨城県 | 境町(21.6億円) |
岐阜県 | 関市(14.1億円) |
静岡県 | 小山町(27.4億円) |
滋賀県 | 近江八幡市(17.7億円) |
大阪府 | 泉佐野市(135.3億円) |
福岡県 | 宗像市(15.6億円)、上毛町(12.1億円) |
佐賀県 | 唐津市(43.9億円)、嬉野市(26.7億円)、基山町(10.9億円)、みやき町(72.2億円) |
大分県 | 佐伯市(13.5億円) |
※( )内は平成29年度受入額
そして、これらの団体は
ふるさと納税の受入金額の上位団体であり、
特に大阪府泉佐野市は、
2位と50億円以上離したぶっちぎりの第1位です。
その返礼割合は50%で、用意されている返礼品を見ると驚きます。
ビールや発泡酒・清涼飲料であったり、
ボックスティッシュ、トイレットペーパー、
食料品・レトルト商品、ガム、カップめん、
ボディケア商品、生活雑貨等々、
あたかもAmazonや楽天で
ネットショッピングでもするかのような品揃えです。
もはや「返礼割合」や「地場産品」という
総務省の通知など一切気にしていない清々しさすら感じます。
総務省にしてみれば悪意すら感じるでしょうし、
法規制したい気持ちもよくわかります。
●どうしてこうなった?
そもそも、どうしてこうなったのでしょうか。
もともとは返礼品すら想定してなかった
ふるさと納税制度ですが、
実質的に2,000円で返礼品がもらえる制度
として注目を集め、
2015年にサラリーマンの確定申告が不要になる
「ワンストップ制度」が導入され、
一気に加速してきた経緯があります。
ふるさと納税には、故郷に意識的に
納税できるメリットがありますが、
その反面で居住地域の税収が減り、
人気のない返礼品の自治体との
格差が拡大するといった問題があります。
そのため、何もしなければ
どんどん税収が減ってしまうため、
如何に注目される返礼品を
用意できるかという視点で
競争が激化してきてしまったわけです。
その結果、できるだけ
多くの商品ラインナップを用意し、
どこよりも付加価値が高い(実質的に安い)ものが
乱立することになったということです。
各自治体からすれば
「やらなきゃやられる」という焦燥感があるでしょうし、
利用者からすればよりお得な返礼品を求めて、
どこかもわからない自治体に寄附するわけですから、
この制度は根本的に失敗してしまった感があります。
●納税された税金は有効活用されているのか?
本来の趣旨からかけ離れてしまったふるさと納税ですが、
せめて納税された税金だけでも有効活用してほしいところです。
ですが、どうやらその使い道も歪んでしまっているようです。
総務省の調査によると、
平成29年度のふるさと納税に伴う
全団体の経費総額は、次のような状況です。
(単位:百万円)
区分 | 金額 | 受入額に占める割合 |
---|---|---|
返礼品の調達費等 | 140,615 | 38.5% |
返礼品の送料等 | 24,098 | 6.6% |
広報費用等 | 5,570 | 1.5% |
決済費用等 | 7,752 | 2.1% |
事務費用、その他 | 24,671 | 6.8% |
合計 | 202,707 | 55.5% |
これを見てお分かりのように、
ふるさと納税で納入された税金の
55.5%が経費として使われてしまっているのです。
金額にすると約2,000億円。
当然ふるさと納税されていなければ、
これらはそのまま居住する自治体の
公共事業等に利用されるお金ですが、
それらが返礼品の調達などに使われてしまっているわけです。
もちろん地域振興や地域産業発展の観点から、
地域の特産物などが返礼品として
購入されていればまだ救われます。
が、前述したように地場産業とは
かけ離れた返礼品が乱立している状況ですから、
「地方に寄附したけど都市部の企業に還元される」
といった本末転倒な事態に陥ってしまっているのです。
このようにふるさと納税は、
本来の趣旨からかけ離れた状況にあり、
今回の法規制だけでなく
抜本的な見直しが必要な状況にある気がします。
以上、いかがでしたでしょうか。
先日の北海道胆振東部地震で
甚大な被害を受けた被災地を
支援するためのふるさと納税も始まっています。
ふるさと納税は、
そうした有効活用できる良い面もあるのですが、
悪用(?)されてしまうと
ただの税金の無駄遣いにもなってしまいます。
利用者としても、ただ安さや
お得感だけを求めるのではなく、
ちゃんと地域貢献できるようなものを
心がけたいものです。
いずれにしても、
ふるさと納税の動向は
今後も注目していく必要ありますね。
それでは、また次回宜しくお願い致します。