こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さて、今回も引き続き、
「実際の税理士紹介事例」
に関してのお話です。
<前2回:下記リンク参照> ※実際の税理士紹介事例-①ネット通販(転売)事業 ※実際の税理士紹介事例-②ネット通販での個人輸出
税理士紹介事業を行う弊社では、
大変有難いことに、毎年多くのお客様から
税理士の新規契約・変更のご相談を頂戴しております。
今回のテーマでは、そのご相談の中から
主だった内容を解説含めてお話していきます。
税理士との契約を考えている、
税理士の変更を検討している等の
お客様の一助になれば幸いです。
■実際の税理士紹介事例-③サラリーマンの不動産投資
前回は「ネット通販での輸出事業」
を営む個人事業主様の事例を紹介しました。
インターネットの普及や、
大型通販サイトの出現・定着により、
個人ベースでも比較的簡易に
海外での出店・販売が可能になりました。
ただ、出店・販売の障壁は下がっても、
輸出事業であることは変わりない為、
消費税還付申告等による税理士のサポートが
必須ともいえる事業者で、
貿易・輸出関連の事業応対経験がある
税理士でないと、関与が難しい旨等をお話しました。
今回は、ガラッと変わりまして、
サラリーマンの不動産投資を行う方の事例です。
●お客様情報:法人、不動産賃貸業(大家・オーナー)
今回は法人ですが、上記の通り、
本業はサラリーマンで会社勤めの方が代表者です。
不動産賃貸業とありますが、基本的には大家業です。
個人名義で開始せず、本事業用に法人を設立、
融資等も利用した上で不動産を法人名義で購入し、
その家賃収入がメインの売上なります。
法人設立は設立したばかりで、
1期目の決算も迎えていません。
物件は引き渡し前ですが、通年で稼働すると、
家賃収入が500~600万円くらいの見込み、
という規模の法人です。
法人設立~融資に関しては、
不動産会社さんとのやり取りで進めており、
そろそろ引き渡し時期が迫ってきたので、
税理士さんとお付き合いを開始したいというご希望です。
●お問合せの背景:税理士への希望内容
法人なので、代表者様の意向としても、
申告関連で税理士と契約は必要、
という認識で、どうせ依頼するのであれば、
「自分と同業・同じような状況の顧客の
応対経験がある税理士」を強く希望していました。
元々持っている不動産物件から
発生する家賃のみが収入源で、
その他の活動を行わない、という法人であれば、
恐らく、関与がNGという税理士はいないので、
正直、どの事務所でも応対は可能でしょう。
そして、依頼者側もそれを理解しているので、
安価で決算だけ応対頂ける事務所に頼む、
というケースも多くあります。
ただし、今回は元々の地主さんや、
家族が所有していた物件のオーナーではなく、
サラリーマンの方が新たに不動産を購入された、
いわば不動産投資の為の法人です。
通年稼働で家賃収入は500万円以上ということで、
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
購入された不動産も1室ではなく、1棟です。
このようなケースの場合、
前回同様、消費税還付の話が
大きな検討事項になります。
不動産を1棟購入する、
且つ数百万円の家賃が
年間で発生する物件となると、
通常5,000万円~1億円前後の価格になります。
となると、不動産購入時に支払う消費税額は、
建物割合が60%くらいだとして、
250~500万円前後です。
一方、賃料収入に関しては、
一般の方に居住用として
貸し出すわけですから、
受け取る賃料に消費税は加算されません。
根本的に消費税の計算というのは、
「受け取った消費税」-「支払った消費税」
で差額分を納税するという考え方ですが、
受取が0で、支払が数百万円あれば、
それが還付対象になるということです。
数百万円のお金が戻ってくる!
というのは非常に大きな魅力の為、
当然のことながら、
不動産投資用で高額の不動産を
購入をされた方は、
消費税還付を考慮するのですが、
課税売上割合やら、
3年間の総額やら、
税務調査対策やら、
諸々考える事が多く、
同様のケースを応対したことのある
税理士でないと、応対が難しい内容です。
今回の代表者様としても、
そのあたりの情報はご存知でしたので、
不動産オーナー、もっと言うと、
サラリーマンで不動産投資を行う方の
関与経験がある税理士を希望したという訳です。
●税理士との契約内容
こういったお客様に関して
弊社が紹介を実施するのは、
- 消費税還付の関与経験
- 不動産オーナーの関与経験
こういった条件を満たす税理士事務所を
選定してご紹介を行います。
更に、この事例に関しては、
代表者様の意向に沿う形で、
同状況(サラリーマンの不動産オーナー)
と関与実績のある税理士事務所を紹介しました。
以下、税理士さんとのご面談で
決まっていった内容です。
【消費税還付】
諸々シュミレーションした結果、
消費税還付を実行することになりました。
税理士さんからも注意事項や助言、
還付までのステップをご案内頂き、
それに沿って進めていくことになりました。
【会計・記帳】
事業的に入金もほぼ一定、
証票類(領収書や請求書等)も軽微なので、
税理士事務所側で記帳代行から
請けて頂くことになりました。
【税理士報酬】
税理士さんの報酬は、今期に関しては、
この法人に物件が追加されない限りは、
年間20万円+税でということになりましたが、
また、上記に加え、消費税還付実施後だけは、
別途報酬発生ということでまとまりました。
【弊社からの追記】
今回のケースで消費税還付を実施する場合、
上記の通り、還付年度のみ税理士に対して
別途報酬が発生するのが通常です。
金額としては、還付額の20~30%、
もしくは、事務所設定の固定報酬(数十万円)、
というのが多い印象です。
正直、消費税還付の報酬高い!!
と思うかもしれませんが、
寧ろ、こういった報酬を請求しない
という事務所の方が、危ないです。
不動産投資法人で
消費税還付を実施する場合は、
還付金額というメリットだけではなく、
消費税のルール上、
3年間のシミュレーション、
課税売上割合の対策も
考慮しなくてはなりません。
しかも、それだけ対策を実施したとしても、
税務調査対象になりやすい内容です。
詳しい税理士ほど、諸々考慮した結果、
消費税還付を勧めない場合もあります。
だからこそ、税理士側としても
申告するのであれば、リスク・手間がある分、
ある程度の報酬を請求するのが通常です。
このケースの事情を知った上で、
サラリーマンの不動産オーナーに関しては、
消費税還付が絡むなら関与しない、
というスタンスの事務所もあるくらいです。
ただ、中には、こういった実情を
全くご存じない税理士で、
通常の家賃収入のみ発生する法人と
認識した上で関与を開始し、
後々トラブルになったケースもあります。
そして、得てしてこういう事務所が
消費税還付に関する手数料を請求していません。
サラリーマンの不動産投資をされるお客様の中で、
物件購入初年度に消費税還付を行う場合は、
本当に同ケースの応対経験がある
税理士事務所でないと厳しいです。
報酬は痛手かもしれませんが、
報酬の安さだけで決めると、
最終的には還付しない方が良かった・・・
ということになるかもしれません。
●まとめ
今回の事例は、サラリーマンの方の
不動産投資の事例についてお話をしました。
特にある程度の高収入のサラリーマンは
老後の事、
子供への資産作り、
早期リタイア・・・
諸々の事を考慮して行っているのだと思います。
ただ、注意が必要なのは、
テレビ・新聞等の各メディアを賑わせた
「かぼちゃの馬車」のような不動産業者の存在、
不動産の融資が以前より厳しくなっていること、
消費税還付のルールも厳しくなってきていること、
諸々のリスクが多い事業です。
ただでさえ、不動産という
高額な買い物をした上で参入する事業で、
不動産物件の見極めもしなければならず、
更に、上記のようなリスクも存在します。
今回の事例では、税理士関与の時期は、
法人の事情的にギリギリだったのですが、
色々なリスクを考えると、
代表者様の立場を考慮した助言を頂けて、
且つ、多々事例を見てきている
税理士とは早めの契約をお薦めします。
ということで、今回の報告は以上です。
次回も同様に「実際の税理士紹介事例」
というテーマで報告を行って参ります。
上記の通り、サラリーマンの副業とは言え、
法人まで立てて、更に消費税の事まで
関わってくる場合は、
税理士との関与はほぼ必須です。
もし、まだ税理士と関与が無い、
依頼する予定の税理士が自分の事例に
詳しいか不安だ、という状況でしたら、
サラリーマンの不動産投資に精通した税理士を紹介可能な、
こちらに是非ご相談ください。
税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/
また、次回宜しくお願い致します。