こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回のテーマも前回に引き続き、
「顧問税理士を変更するとき」
ということでお話をしていきたいと思います。

事業者と税理士との契約・お付き合いは、
頻繁に変更するというよりも、
継続的にお付き合いをしていくことを
念頭に置いているのが一般的です。
それは個人事業主であっても、
法人であっても、事業を営んでいる
「事業者」ということであれば、
あまり変わらないと思います。

ですが、それも良好な関係性が
同時に継続しているのが前提です。
本来はどちらかが仕事を辞めるまで
お付き合いをすることも珍しくない
税理士と事業者の関係ですが、

  • 相性があわない
  • 担当者に対する不満
  • 税理士事務所のミスが多い
  • 突然の値上げ

等々により、税理士との関係性が思わしくなく、
顧問税理士を変更したいと考える事業者が
存在するのも事実です。

税理士とは継続的に関与した方が良いと、
個人的にも考えているのですが、
「顧問税理士を変更する」と
本気でお考えのようでしたら、
今回の内容を是非参考にして頂ければ幸いです。

顧問税理士を変更するとき-②契約解除時のよくある質問

 

■顧問税理士を変更するとき-②契約解除時のよくある質問

前回は、顧問税理士を変更するときに
知っておいた方がいいこと、
という内容をお話しました。

顧問税理士を変更する場合は、
まず、「現在の顧問税理士との契約解除」
が伴うということ。
そして、それを踏まえた上で
契約解除・税理士変更に際して、
知っておいたほうがいいこととして、

  • 既存税理士との契約内容を確認
  • 既払い分は返金されないので、期中での変更は
    新事務所分と税理士報酬が重複する可能性
  • 契約解除は依頼者本人(事業者)が直接伝える
  • 契約解除した事務所への再度の依頼は困難

といった内容に言及しました。

今回は、より突っ込んだ内容として、
「顧問税理士との契約解除にあたって、
事業主からよくある質問」
についてお話をしていきます。

●税理士との契約解除に慣れた人などいない

前段でも、そして前回でも触れた通り、
個人的な考えとして、
税理士とは継続的に関与した方が
良いと思っていますので、
頻繁な税理士変更は推奨致しません。

ですが、弊社は税理士紹介事業という仕事柄、

  • 顧問の税理士を切り替えたい!
  • 別の事務所に依頼したい!

という要望が存在し、ご相談を頂戴して
いるのも事実です。

そういった事業者様には、ご要望をお尋ねし、
前回お話したような、税理士変更の際に
知っておくべきことの情報等も開示した上で
税理士の紹介サービスを進行しています。

ただ、何故こういった知っておくべき情報の
喚起を行わなければならないかというと、
そもそもとして、事業者様側に経験が少ないからです。
何の経験かというと、
「税理士との契約解除の経験」です。

弊社のように事業として
税理士の紹介や変更に携わっていると、
それが日常に感じるのですが、
一般の事業者様からすると、
税理士との契約解除は非日常の極みで、
そう滅多にあることではありません。

税理士に依頼してから契約解除をせずに
事業を廃業したり、後継者に引き継いだり
という場合も少なくないのが実情なので、
実際、弊社に税理士紹介をご相談される方も、
顧問税理士との契約変更は初めてという方が
圧倒的多数で、以前に経験がある方でも
1・2回程度が殆どで、何度も繰り返している方は
ほぼいらっしゃいません。

※必要以上に税理士変更をされている方は、
事業者側にも何かしら問題があるケースも多く、
その内容次第では、税理士の紹介に進めないケースもあります。

そして、ご相談いただく方が全般的に
顧問税理士との契約変更に対して経験が浅いため、
税理士変更を進めるにあたっての質問として、
似たような内容をお尋ね頂くことがあります。
同じような境遇の方が同じような質問をされる、
というのは、恐らく
「同じようなことを不安に思っている」
ということなのだと思います。

●顧問税理士との契約解除にあたってよく出る質問

では、顧問税理士の契約変更や
それに伴う契約解除に動こうとする事業者は、
どのような点をよくお尋ねになるのでしょうか?

今回は、そのよく頂戴する質問をまとめていきます。

【顧問税理士が資料を返却してくれるのか?】

税理士に依頼されたことがあれば
お分かりだと思いますが、
税理士に申告書や会計作業を依頼する場合は、
税理士事務所へ資料を提出しています。

全て丸投げ!!という人であれば、
全ての領収書や請求書、通帳のコピー、
役所や税務署から送られてくる書類等、
その事業者のお金の動きを証明する資料を
全て税理士に渡していることになります。

最近では諸々の電子化が進み、紙ベースの資料等は
少なくなっている現状ではあると思いますが、
通常の税理士との付き合いにおいて、
データや資料の共有がないことはありえません。

「顧問税理士が資料を返却してくれるのか?」

という質問は、預けている資料を
契約解除を伝えた税理士が、
しっかり返却してくれるのか?
という事への不安です。

正直、自社にも控えがあるものや、
税理士に提出したのがコピーである場合は
大した問題ではないかもしれませんが、
領収書の原本等を提出している場合も
付き合いによってはあるわけなので、
契約解除の後に書類がすぐ廃棄されたり、
旧事務所からの嫌がらせで
返却されなかったりしたらどうしよう!
という不安を抱いての質問ということです。

結論から申し上げますと、
旧事務所に預けている書類が
返却されないということは、
まずありません。

税理士は事業者の依頼を受けて
税務申告や書類作成の代行を行う「代理人」なので、
いくら契約解除されたとはいえ、
依頼者から預かっているものを返却しなかったり、
書類等を勝手に廃棄したりして、
依頼人の不利益になるような行動はとりません。

※実際にそのようなことを税理士が行ったら、
 税理士会から懲戒処分を受けるはずです。

なので、預けている資料やデータは、
契約解除を告げたとしても
無事返却されるとお考えください。

ただ、このような質問は
普通はあり得ないようなことだと思うのですが、
契約解除を告げたら、書類を返さない・廃棄する
という嫌がらせを受けるかもしれないと
税理士が思われてしまうほど、
事業者と税理士との関係が悪化している証拠です。
ここまで来たら、修復はまず不可能なので、
すぐにでも税理士を変更すべき事案とも言えます。

【凄く怒られる・嫌味を言われるのでは?】

税理士をはじめとした士業全般が
持たれている悪いイメージに、
上から目線、とっつきにくい、怖い、
といったものがあると思います。

こういったイメージは、昔の士業(税理士等含む)を
取り巻く環境として、依頼を希望する仕事量に対して、
受け入れる資格者数が少なく、
士業側、つまり仕事を受ける側が圧倒的に優位だったこと、
その背景もあり、士業側が高圧的な態度を取っていても
仕事として成立していたこと等があります。
その人がどんなに偉そうで、高圧的な態度の人でも、
他がいないので頼まざるを得ない、という感じです。

現在では、税理士を取り巻く環境が
大きく変わったことや、
税理士の仕事もサービス業として
考える事務所が増加しているため、
現在の税理士や事務所の職員さんが
関与先企業に対して、
偉そう・高圧的な態度をとることは
ほぼありません。

ですが、昔からやっている事務所の中には、
以前の名残のまま、怖そうな所長、
感じの悪い職員、という所もあります。
こういった事務所から契約変更を考える事業者の中には、
自分たちから契約解除を申し出た場合、

「凄い剣幕で怒られるのではないのか?」

ということを恐れてお尋ねになる方がいます。
こちらに関しては、大変恐縮ながら、
諦めてください。
ただ、そんなに重く考える事ではありません。

事業者側に未払い金が無く、不義理なことが無ければ、
どの税理士に依頼するかを決めるのは、
あくまで事業者です。

このようなケースで相手の事務所が怒るというのは、
悪く言ってしまうと、契約解除を言われたことにより、
税理士のプライドが傷つけられたからです。
要は、捨て台詞です。

前段の話でも触れたように、どんな税理士でも
自分が依頼者の「代理人」である事は認識しているので、
契約解除や税理士変更に伴う事に対して
自分が何も出来ないことは知っていますし、
実際に妨害工作を行ってしまうと、
自らに懲戒処分のリスクがあることも知っています。

1件の契約解除でプライドが傷つけられたくらいで、
税理士としての業務継続に支障をきたしてしまう
懲戒処分を受ける覚悟がある人はいませんので、
事業者に実害が及ぶことはありません。

未払い金や契約上の不履行、不義理な内容等が無ければ、
相手がどんなに偉そう、怖そうな税理士でも、

「その場で怒られるだけ・嫌味を言われるだけ」

ですので、ご安心ください。

寧ろ、このようなことを実際に言われるような
税理士だったのであれば、
信頼関係の構築・継続は難しいので、
ご自身の契約解除・変更の判断が間違っていない、
と自信を持って頂ければと思います。

【料金交渉されるのでは?】

税理士の変更をご希望される方は、
ほぼ漏れなく、「顧問料が高い」という話をされます。

まあ、実際に話を聞いていくと、
「顧問料が高い」というよりも、
「高いと思うようになった理由」が
他にあることが多いのですが・・・。

そして、顧問料が高いと思っている
顧客に関しては、事務所側もうすうす気づいてはいます。
なので、契約解除を伝えると、

「報酬とか減額してくるのではないですか?」

という質問を頂く場合があります。

実際、契約解除を切り出すと、現在の顧問報酬を
大幅に減額することを提案する事務所もあります。

こうなった場合ですが、正直なところ、
最終的な判断は事業者次第です。

  • 報酬さえ下がるなら、現在の事務所が良い
  • たとえ減額されたとしても、続けたくない

どちらの気持ちが強いか、判断頂く所です。

ただ、こちらから付け加えるのであれば、
契約解除時に減額を提示できるということは、
その前段階で本来減額提案出来たということです。
解除を伝えなければ、今まで通りだったのか?
ということです。
これを、事業者の状況を考慮したと捉えるか、
今まで応対していない不誠実さと捉えるかは
事業者次第です。

●まとめ

さて、諸々お話しましたが、
顧問税理士への契約解除を伝える際、
事業者側からよく頂く質問があるのですが、
主だったものとしては、

  • 税理士に預けていた資料等が無事返却されるのか?
  • 契約解除に激高されたり、嫌味を言われたりしないか?
  • 解除を伝える事で、減額提案をされたりするのか?

といった内容で、
それぞれ具体的にお話をしていきました。

税理士の契約解除・変更に関しては、
殆どの方が慣れていない・経験が浅いことなので、
必要以上に不安に思ってしまいがちですが、
事業者側に不義理が無いのであれば、
全く問題はありませんので、
自社の為に税理士の変更が必要であれば、
堂々と進めて頂ければと思います。

さて、今回の報告は以上です。

顧問税理士を変更するとき-②契約解除時のよくある質問

何度も申し上げている通り、
個人的な考えとしては、
税理士とは長く付き合った方が良いので、
頻繁な契約変更に関しては推奨しません。

ですが、何かしらの理由で
信頼関係が構築・継続出来ないのであれば、
長く付き合っても意味がありませんので、
思い切って顧問税理士を変更するのも手です。

その際、新規の変更先事務所が
既に当てがある状態でしたら問題ありませんが、

  • まだ変更先が決まっていない
  • 知人の紹介に頼ることが出来ない

等の理由で、変更先の税理士事務所が
決定していない場合は、
是非こちらにご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

また、次回宜しくお願い致します。