お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは、
「消費増税&衆参W選挙」
についてのお話です。
しっかりチェックしておきましょう!
■どーなる!? 消費増税&衆参W選挙
今国会の会期末が迫りにつれて、
与野党ともに慌ただしい空気が流れています。
特に注目したいのが、
消費増税と衆参W選挙の行く末
ではないでしょうか?
そこで、今回は現段階での様々な動きから、
どうなるのかを予想してみたいと思います。
●衆院解散・衆参W選挙になるのか?
まずは、衆院解散があるのかどうかについて、
見てみたいと思います。
振り返ってみると、衆院解散のウワサの
口火を切ったのは、政権側です。
安倍総理に近い萩生田氏が
消費増税延期を示唆したことが発端になりました。
この時、萩生田氏は「6月の(日銀短観の)数字を見て
危ないぞと見えてきたら、崖に向かって
みんなを連れて行くわけにはいかない」と発言し、
増税延期すると決めたら
国民の信を得なければならないと語っています。
※詳しくは、こちらをご覧ください 消費増税をめぐる攻防戦開始! 注目の萩生田発言 https://www.y-chohobu.com/archives/5101
この当時は、日銀短観の前に発表される
1~3月分GDP速報値や月例経済報告の結果次第で…とか、
「日銀短観は経営者の気分だ」
とか否定的な反応が多かったですが、
ここに来て萩生田発言通りの情勢になりつつあるのは、
注目すべきところかもしれません。
解散時期を一旦脇に置いて、解散権を唯一行使できる
「安倍総理が解散するのか?」については、
その大義が必要になります。
萩生田発言にあるように解散の大義は
「消費増税延期」がわかりやすいものになりますが、
その後の与野党の攻防の中で「野党の内閣不信任案」が
大義になりうるとの情勢も出始めています。
また、自民党の二階幹事長は「大義は1日あれば作る」
と豪語していることもあり、
その他の大義をもってくる可能性も捨てきれません。
なぜ自民党がここまで衆院解散・W選挙に
なびきつつあるのかと言えば、
それは選挙に勝ちたいからに他なりません。
現状予定されている参院選挙は、
「7月4日公示、7月21日投開票」となるわけですが、
このまま進めば与党が議席を減らすのは確実な情勢です。
その理由は、前回改選では圧倒的な自民追い風の中で
圧勝したため現状維持が困難であることや
自民党の参院候補者の選挙区での活動に弱いことに加え、
野党共闘により候補者が1本化される可能性が高いため、
「どこまでの議席減で食い止めるかだ」
と甘利選対委員長が見通しを述べています。
一方で、衆参同日選挙は過去に2回例があり、
いずれも与党が圧勝する結果になっています。
その理由は、様々な推論がありますが、
衆院候補者の方が選挙区での活動をしっかり行っているため、
支援者の組織化が進んでおり、参院候補者が
そうした支持基盤の恩恵を得ることができると言われています。
また、野党側は衆院選挙区の1議席を巡って
争うことになるため、候補者1本化することができず、
結果的に票がばらけて惨敗・・・
となる公算が高いと見られています。
つまり、与党としては参院選の敗北(=議席減)を
容認するかどうかが判断の分かれ目になると言えそうです。
ですが、実は参院選の議席数に
一番こだわっているのは安倍総理なのです。
その理由は、憲法改正です。
憲法改正を発議するためには、
衆参それぞれ2/3以上の賛成が必要となるため、
現在の議席数から減ることで
改憲への道が閉ざされることになるわけです。
また、仮に与党の議席が減った場合でも、
その議席が改憲勢力(維新・希望等)に回るのであれば
可能性はなくはないわけですが、
維新は丸山議員発言などでマイナスイメージが強く
党勢拡大の可能性は低い情勢となりそうなわけです。
つまり、解散するか否かは、
安倍総理の改憲への意欲にゆだねられている
と言っても過言ではないのではないでしょうか。
こうした政権・与党側の思惑をまとめると次のようになります。
大義・争点 | |||
---|---|---|---|
消費増税延期 | 憲法改正 | その他の大義 | |
衆院解散する | ① | ② | ③ |
衆院解散しない | ④ | ⑤ | ⑥ |
衆院解散をする場合のシナリオとしては、
衆参W選挙となるでしょうから
与党側へプラス効果をもたらすことになるでしょうが、
解散の大義が何になるかによって
結果が変わってくることは間違いないでしょう。
特に、野党側はほぼ共通して
「消費増税延期・凍結」を掲げてきますから、
与党側が消費増税延期を掲げない場合、
マイナス効果をもたらすのは確実でしょう。
一方で、国民はどのように見ているのでしょうか?
●国民はどう見ているのか?
最近の主な世論調査では次のような結果が出ています。
参院選の争点は?
夏の参院選であなたが投票する上で重視するテーマは何ですか?次の10の中から3つまで挙げてください。 |
|
---|---|
消費税増税の是非 | 32% |
年金や医療などの社会保障 | 64% |
少子高齢化や子育て対策 | 54% |
原子力発電などのエネルギー政策 | 14% |
外交 | 19% |
安全保障 | 16% |
地方分権や行政改革 | 11% |
憲法改正 | 11% |
沖縄のアメリカ軍基地 | 12% |
その他 | 2% |
JNN世論調査 2019年6月1・2日調査 n=1,125 固定・携帯電話によるRDD方式 |
これらの世論調査の結果を俯瞰してみると、
消費増税への反対と安倍内閣の支持率の高さが目立ちます。
特に注目したいのが、「参院選の争点」です。
注目の「消費増税の是非」は、約3割と決して高くなく、
社会保障や子育て対策に関心が集まっていることがわかります。
おそらくこれらは政権・与党が
これまでに打ち出してきている政策で、
消費増税と共に実施されることになっているものです。
そう考えると、安倍政権の支持率を裏打ちするように
政策も支持されていると考えることができそうです。
一方で、一般的に国民の関心が最も高い「経済・景気対策」が
この世論調査の選択肢に含まれていないので、
鵜呑みにできるものではないと言えそうです。
とは言え、こうした調査結果が「消費増税」の判断に
大きな影響を与えることになりそうです。
●消費増税はどうなるのか?
世論調査に見られるように、
多くの国民は「消費増税には反対」だと思いつつも、
「社会保障や少子化対策のためにはやむを得ない」
と考えていると見ることができそうです。
実は、これこそが与党側のメインシナリオ
となりそうなのです。
つまり、従来の政策通り、
「消費増税を行って社会保障や少子化対策に充てる」
というものです。
ですが、当然この場合だと、
野党が消費税延期や凍結を掲げて
争点をつくってくることになりますが、
与党側は「無責任だ」とか「財源はどこだ」
といった反論で応戦することを考えているようなのです。
そうした与党側の動きは、
これまでも多くの幹部の発言からも見てとれます。
最近では、甘利選挙対策委員長が6月5日、
消費増税延期の確率について「100%ない」と発言しています。
参考)自民・甘利氏:消費増税延期は絶対ない、経済失速しないよう万全対処―Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-05/PSM0E56KLVR401
さらに甘利氏は、5月18日に
「官房長官の発言は、理屈の上ではなり得る。
しかし、事実として解散の可能性は極めて低いのではないか、
というのが本人の真意だと思う」と述べており、
解散・W選挙はないと見ていると言えそうです。
また、自民党の二階俊博幹事長も5月22日、
都内で講演し「消費税は解散の議題にしない方がいい。
これ以上、これでもかとこすりつけて解散するのは愚の骨頂だ」
と否定的な考えを示しています。
それもそのはずで、今年度予算として計上されている
消費増税の税収は、社会保障財源として組み込まれており、
いまからこれをひっくり返すことは
ほぼ不可能な状況にあるわけです。
加えて、消費増税に伴う軽減税率の適用などを含めて、
様々な業界団体や企業側の準備は既に進んでおり、
これらを含めてひっくり返すことは
選挙の票読みとしてもマイナスに働く可能性が高い
と見ることもできるわけです。
一方で、消費増税に根強く反対を続けている
西田昌司与党議員などもいます。
ですが、西田議員は
「社会保障財源などはMMT(現代貨幣理論)
に基づいて国債でまかなう」
としているため、これまでの与党が主張してきた
財源論を根底からひっくり返すものになってしまいます。
もちろん、MMTには論理的にも正しい
とされる見方もありますが、
多くの主流派経済学者が否定している状況にあり、
また国民への理解はほぼ進んでいないため、
それらを説明しながら選挙戦を戦うという選択肢は低い
と言わざるを得ないでしょう。
つまり、政府・与党側が
消費増税延期を掲げる可能性は低い
と見て間違いなさそうです。
●総合的に考えると・・・
これまでの考察を総括してみると、
与党側は次のような確率で
それぞれを選択すると考えられます。
大義・争点 | |||
---|---|---|---|
消費増税延期 | 憲法改正 | 社会保障・少子化の充実 | |
衆院解散する | 6.0% | 2.0% | 22.0% |
衆院解散しない | 13.9% | 4.8% | 51.3% |
これは、先ほどの世論調査での争点の関心事の割合をベースに、
衆院を解散する確率を30%として考えた場合に
与党側がとる選択肢の確率です。
「社会保障・少子化の充実」を争点として
解散せずに予定通り参院選に挑む、
というのがメインシナリオになると言えそうです。
与党側が解散を選択しない理由は、
「参院選で多少負けても政権維持に影響はない」
と考えているからに他なりません。
そもそも、なぜ解散が必要だ
という考えが生まれたかと言えば、
消費増税延期の可否を問うためでした。
ですが、予定通り増税実施の選択をとる
可能性が高い状況においては、
解散する理由がないのです。
一応、解散の大義の布石として、
菅官房長官が「内閣不信任案が提出されれば
解散の大義になりうるか」との記者の質問に対して
「それは当然なるんじゃないでしょうか」と発言しています。
本来の官房長官の立場であれば、
「それは首相の専権事項です」と回答するのが通例ですが
かなり踏み込んで答えていたことも
理解できるのではないでしょうか。
なぜ、そこまで菅官房長官が
踏み込んで答えたかと言えば、安倍総理への配慮です。
消費増税を実施することにしても、
解散にこだわる理由があるのは、
唯一安倍総理だけだからです。
安倍総理の悲願である憲法改正をするためには、
参院選で負けるわけにはいかないのです。
ですから、消費増税を実施すると決めても
解散できる選択肢を残すために、
菅官房長官が気を利かせたのが
先の発言と捉えるのが妥当でしょう。
逆に言えば、この官房長官の発言は
「消費増税を決めている」と見ることもできるわけです。
もっと言えば、安倍総理が憲法改正にこだわるか、
あるいは諦めるかが解散を決定すると言えるでしょう。
ですが、第二次安倍内閣以降、安倍総理は党内政局を重視し、
各派閥の意見を尊重しバランスよく配慮してきています。
それこそが、失敗した第一次安倍内閣の
最大の反省点だと考えていることも見てとれます。
そう考えると、自身の改憲へのこだわりを押し通して
解散に踏み切る選択をする可能性は低い
と言えるのではないでしょうか。
つまり、政権・与党は解散せずに
予定通り増税する可能性が最も高いと考えられます。
以上、いかがでしたでしょうか。
おそらく政府・与党は、解散せずに予定通り増税
という形に落ち着くと言えそうです。
その背景には、安倍一強と言われる現在の政治状況や
消費増税を絶対したいと考える組織・団体の思惑などがある
と言えそうです。
ですが、消費増税をしてしまえば、
いくら追加で景気対策をしようとも
必ず景気は大幅に悪化することになるのは
間違いありません。
本来であれば、消費増税に反対する野党に
票が集まってもおかしくないのですが、
野党全ての支持率を足しても10%未満
という泡沫政党しか存在しない現在の情勢では、
そうした野党が議席を大幅に伸ばしたり、
ましてや政権交代など夢のまた夢でしょう。
そう考えると、消費増税に反対したい人は
次の選挙は絶望的なものになるような気がします。
とは言え、まだ決まったわけではないですし、
消費増税に反対する勢力には
実はトランプ大統領が率いる米国政府も含まれていますので、
今後の動向を見守っていく必要がありますね。