こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回のテーマも前回に引き続き、
「個人事業主の税金」
ということでお話をして
いきたいと思います。

働き方改革の影響か、
インターネット普及の影響か、
最近ではサラリーマンや主婦、学生でも、
自分で仕事を受けたり、物を販売したり
といった活動をされる方が増えてきています。
そして、個人で仕事を行うと切り離せないのが、
「確定申告」と「税金」の話です。

幾ら売上が小規模でも、学生でも、主婦でも、
会社勤めやアルバイトで得た収入ではなく、
ご自身の事業で獲得しているのであれば、
立派な個人事業主です。
そして、個人事業主として活動する以上、
税金は自ら納付しなければなりません。

事業規模の大小に関わらず、
確定申告や納税・還付に関する話は
知っておかなければなりませんので、
これから個人事業主として活動される方、
始めたばかりの方にとって、
少しでも役立つ内容であれば幸いです。

個人事業主の税金-②消費税

■個人事業主の税金-②消費税

前回は、「所得税」と「住民税」について
お話をしました。

所得税については、以下のように触れました。

  • 売上ではなく、経費と控除を引いた
    「所得」を元に、課税額が計算される。
  • 累進課税なので、所得が大きいと課税割合も増えていく
  • 確定申告時期に申告と納付が必要

また、住民税については、
所得税同様、以下のように触れました。

  • 所得税同様、「所得」を基に課税額を計算
  • 税率は全国一律10%
  • 確定申告実施で住民税の申告は省略可能
  • 納付は、自治体から送られてくる納付書で実施

そして、今回に関しては「消費税」について
お話を進めていきたいと思います。

●個人事業主の消費税について

消費税は一般の消費者として普段から支払い、
目にすることが多いものなのでご理解頂けると思いますが、
要は、事業者が提供する商品やサービスの
日本国内取引時に購入者が負担する税金です。

支払側は消費税が付加された分の
料金・報酬を支払うだけのものですが、
それを受け取る事業者側は結構面倒なのが消費税です。

さらに、2019年10月に予定されている
消費税率の引き上げと同時に、
軽減税率制度が開始となりますので、
これの対象となる事業者にとっては、
更に事務負担が増す可能性があるのが消費税です。

ただ、この消費税は、前回の所得税や住民税と異なり、
全ての個人事業者が申告・納付の対象者ではなく、
条件を満たした人が対象となります。

【対象者】

消費税の支払は、上記の通り、
消費者であろうと事業者であろうと、
逃れることは出来ないものですが、
申告・納付の対象に関しては、全く別のものです。

以前も別テーマで触れたことがありますが、
消費税の申告・納付に関しては、
以下の条件のどちらかに合致する事業者は、
基本的に消費税の納付・申告が免除されています。

  • 事業開始から2年以内
  • 年商1,000万円未満
※国税庁:納税義務の免除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

詳細な条件等については
上記を確認して頂ければと存じますが、
一般的には上記条件の反対である、
「開業2年以上経過」で、
「(2期前の売上が)年商1,000万円以上」
の事業者だけが、消費税の申告・納付の対象となります。

ちなみにですが、この消費税免税の措置は、
元々個人事業者で活動していた人が、
法人化した場合にも適用になるので、
売上が大きくなってきたり、
開業から2年くらい経過したりした人が、
個人から法人に組織変更するのは
消費税考慮が大きい理由だったりします。

【控除と税率】

所得税・住民税の時と違い、
消費税は控除もありませんし、税率も一律です。
強いて言うなら、消費税申告・納付の
対象となる条件が控除と同じ役割とも言えます。
上記の条件があることによって、
開業が浅い人や、売上の少ない事業者が
消費税の申告・納付から免除されているからです。

ただ、今後は軽減税率がスタートする予定ですので、
今まで一律だった税率も2種類に分かれることになります。

【簡易課税制度について】

個人事業主の消費税について話すうえで、
この「簡易課税制度」に触れないわけにはいきません。

消費税は、商品やサービスを購入・利用した顧客が支払い、
それを事業者が一旦「預かり」、
その後に事業者が納付する
「間接税」の仕組みをとっています。
お酒やタバコ等の税金と同じ仕組みです。

ただ、事業者側も受け取った消費税を
丸々渡しているわけではありません。
消費税の納付の仕組みとしては、
「事業主が受け取った消費税」から、
「事業主が支払った消費税」を差し引き、
残った分を納めるべき消費税として申告・納付を行う、
というルールになっています。

ただ、年間すべての取引を総ざらいして、
消費税額を個別に計算するというのは、
個人事業主にとっては結構な負担です。

ということで、一定の条件に当てはまる人は、
「簡易課税制度」を適用できます。

この制度は簡単に説明すると、
事業内容に応じた「みなし仕入れ率」を用いて、
売上金額から概算する方法です。
「あなたはこの仕事であれば、原価や経費割合は
このくらいだろう!」という方法で、
納付する消費税額を計算してしまう訳です。

この方法を行うと、事務負担は凄く減るのですが、

  • 売上高5,000万円以下
  • 消費税簡易課税制度選択届出書の事前提出

が条件です。

※国税庁:簡易課税制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6505.htm

【申告・納付】

今までを踏まえ、個人事業者における消費税の
申告・納付についてのお話です。

消費税の申告・納付に関しても、
前回同様、税務署に確定申告を行うことになります。

一般的に「確定申告」というと、
「所得税の確定申告」の事を指しますが、
税務署に一定期間の収支を報告して
税額を確定させる申告は
すべて「確定申告」と言われます。
法人だと決算で一括りにされますが、
法人でも申告するのは「(法人税の)確定申告」ですし、
今回の消費税も「(消費税の)確定申告」というわけです。

少々話がずれましたが、
消費税に関しても税務署に申告する、
ということです。

ただし、前回触れた所得税の確定申告と
消費税の申告は大きく違う所が一点あります。
それが申告・納付の期限です。

所得税の確定申告は、
毎年3月15日までとなっていますが、
消費税の申告に関しては、
毎年3月31日までとなっています。

所得税より、少しだけ期限が延びる
というわけですね。

消費税の申告は前段で触れた、
年間の売上高を基に概算で計算する
「簡易課税制度」だけでなく、
「一般課税」の方式があります。

一般課税は原則課税、本則課税とも言われたりしますが、
要は、概算での計算ではなく、年間の取引を総ざらいして、
「事業主が受け取った消費税」から、
「事業主が支払った消費税」を差し引いて
正確な税額を申告・納付する方式です。

簡易課税と比較すると、事務負担が大きい
印象になると思いますが、
事業運営にあたって人件費以外の
原価が多くかかっている場合や、
消費税の還付を希望する場合は、
この一般課税の方式を選択しないと
かなりの損が出てしまう可能性があります。

まあ、正直な話ですが、消費税の申告は複雑ですし、
諸々の状況等を加味した判断が必要になってくる場合もある為、
「消費税の申告」に関わる状況になったら、
自力での申告ではなく税理士と関与するのが一般的だと思います。
上記にある通り、ご自身が税や会計に詳しいなら別ですが、
あまり詳しくないのであれば、大損してしまう可能性が
出てくるので、それを回避する為だけでも、
税理士と付き合うメリットはあると思います。

最後に納付ですが、これも申告と同様の
毎年3月31日が期限です。

納付方法は、税務署や金融機関での窓口納付だけでなく、
振替やクレジットカード等、多用な方法が用意されています。

※国税庁:国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)
http://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/01.htm

個人事業主の税金-②消費税

さて、今回の報告は以上です。
次回も同じテーマ
「個人事業主の税金」ということで、
今回触れなかった税科目について
お話をしていきたいと思います。

上記で申し上げました通り、
消費税が関わるようになってきたら、
税理士と関与する一つの目安です。

  • 消費税の計算が複雑
  • 売上が1,000万円を超えている規模
  • 課税方式の選択次第で損得が発生する
  • 消費税免除を長くするための法人化も検討

消費税の申告・納付を行う規模の
個人事業主はこういった状況です。

今までは、ご自身やご家族だけで、
更にクラウド会計等を利用することで
確定申告も乗り切れたかもしれませんが、
それも、今までの状況だからです。

これ以上の企業規模や消費税の申告・納付は、
税理士無しで進むと防げたはずの損失も出かねない状況です。

もし、消費税の申告が始まる年度でも
税理士との関与が決まっていないようであれば、
是非、税理士とのお付き合いをお考え頂き、
個人事業主の応対に長けた税理士を
無料で紹介可能な下記サービスへご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

また、次回宜しくお願い致します。