お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは、
「米国の株価大暴落」
についてのお話です。
しっかりチェックしておきましょう!
■米国、株価大暴落! 何が起きたのか?
7月末日から米国株式市場が暴落しています。
その影響は日本にも直撃しており、
円高株安の動きを見せ始めています。
一体何が起きているのでしょうか?
今後はどうなるのか?まとめてみます。
●米国株、ダウ大幅続落!
まずは、ニュースからです。
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米国株、ダウ大幅続落 FRB議長が利下げ継続を否定
https://www.nikkei.com/article/DGXLAS3LANY02_R00C19A8000000/
2019年8月1日 日本経済新聞
7月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、
前日比333ドル75セント安の
2万6864ドル27セント(速報値)で終えた。
10年半ぶりの利下げを決めた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の
記者会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が
利下げ継続を否定したと受け止められ、幅広い銘柄に売りが出た。
追加利下げで株式市場に資金流入が続く
との期待が後退したのを受けて、通称「恐怖指数」と呼ばれる
米株式の変動性指数(VIX)が一時急上昇した。
ダウ平均は480ドル近くまで下げ幅を広げる場面があった。
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米国株の暴落の原因は、FOMCの利下げ決定にあるようです。
7月30、31両日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は定例会合を終え、
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを2~2.25%と、
従来から0.25ポイント引き下げました。
米連邦準備制度理事会(FRB)の
パウエル議長は今回の利下げについて、
「長期にわたる金融緩和サイクルの開始を示唆したわけではない。
世界景気の減速と貿易政策の不透明感がリスクであり、
下振れリスクに対する保険を意図したものだ」と説明し、
あくまでも小幅で短期的な利下げに留めるとしています。
これに対して「1%程度の大幅な利下げを望む」
と公言していたトランプ米大統領は、
「いつものことだが、パウエル議長はわれわれを失望させた」
と強く批判しています。
つまり、FOMCは景気に対する認識をほぼ変えず、
世界経済とインフレ動向を考慮した
保険的な利下げで一時的なものだと位置づけたわけです。
このFOMCの決定に驚いたのは、金融市場です。
年3回の利下げを見込んでいた金融市場は、即座に反応。
ダウ平均は前日終値比で一時478ドル安まで下げ幅を広げ、
恐怖指数が20近くまで一気に跳ね上がっています。
※恐怖指数とは、シカゴ・オプション取引所が、 S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に 算出、公表している指数。 数値が高いほど投資家が相場の先行きに 不透明感を持っているとされる。通常は10から20の間で推移する。
普通に考えると、この市場の反応が
不思議に思う方もいるかもしれません。
一般的に、政策金利が引き下げられれば、
企業がお金を借りやすくなるため
株式市場には好影響と考えられています。
逆に引き上げられれば、悪影響だと考えられます。
今回のFOMCの金利引き下げが市場の予想を下回ってきたため、
金利を引き下げたにもかかわらず
株安を引き起こしてしまったというわけです。
●さらにトランプ大統領が対中追加関税を発表
トランプ米大統領は1日、ほぼすべての中国製品に関税を課す
「対中制裁第4弾」を9月に発動すると表明しました。
新たな制裁対象は約3000億ドル分(約33兆円)で、
関税率は10%。
米中は7月末の閣僚級協議が不調に終わり、
トランプ氏は「中国が農産物の購入を実行しない」
などと強い不満を示していました。
そのようなこう着状態でしたから、
今回のトランプ大統領の発表は
ある意味では予定通りだといえなくもないですが、
一方でFOMCの利下げ理由にあった「下振れリスクの保険」を
即日トランプ大統領が食いつぶしたとの見方も出始めています。
つまり、
「その程度の利下げで下振れリスクの保険だと?ふざけるな」
とトランプ流のFOMCへの圧力というわけです。
●当然ながら日本にも波及!
ダウ平均が連日暴落し、先行き不透明感が高まるとなれば、
連動して起きてしまうのが円高です。
先行き不透明な株式市場から資金を引き上げ、
安全資産と見られている日本円に資金が集中
してしまうわけです。
実際、2日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、
円買いドル売りが進み、一時1ドル=106円51銭をつけました。
1月初旬以来7カ月ぶりの円高ドル安水準となります。
また、円高になれば、次に起きるのが株安です。
円高になると日本国内の輸出企業の業績悪化が予想されるため、
株価にも影響が出てしまうのです。
実際、2日午後の東京株式市場で
日経平均株価が節目の2万1,000円を下回る場面もあり、
下げ幅は一時550円を超えました。
このような状況の中で、
日経平均は2万1,000円ラインの攻防をしながら、
値下げ展開が模索されるような状況になりそうです。
さらには、約束された不況である
消費増税が2か月後に迫っていますから、
さらなる悪化となりそうな状況でしょう。
●その頃、韓国では・・・
おとなり韓国でも米国の影響をモロに受けています。
韓国ウォン対米ドルの為替レートでは、
一時1ドル、1207.69ウォンをつける場面もあり、
2日1205.02ウォンとなっています。
これまで、1200ウォンが分水嶺と言われていましたが、
そこをあっさりと越えてしまったことになります。
これは、2017年1月頃以降、
約2年半ぶりのウォン安水準となります。
つまり、文政権下では、過去最安になったとも言えます。
韓国は貿易依存度が高い国なので、
ウォン安になれば輸出産業にとっては
プラスになるから好都合なのでは?
と思う方もいると思います。
確かに輸出企業にとっては有利なのは間違いないのですが、
韓国はドル建ての短期債券など
4,000億ドルを超える対外債務があるため、
ウォン安になると返済が厳しくなってくるわけです。
この傾向は、韓国政府だけでなく、
民間企業や民間銀行も同様で
外貨建てでの借金が多いという問題があるのです。
つまり、このままウォン安が続けば、
韓国通貨危機の再来となりかねない状況なのです。
ところが、韓国の報道では、
ほとんどが日本の輸出規制に関するもので、
経済紙ですらウォン・株価暴落が
ほとんど報じられていないのが象徴的です。
※韓国経済新聞の見出し
もはや現在とは全く主張が異なる戦時下の某新聞かのごとく、
「国家をあげて日本に打ち勝て!」
「日本は打撃を受けているぞ!」
というような論調で多くの記事が書かれています。
正直、対日本どうのこうのよりも
大きな危機が他にあるのが事実なのですが・・・
以上、いかがでしたでしょうか。
米国を発端とした世界同時株安ですが、
様々な要因が重なって起きたように見えます。
とは言え、米国の景気自体は比較的好調が続いていますから、
今回の現象は経済的な理由ではなく、
政治的な理由だと言えると思います。
そういった意味では、米国は比較的早く
回復することになると思います。
(FRBへの追加利下げの圧力も高まっていますし、
実際やることになるでしょう。)
ただし、日本も同様に回復するとは限りません。
今回の円高株安が落ち着いたか落ち着かないか
というタイミングで消費増税が来てしまうからです。
加えて、日韓の貿易摩擦は韓国に言わせれば、
戦争あるいは天災レベルにまで引き上がっている
ことになっていますので、その影響も多かれ少なかれあるはずです。
そう考えれば、日本的にはこのまま静観していられる状況ではない
はずですから、近日中に何らかの動きがあるのではないでしょうか。
しばらくは、その動向を見守っていく必要がありそうです。