お世話になってます。諜報部長。
税理士で諜報部員のAです。お久しぶりです。
また、引き続き宜しくお願い致します。
さて、先日、熊本~大分で大きな震災がありました。
今回の報告は、それを踏まえて、
「熊本地震における被災者の方への寄付金・義援金の取扱い」
についてお話致します。
■被災者の方への寄付金・義援金の取扱い
この度の熊本地震では、多数の方々が多大な被害を受けられました。
まずは、心よりお見舞い申し上げます。
そんな中、熊本・阿蘇とも縁が深い方も
多くいらっしゃると思いますので、
ボランティア活動や支援物資の配送だけでなく、
寄付金・義援金をお送りになった方も
いらっしゃると思います。
●寄付金・義援金の税制上の取り扱い
では、このお金はどういった扱いになるのでしょうか?
被災された方々に向けて
義援金を支出された場合には、
税制上次のように取り扱われます。
【個人の場合】
個人で義援金を支出した場合には、
その義援金が「特定寄附金」に該当するものであれば、
寄附金控除の適用を受けることができます。
寄付金控除額は、次の算式で計算されます。
「寄付金控除額=特定寄附金の額の合計額(※)-2千円」 (※)特定寄付金の額の合計額は、所得金額の40%相当額が限度となります。
また、寄付金控除の適用を受けるためには
確定申告が必要となります。
確定申告書に寄附金控除に関する事項を記載するとともに、
義援金を支出したことが確認できる書類を確定申告書に添付する、
又は確定申告書を提出する際に提示する必要があります。
【法人の場合】
法人の方が義援金を支出した場合には、その義援金が
「国又は地方公共団体に対する寄附金」(国等に対する寄附金)
に該当するものであれば、支出額の全額が損金の額に算入されます。
法人が損金算入の適用を受ける場合には、
確定申告書の別表14(2)に所定の事項を記載し、
義援金を支出したことが確認できる書類を保存する必要があります。
【特定寄付金・国又は地方公共団体に対する寄付金とは】
次に掲げる義援金は、
「特定寄附金」、
又は「国等に対する寄附金」に該当します。
- 国又は地方公共団体に対して直接寄附した義援金
- 寄附した義援金が、募金団体を通じて、
最終的に国又は地方公共団体に拠出されることが明らかであるもの
具体的には、熊本県下や大分県下の災害対策本部に対して支払った義援金や、
日本赤十字社の「平成 28 年熊本地震災害義援金口座」
に対して支払った義援金(※)などが該当します。
(※)日本赤十字社に対して支払った義援金であっても、 例えば、日本赤十字社の事業資金として使用されるなど、 最終的に地方公共団体に拠出されるものでないもの (財務大臣が指定する寄附金に該当しないものに限る)については、 特定公益増進法人に対する寄附金に該当し、特別損金算入限度額の範囲内で 損金の額に算入されることとなります。
また、募金を取りまとめる団体(以下「募金団体」といいます)が
個人・法人から義援金を預かる場合でも、
その義援金が、最終的に地方公共団体に拠出されるものであれば、
「特定寄附金」及び「国等に対する寄附金」に該当することとなります。
今回の報告は以上です。
次回は、今回の続きである、
「被災者の方への寄付金・義援金の取扱い②」
として、申告時に必要な証明書類に関して、
まとめて報告したいと思います。