こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さて、今回からは新しいテーマです。
税理士紹介業の会社を立ち上げて、
有難いことに5年が経過しました。
この5年間では色々なことがあったのですが、
それはそれとして・・・
普段の業務を行っている中で、
事業主様からのご相談・お問合せを
多数頂いているのですが、
お客様から頂戴するお問合せの傾向が
創業時と現在で大きく変化した
ことがあります。
それは、「個人事業主」の
お客様からのご相談の増加です。
アフィリエイト
ネット通販・フリマアプリ
不動産投資
シェアリングビジネス
サラリーマンの副業
等々、一億総活躍なんて言葉もありますが、
一昔前と比較して、個人でも収入を
得やすい環境が多数存在し、
それによる影響かな考えています。
そこで、今回からは、
多く頂くお問合せの内容を踏まえながら、
「個人事業の会計と税金」
について、お話をしていきます。
個人で給与以外の収入を得ている人は、
多くいらっしゃると思いますが、
少しでもお役に立つ内容なら幸いです。
■個人事業の会計と税金-①最近の個人事業あるある
前段でお話したとおり、
昨今は個人事業、強いていうなら、
給与以外の収入を得る個人、
という方が非常に増加している印象です。
基本的に収入は、
事業収入・給与収入・雑収入の
3パターンですから、
株や為替等の収入でなければ、
給与以外は大半のケースで
事業収入になります。
ですが、事業収入といっても、
事業(ビジネス)という認識なく、
この収入が発生しているのが
現在なんだと思います。
●認識のズレが起きる時代
少し前においては、
個人での事業収入というのは、
「個人で仕事をする」
「自分で開業する」
という認識のある方だけが、
得ているものでした。
当然、こういった方たちは、
開業の日取りが決まっていて、
いつから個人でスタートする!
という認識を持って
お仕事を始められています。
ですが、インターネットや
その他サービスの登場で大きく時勢は変わり、
- ブログに広告を貼ったら収入が!
- 小遣い稼ぎのつもりが大ヒット!
- 動画配信したら思わぬ収入が!
という事が個人でも起きる時代、
個人でも100万円・1,000万円単位の
売上を手に入れることが出来る時代に
突入しました。
このケースの方たちは、
「いつから開業した」
という認識が無く、
収入先行で事業がスタートしています。
となると、こういった事業主さん達は
得てして「開業するための準備」を
全くしていないということが
珍しくありません。
●漏れていることが多いもの
弊社でもこのような
「収入先行」型の事業主様から
多数のご相談を頂きますが、
漏れていることが多い、
やり忘れていることが多い
のが、税務署への書類提出です。
重要なポイントもありますので、
下記にまとめていきます。
【個人事業の開廃業等届】
俗に言う「開業届」のことです。
収入先行で事業がスタートした方々は、
出していない人が多いです。
ルールとしては、事業開始から
「1か月以内に提出」となっていますが、
1期目の確定申告を行うと、実質的に
提出したのと大きく変わらないので、
どちらかというと、これ以降の書類を
提出するために一緒に出す
という事が多いです。
【所得税の青色申告承認申請書】
納税者にとって多数のメリットがある、
「青色申告制度」を適用するために、
税務署に提出するものです。
提出期限は2パターンあって、
「その年の3月15日まで」か、
「事業開始の日から2か月以内」です。
これも、提出されていないことが多いです。
収入先行型の人は、数か月前から
売上を得てしまっているので、
「しまった!出さなきゃ!」
と言っても、大抵期限切れです。
ですが、これは2か月以内に提出しないと
生涯青色申告の適用にならない、
という事では無く、
「今年分」が対象外ということです。
青色申告を適用したいが、
今年は期限を過ぎちゃった・・・
という方は、今年は白色申告と考え、
次回の確定申告期までに提出するようにしましょう。
【青色事業専従者給与に関する届出書】
この提出期限も上記の青色申請と
同じ期限です。
一つ異なるのは、開業時点から
専従者が必要になるとは限らないので、
専従者が必要になった時から、
2か月以内とお考えください。
これは、自分の仕事を一緒に行う、
配偶者(妻か夫)や同居の親族に
専従者として給与を払う
という場合に必要な書類です。
何となくご理解頂けると思うのですが、
個人事業主は給与の概念が無く、
事業で得た全てがご自身の所得です。
「会社のお金」と「自分のお金」が
別れていないわけです。
だからこそ、生活を共にしている
配偶者に対しては、
いくら仕事を手伝っているとはいえ、
自分が得た儲けを、
自分の妻(か夫)に給与として支払って、
その給与を経費にする、
って、おかしいでしょ!
という考えがまず前提としてあります。
そのため、基本的に同居や
生計が同じ親族への給与は制限が
あるのですが、
青色申告対象者には、
特例でそれを解除しますよ、
という制度がこれです。
ただ、これで制限解除しても、
専従者への給与が高すぎれば、
当然、その専従者への所得税が
高くなってしまうので、
まず大きく支払うということは
無いと思いますが。。。
【消費税課税事業者選択届】
これは、消費税の免税事業者から、
課税事業者に変更したい、
という場合に提出するものです。
提出期限は、
事業開始年度の最終日まで、
もしくは、適用を受けたい年度の
前年度最終日までのどちらかです。
要は、開業した年度から適用を
受けたいのであればその年のうち、
既に開業していて、来年から適用を
受けたいのであれば、今年中に提出、
ということです。
以前の報告(※)でも触れましたが、
事業開始の年度から2年間、
もしくは、年間売上1,000万円を
突破するまでは、消費税は免税事業者、
つまり、納める必要なしとなっています。
※参照リンク:消費税免税について記載がある過去記事 規模に応じた税理士との付き合い方-②個人事業(売上1,000万円超)
殆どの事業者にとっては
非常に大きなメリットなので、
わざわざ消費税の課税事業者になる、
ということはありませんが、
例外があります。
- 海外売上(輸出事業)
- 大きな設備・資産を購入する
こういった場合が例外です。
輸出関連では、国内で仕入を行い、
海外で販売するため、販売時に
消費税を得る事が出来ません。
そのため、(消費税の)免税取引
という扱い考えになります。
ですので、仕入時に国内で支払った
消費税の還付を申請することが出来ます。
後者の場合では、
国内で利用する資産であっても、
売上によって得る消費税よりも、
購入時に支払った消費税の方が
多額なケースが考えられます。
そのため、差額を計算して、
過払いした消費税額の還付を
申請することが出来ます。
そして、免税事業者では、
消費税の納税義務が無い為、
消費税還付を申請することが出来ません。
そのため、上記2つの場合では、
開業時から課税事業者を選択する、
ということが必要になります。
最近では、個人でも
ebayや海外のAmazonでの販売を
行う方が増えてきており、
その方々は消費税の還付を
意識していらっしゃるのですが、
そもそもとして、
消費税課税事業者選択届を
提出していなければ、
その対象になりませんので、ご注意を。
【その他の税務署提出書類】
それ以外にも税務署提出の
資料は幾つかあります。
- 所得税(消費税)の納税地の変更に関する届出書
- 給与支払事務所等の開設等届出書
- 源泉所得税の納期特例の承認に関する届出書
等がありますが、
納税地変更は、収入先行型の
個人事業の方は現住所と異なる
別の事業所を仕事場として借りる、
というケースは少ないでしょうし、
残りの2つはきちんと給与を支払う
従業員を雇う場合だけですので、
さらっとだけ触れておきます。
●まとめ
ざっと重要なものをまとめていきましたが、
その中でも、
- 所得税の青色申告承認申請書
- 消費税課税事業者選択届
の2つは、行う事業や売上によって、
納税額や還付額に
ダイレクトな影響があるものです。
収入が出始めたのはいいものの、
初年度はべらぼうな納税額・・・
という事にならないよう、
早めの提出を考えましょう。
ご自身がその書類を提出した方が
メリットがあるのか・ないのか?
そういった点が不明なら、
税理士にご相談をオススメします。
次回も「個人事業の会計と税金」
という同テーマで
報告していきたいと思います。
手続や届出が重要なのはわかるけど、
自分は仕事に集中したい!
分からない点はフォローしてほしい!
という方に関しては、税理士さんと
お付き合いをするのが良いと思いますので、
個人事業主との関与実績豊富な税理士と
付き合いが多数ある、こちらに是非相談ください。
税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/
また、次回宜しくお願い致します。