諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

今回は、「直近の総選挙における、
消費税の公約比較」
についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

■2017年衆院選 「消費税」 公約比較

衆議院の解散総選挙。
マスコミでは与党の保身解散、
野党の離合集散と
ウンザリする状況だと
よく言っていますが、
国民の意志を示すのが選挙です。

せっかく与えられた機会ですから、
しっかり判断して投票したいところですよね。

そこで今回は、
一番気になる「消費税」について
各政党がどんなことを
公約として掲げているのか
まとめてみたいと思います。

●自民党

以下、自民党政権公約2017より抜粋

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未来を担う子供たちに“保育・教育の無償化”を実現します。

少子高齢化社会の到来が急速に進んでいる
現在、輝く「人生100年時代」を迎えるためには、
国民の多くが不安に感じている
「子育て・介護」の問題を解決することが不可欠です。

このため、「人づくり革命」を断行します。
政策資源を大胆かつ集中的に投入することで、
お年寄りも若者も安心して暮らし、
活躍できる「全世代型社会保障」を目指します。

  • 幼児教育無償化を一気に加速します。2020年までに、3歳から5歳まですべての子供たちの幼稚園・保育園の費用を無償化します。0歳から2歳児についても、所得の低い世帯に対して無償化します。
  • 待機児童解消を達成するため、「子育て安心プラン」を前倒しし、2020年度までに、32万人分の保育の受け皿整備を進めます。
  • 真に支援が必要な所得の低い家庭の子供たちに限って、高等教育の無償化を図ります。このため、必要な生活費をまかなう給付型奨学金や授業料減免措置を大幅に増やします。
  • 介護人材の確保に向けて、介護職員のさらなる処遇改善を進めます。
  • これらの政策を実施するために、消費税10%の増収分について、社会保障の充実と財政健全化とのバランスをとりつつ、子育て世代への投資を集中することで、「全世代型社会保障」へと大きく舵を切ります。本年末までに、「人づくり革命」に関する2兆円規模の新たな政策パッケージを取りまとめます。
  • 同時に、財政健全化の旗は明確に掲げつつ、不断の歳入・歳出改革努力を徹底します。

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※詳しくは、自民党政権公約2017を参照
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/manifest/20171010_manifest.pdf

まずは、自民党からです。
一見すると消費増税の公約に見えませんが、
自民党は消費税を予定通り2019年10月に引き上げ、
その使い道を保育教育の無償化に充てる
としています。

その規模は、2兆円規模で
「全世代型社会保障」「人づくり革命」の
政策パッケージとして本年末までに
取りまとめる
ようです。

実際のところ、消費増税で
見込まれる増収分は約5兆円強ですが、
2012年の3党合意で決められていた
社会保障への充当分は約1兆円、
残りを財政健全化、
つまり借金返済へ充てるとしていました。

今回この消費税増収分5兆円の使い道を変更し、
社会保障2兆円、財政健全化3兆円にする
として民意を問うというのが
自民党の主張・解散の大義のようです。

ですが、その具体的な政策パッケージが
まだまとまっていないことから、
やはり「急いで解散にこぎつけた感」が
否めない
気がします。

また、消費税10%時の税収は22兆円規模ですから、
そのうちを社会保障1兆円から2兆円に
変更する程度では大した変更ではない気がします。

特に社会保障全体では約120兆円規模で
その半分が年金約57兆円、医療が約38兆円、
介護・福祉・その他等に約23兆円という状況で、
さらに毎年1兆円規模で増加してきています。
そう考えると、今回の内容は
微々たるものと言えるかもしれません。

とは言え、教育無償化は民進党や維新の党などの
野党が主張していた内容でもありますから、
お株を奪われた感がある野党からは
恨み節が聞こえてきています。

また、引き上げ時期については
2019年10月に引き上げると明言
していますが、
それに伴い個人消費を委縮させることについては
ほとんど言及がありません

前回の消費税8%引き上げ時に
個人消費を著しく低迷させたことを
忘れているのか、
言いたくないのかわかりませんが、
軽減税率の導入でカバーできると
考えているようです。

●公明党

以下、「公明党 衆院選重点政策」より抜粋

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1.教育負担の軽減へ

公明党は、教育のために社会があるべきと考え、
子供たちに幸福をもたらす教育機会の確保に取り組み、
なかでも給付型奨学金など教育の機会均等を図る
負担軽減策を実現させてきました。
幼児教育から高等教育までの
大胆な「教育の無償化」をめざします。

・幼児教育無償化の実現(0~5歳児すべて)

幼稚園や保育所など幼児教育における
負担軽減を段階的に広げてきましたが、
これを一気に進め、待機児童解消への
取り組みの加速化とあわせて、
2019年までのすべての幼児(0-5歳児)を
対象とした幼児教育の無償化の実現をめざします。

・私立高校授業料の実質無償化(年収590万円未満)

就学支援金により公立高校の授業料は
実質無償化(年収910万円未満)されていますが、
私立高校の授業料は効率の約4倍にも上り、
家計負担は重くなっています。
公私格差を是正し、私立高校生等の
負担軽減を図るため、
年収590万円未満世帯を対象に、
2019年までに私立高校授業料の
実質無償化をめざします。

・給付型奨学金・授業料減免枠の拡大

家庭の経済状況に関わらず、
誰もが大学等へ進学できるよう、
公明党が長年訴えてきた「給付型奨学金」が
実現しました。
2018年度の本格実施以降も、
その給付額・対象枠を拡充するとともに、
授業料減免の拡充をめざします。

力強く伸びる日本経済へ

自公政権の経済政策で
雇用・所得環境が大幅に改善。
成長と分配の好循環を確かなものとするため、
家計を守る軽減税率の導入や働き方改革を通じた
消費喚起・可処分所得の向上とともに、
潜在成長率を底上げする成長戦略、
地方創生の取り組みを加速します。

軽減税率の確実な実施で家計を支援

消費税率10%への引き上げに伴う
家計負担を軽減するため、
飲食料品等にかかる「軽減税率」制度を
確実に実施します。
その円滑な導入に向け、
対象品目の線引きや経理方法についての
わかりやすい情報提供、
中小・小規模事業者向けの
導入支援などを進めます。

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※詳しくは、「公明党 衆院選重点政策」を参照
https://www.komei.or.jp/campaign/shuin2017/manifesto/manifesto2017.pdf

公明党は連立与党という立場から、
自民党の公約を追認するような
内容が多いのですが、
教育の負担軽減策が自民党より
具体的に踏み込んでいる
と言えそうです。

例えば、0~5歳児の教育無償化、
所得制限を設けた私立高校の実質無償化などは
自民党公約よりも確実に踏み込んで
具体的に書かれており、
その財源が消費税であるとも書かれていません。

つまり、教育の負担軽減が主眼にあり、
それを自民党と調整した結果、
消費増税分を充てると大枠で決まった
というのが実際のところということになりそうです。

そう考えると、自民党が掲げていた
消費税の使い道変更は、
おそらく公明党の主張を取入れたもの
であるようです。

また、消費税については、
公明党がかねてより主張していた
「軽減税率の導入」についても
前面に出てきているのが特徴的です。

自民党の公約には
あまり表に出てきていませんが、
公明党の公約の中で唯一
「確実に実施する」と書かれているのが
「軽減税率の導入」
なのです。

軽減税率については、先進国の事例を見ても、
どの商品が軽減対象なのかわかりにくいことや
その基準の妥当性(※)、企業の負担増などが問題視されてきました。
※例えば、ピザを店内で食べれば軽減対象外、テイクアウトすれば軽減対象のようなこと

しかし、公明党の公約からは、
何が何でも実施するという意気込みが感じられます。
自民党内でも比較的批判の多い軽減税率ですが、
これだけ公明党が押している政策ですから
消費増税の折には実施されることになるでしょう。

●希望の党

以下、「希望の党政策パンフレット」より抜粋

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消費税増税凍結

景気回復を確実にするため、
2年後の消費税増税を凍結します。

財政の立て直しは極めて重要な課題です。
アベノミクスによる
株高・円安、失業率の低下は認めますが、
一般国民に好景気の実感はありません。

前回の消費税増税が消費に与えた影響を考えると、
消費税10%への増税は、
一度立ち止まって考えるべきです。
その前に国会が自ら身を切り、
公共事業をはじめまずは歳出削減を行い、
国有資産の売却なども徹底すべきです。

300兆円もの大企業の内部留保への課税なども検討し、
プライマリーバランスの改善を図ります。

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※詳しくは、「希望の党 政策パンフレット」を参照
https://kibounotou.jp/pdf/policy.pdf

希望の党は、公約の1番目に
「消費増税の凍結」
を打ち出してきています。
消費増税の凍結が有権者に一番響く
と判断したのでしょう。

一方で、消費増税を凍結すれば、
なんらかの形で恒久財源の捻出を
しなくてはなりません。

そこで、希望の党としては
財源の補填策として「大企業の内部留保に課税」
「ベーシックインカムの導入」
を考えているようです。

内部留保への課税については、
「二重課税である」とか
「キャッシュフローに打撃」であるなど
様々な問題が指摘されています。

内部留保について少し深堀すると、
「内部留保」という概念そのものに定義がなく、
企業の持つ資産全てが内部留保だと考えると、
不動産など有形・無形の資産も含む
ことになりますから、
二重課税どころか三重課税にも
なりかねないものです。

内部留保があくまで現金のみであると考えると、
企業のキャッシュフローに手を入れることになり、
キャッシュフローサイクルの長い企業
(大型受注が中心の企業等)などは
倒産危機に見舞われかねません。
そもそも、企業の現金は借入により
保有しているケースも少なくなく、
借入れた現金が課税されるというのは
その意味すら解りません。

いずれにしても、内部留保課税は
筋が悪い制度でありますから
実現することはまずないでしょう

また、「ベーシックインカムの導入」
について見ると、消費増税の目的である
社会保障の充実の補填として考えると
逆効果の可能性が高いと言えそうです。

ベーシックインカムとは、
これまでの社会保障制度をリセットして、
すべての人に一律の支給を行うという制度
です。

従来の社会保障制度は、
困っている人を決め、
その程度に応じて給付を行う制度です。

例えば、医療では病院で治療費を払った人、
生活保護では所得が一定以下の人
というように必要な人に
必要な保障をするという考えの制度です。

この考えを改めて、ベーシックインカムは
すべての人に一律に支給することで
平等性・公平性を担保する
という考えに基づいています。

よく「財源はどこか?」という批判がありますが、
それは間違った指摘で従前の社会保障財源が
充てられますから財源問題はありません。

ただ、特にお金を必要としていない人にも
一律に支給することになりますので、
従来の社会保障制度で給付を受けていた人は
確実に大幅に減額される
ことになります。

医療や年金なども
ベーシックインカムの対象にした場合は、
医療費が支払えない人や
年金がなくなり生活できない人も
続出することになるでしょう。

そうしたリスクを回避するために
医療や年金は対象から外すとすると、
ベーシックインカムは
金額が微々たるものになってしまい、
ほとんど意味のない制度になってしまいます。

つまり、ベーシックインカムも
実現する可能性はないと思います。

こうして見ると、希望の党は
「消費増税の凍結」に対する補てん策として
実現性ゼロの政策を人気取りのために
掲げている
気がしてなりません。

●立憲民主党

以下、「立憲民主党 政策パンフレット」より抜粋

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生活の現場から暮らしを立て直します

アベノミクスの成果は上がらず、国民の所得を削り、
中間層を激減させたままでは、
本当の意味で活力ある経済は再生しません。
誰もが安心して暮らせる社会ビジョンを
示さなければいけません。
保育・教育、医療・介護の各分野の賃金を
底上げします。女性に対する雇用・賃金差別をなくします。
社会全体ですべての子供の育ちを支援します。
将来的な国民負担を議論することは必要ですが、
直ちに、消費税率10%に引き上げることはできません。
実質賃金の上昇によって中間層を再生します。

また、地方の基幹産業である第1次産業を支え、
食と地域の安心を守ります。

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※詳しくは、「立憲民主党 政策パンフレット」を参照
https://cdp-japan.jp/img/common/pamphlet.pdf

立憲民主党は、民進党の一連の離合集散から
あぶれた人たちが公示直前に集まった政党ですので、
政策が詰め切れていないのは
やむを得ないところでしょう。

とりあえず消費増税の凍結を唄っていますが、
代替えとなる恒久財源については言及されていません。

公約全般を通じてイデオロギーに基づいた
理念・政策だけが掲げられているので
特に論評するべきことがありません。
イデオロギーに共感する人たちが
支持することになると思います。

●日本維新の会

以下、「日本維新の会 2017維新八策」より抜粋

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消費増税凍結!維新ならできる!増税なしで改革実現!
身を切る改革で財源を生み出し、教育無償化を実現!
議員報酬・議員定数の削減

国会議員の報酬を3割カット。議員定数を3割カットします。
文書通信交通滞在費(月100万円)の使途を公開し、
領収書添付を義務化します。

国家公務員の人件費・人員削減

国・地方の莫大な公務員の総人件費を
2割削減することにより、5兆円の財源を生み出します。

公務員制度改革・天下りの禁止

官僚の天下りを原則禁止します。
無駄な外郭団体を撤廃し、税金の流れをストップ。
不透明な随意契約を、原則入札に。

幼児教育の完全無償化

科学的な統計データによって、
幼児期の教育に対する投資が
経済的にも最も効果が大きいことがわかっています。

私立高校の実質無償化

子供たち一人ひとりが
家庭の経済状況に左右されず
受けたい教育を選べる社会へ。

大学の授業料無償化

教育の無償化は国際的な流れ。
AI(人工知能)分野の専門人材や、
国際競争に打ち勝つ高度人材等を育成し、
経済成長につなげます。

高齢者の習い事クーポン

健康寿命の伸びに対応し、
高齢者の生きがいづくりや、
働く意欲のある高齢者が能力を高め、
活躍できる社会を実現します。

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※詳しくは、「日本維新の会 2017維新八策」を参照
https://o-ishin.jp/election/shuin2017/common/pdf/manifest.pdf

日本維新の会も「消費税凍結」を前面に掲げています。
また、自民党の消費増税の使途である
「教育無償化」を増税なしで実現するとしています。

一見すると「ホントにできるの?」
と眉唾に感じてしまいますが、
その恒久財源を国会議員・公務員等の
人員・人件費の削減により実現
するとしています。

その総額5兆円を超えることになるとのことで、
本当に消費増税が不要ということになるわけです。
実際のところ、国会議員・国家公務員の人件費水準は、
国際・民間と比較しても高いわけですから、
妥当な策だと言えると思います。

また、維新の会は大阪で
公務員の人件費・人員削減を実現し、
教育無償化等を実現していますから
実行力にも期待できるでしょう。

しかし、これだけわかりやすい
恒久財源があるにもかかわらず、
他党が一言も言及していないのが
この問題の本質にありそうです。

それは、今の日本の政治は
実質国家公務員が動かしているということ。
国家公務員の人員・人件費削減となれば、
確実に国家公務員を敵に回すことになりますから、
あらゆる政策立案・推進、業務が滞る可能性があります。

そのため、自民党含め言及できないわけです。
そういう意味では、
全政党の中で一番妥当性が高い政策ですが、
実現性は低い
と言わざるを得ない気がします。

本当に実現するためには、
維新の会の主張を多くの国民が支持し、
国民世論が傾けがあるいは・・・という状況でしょう。

●日本共産党

以下、「日本共産党 2017総選挙政策」から抜粋

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消費税10%増税の中止。格差をただし、くらしを応援する経済政策に

消費税10%増税の中止を求めます

安倍首相は、「増税の一部を教育・子育てにまわす」などと、
切実な願いを逆手にとって、2 度も延期した
消費税率 10%への大増税を、
今度こそ国民に押し付けようとしています。
安倍政権が行った 2014 年 4 月の 8%増税は
何をもたらしたでしょうか。
増税後の 41 カ月で家計消費が前年同月を上回ったのは、
たった 4 カ月で、37 カ月はマイナスです。
政府は増税の影響は「一時的」と言いましたが、
3 年以上経過しても、深刻な消費不況が続いています。
こんな時に、10%への大増税をやれば、
経済もくらしもどん底に突き落とします。

─国民のみなさんと力をあわせ、
消費税 10%増税を中止させます。

①税金の改革─消費税増税の中止。
大企業と大資産家に応分の負担を求め、
財源を確保するとともに、格差を是正します

②予算の改革─社会保障・教育・子育て・若者を優先し、
格差と貧困の是正に役立つ予算を増やします

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※詳しくは、「日本共産党 2017総選挙政策」を参照
http://www.jcp.or.jp/web_download/201710-senkyo_A4_seisaku.pdf

共産党の政策は、
毎回多岐にわたって考えられているので
全部を取り上げることは難しいのですが、
主だった項目をピックアップしてみました。

基本的には、消費増税10%は中止し、
最終的には消費税廃止を目指す
としています。

これは、他党の消費税凍結と根本的に異なり、
かなり独自性が出ていると言えそうです。

また、その財源については、
「研究開発減税」「受取配当益金不算入制度」
「連結納税制度」などを大幅に削減
し、
大企業の法人実効税率を29.7%から
安倍政権以前の37%まで引き上げる
とし、
これにより17兆円を確保できるといいます。

富裕層優遇については、
証券や株式などによる税制を欧米並みに引き上げ
富裕層の資産に対して低率で毎年課税する
「富裕税」を創設
するとしています。

全般的にイデオロギーに基づいた独自の政策でありますが、
法人税制の一部は大企業が優遇される制度である
などの指摘は傾聴すべき点も多いと思います。

ですが、法人や富裕層の懐へ手を伸ばす増税は、
恒久財源にはならないばかりか、
企業や富裕層の流出につながりかねない
という問題をはらんでいます。

つまり、もし実行できたとしても
一時的に一定の税収を得ることになりますが、
数年のうちにどんどん税収が減っていく
ことになることになるでしょう。

着眼点は良いところもあるのですが、
やはり実効性・実現性が低いと思います。

●社民党

以下、「社民党 衆議院選総選挙公約2017」より抜粋

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社民党の財源確保プラン

社民党は、不公平税制の脱却と税制全体を
パッケージとした税制改革、無駄づかい・使い方の見直し、
ボトムアップの経済政策による税収増によって、
財源を確保します。

  • 廃止された復興特別法人税の復活(0.8兆円程度)
  • 法人税率の引き上げ(2011年度水準約2.4兆円程度、中小企業は除く)
  • 金融所得課税の課税強化(0.5兆円程度)
  • 所得税の最高税率の引き上げ(98年度水準、0.3兆円程度)
  • 所得税の税率構造の細分化等(0.6兆円程度)
  • 専守防衛をはるかに超えて拡大する防衛費の縮減など裁量的経費の見直し(1兆円程度)

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※詳しくは、「社民党 衆議院選総選挙公約2017」を参照
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/2017/commitment2017.pdf

社民党も消費増税凍結を掲げています。
その財源補填については、
比較的明確に積み上げて
提示しているのが特徴的です。

その内容は、共産党の政策に通ずるものがあり、
大企業・富裕層に対しての税率引き上げを中心に、
防衛費削減
を打ち出しています。

特に論評することはありませんが、
この中国・北朝鮮情勢が緊迫しているタイミングで
防衛費削減をぶれずに打ち出せるあたりは
筋が通っていると思います。

●日本のこころ

以下、「日本のこころ 重点政策」より抜粋

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消費税マイレージ制度の導入を

消費意欲の喚起と同時に安心の社会保障をめざします。
飛行機に乗るとマイルがたまるように、
消費税を払うとマイルが貯まって、
65歳を超えた時に還付される制度を
日本のこころは提案しています。

新しい成長戦略 消費意欲を喚起し、経済成長へ

消費税マイレージとは、将来受け取る年金とは別に、
自分が納めた消費税の一部を
政府が代わりに積立ていき、
消費税の積み立て分と運用益を合わせ、
一括して現金で受け取れる考え方です。

消費税には低所得者ほど不利である
という逆進性の問題が指摘されていますが、
私たちの提案する「消費税マイレージ」では、
消費税の一部の積み立て分還付時に、
それまでの所得や消費税額などから
還付率を決める仕組みを取入れます。
つまり、徴収時は低所得者も高所得者も
一律となってしまう消費税の逆進性の問題を、
受け取り時に解決できる画期的な考え方であると言えます。

発展させる社会保障 払うほど貯まっていく、老後の安心

自分たちの消費が老後の安心を生む社会保障へと変わる、
それが「消費税マイレージ」。
制度の発案者である上智大学の大和田滝恵教授の
試算によれば、現行消費税8%のうち5%を
消費税マイレージを貯めた夫婦二人が受け取れる金額は
2,540万円になるといいます。

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※詳しくは、「日本のこころ 重点政策」を参照
https://nippon-kokoro.jp/election/syu2017/assets/a3_nakamen_1008out.pdf

消費税について独自の政策を掲げているのが
日本のこころです。

奇をてらった感のある
消費税マイレージ制度」ですが、
消費喚起という観点から見ると
かなり効果が期待できる
気がします。

また、消費税は低所得層に対して
負担が重い制度ですが、
還付段階で累進制を加えることで
再分配機能を果たすように
考慮されているのも一考に値すると思います。

一方で、現行の消費税は社会保障や借金返済へ
充てられていますので、
それらをどうするのかも
併せて打ち出してほしいところです。

日本のこころは、今回の選挙の結果次第で
消滅してしまう可能性がありますから、
今後こうした政策を聞ける機会が
なくなってしまうかもしれません。

以上、ザッとまとめてみましたがいかがでしょうか。
消費税に焦点をあててまとめてみましたが、
消費税の財源やその使途などが
政党ごとに他分野に渡るため、
一律で比較することは難しいと思います。

ですが、少しでも興味を持って
各党の政策を見てもらえたら、
まとめた甲斐があります。

「大義がない」とか
「離合集散だ」とか
ネガティブなイメージが多い選挙ですが、
消費税をどうするか
という観点だけでも良いので、ぜひ投票に行きましょう。

それでは、今週の報告は以上です。
次回も宜しくお願い致します。