諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
今回は、「トランプ大統領来日」
についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■トランプ大統領来日!実は日米FTA協議も?
11月5日、トランプ大統領が
来日しました。
それを挑発するように
北朝鮮がミサイル発射準備に入った
との情報も出てきています。
今回の来日は朝鮮半島有事を
中心に話すのではないかと言われています。
ですが、その一方、米国主導で
日米間のFTAについても
協議するのではないか
との憶測も出始めてきています。
一体どういうことなのか、まとめてみます。
●初日の昼食は米国産牛肉のハンバーガー
トランプ大統領が来日した初日に
安倍総理とのゴルフに興じたわけですが、
その前に2人だけで昼食をとったことが報じられています。
そのランチメニューは、
官邸側も何にしようかと
いろいろと迷ったようですが、
最終的にハンバーガーに落ち着いたようです。
※日米首脳、ゴルフ開始 帽子に「日米同盟をより偉大に」 ―朝日新聞デジタル 2017年11月5日14時32分 http://www.asahi.com/articles/ASKC54GDLKC5UTFK003.html
「国産A5ランクの高級牛肉でも使ったのかな?」
と思いがちですが、一部報道によると、
その際の牛肉は米国産冷凍牛肉であったようです。
普通に考えると、
せっかく遠路はるばる
来日されたのですから、
日本食材でおもてなししたらいい
と思いますが、
わざわざ米国産牛肉を使うあたり
何やら思惑がありそうです。
もちろんランチのメニューは、
米国側の希望も聞いているでしょうから、
日米のどちらが言い出したかは
わかりませんが、娘のイヴァンカ氏を
日本料亭に連れて行ったことを考えても、
とても不自然な気がします。
一体どういうことなのでしょうか?
●来日の目的は日米同盟だけではない?
どうやらトランプ大統領の来日目的は、
日米同盟の強化や朝鮮半島有事だけではないようです。
当たり前と言えば
もちろんそうなのですが、
どうやらトランプ大統領は
対日貿易赤字の改善についても
重視しているようなのです。
実はトランプ大統領は
これまでも何度も
対日貿易赤字について言及してきました。
※トランプ米大統領、対日赤字に言及 首脳会談で初 -日経 2017/7/8 22:40 https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H6H_Y7A700C1MM8000/
また、トランプ大統領は
大切な商談はいつもゴルフ場でしてきたようで、
当選前に出演したテレビ番組で
「ゴルフコースで親友をつくることができる
とこれまでに何度も言ってきたが、
ゴルフがなければ、まとまらなかった商談がある」と語っています。
さらに「ゴルフばかりすべきじゃない。
でも、ゴルフをするとしたら、
それを通じて国の利益になるよう利用すべきだ」とも述べています。
つまり、トランプ大統領は
「日米同盟の強化」と
「対日貿易赤字の改善」を取引しに
満を持してやってきたということのようです。
そう考えると、来日して
最初に安倍総理と会ったのがゴルフ場で、
最初の会食が米国産牛肉のハンバーガー
というのは、実にストレートな
トランプ流商談術の結果
と言えるのではないでしょうか。
では、トランプ大統領が言う
対日貿易赤字が問題というのは
どういうことなのでしょうか?
●対日貿易赤字は何が問題なのか?
まずは実際の米国の対日貿易赤字の推移を見てみましょう。
※Japan - International Trade and Investment Country Facts https://www.bea.gov/international/factsheet/factsheet.cfm?Area=614
確かに米国の対日貿易赤字は、
2008年9月のリーマンショックの際に
大幅に改善しましたが、
以後は大きな変動なく推移しています。
そのため、トランプ大統領は
日本が過大に輸出をしているため、
米国の雇用が失われている
と考えているようです。
こうした考えは、1980~90年代に起きた
日米の貿易摩擦の再燃とも言え、
その当時の若かりしトランプ氏は
バブル期の日本企業が米国の不動産を
買い漁っていた頃の苦い記憶に基づいているのかもしれません。
ですが、トランプ大統領のいう
貿易赤字が米国の雇用を奪っているという考えは、
グローバル化が進んだ現在、
大よそ見当違いと言えそうです。
トランプ大統領が注目する自動車産業で見ると、
かつての日本の自動車は、
まだ多くが日本国内で製造されていましたが、
現段階だとトヨタ、日産、ホンダなどは
国内生産が約10~30%程度に留まり、
多くを現地国で製造しています。
それは、関税や輸送コストや
受給のタイムロスなどを合理化した結果で、
むしろ米国の雇用を増やしているわけです。
また、リーマンショック時に
対日貿易赤字が改善していることから
わかる通り、米国経済が傾けば
貿易赤字が改善します。
つまり、米国からの日本製品の需要が
減少した結果だということです。
現在、米国は好景気で
人口も常に増加傾向(2017年現在3億2500万人)
ですから必然的に需要が増加するのは当然です。
一方で、日本は少子高齢化で人口による
需要増加は期待できない状況ですから、
日米間の貿易にギャップがあるのは、
ある意味で当然なのです。
むしろ、一定水準で
対日貿易赤字が推移しているということは、
日本側が継続的に改善に取り組んでいる
と考えることもできるはずです。
とは言え、貿易赤字が元凶
と思い込んでいるトランプ大統領は、
今回の来日でこの対日貿易赤字の是正を
要求してきたと思われ、
その手段として日米FTAの締結を
考えているようです。
●今後、日米FTAの協議が進む?
日米FTAはこれまでも何度か話題に
あがってきましたが、
国防を米国に依存している日本としては
不利な交渉になってしまう可能性が高いため、
日本側としてはなんとか回避したいところです。
以前の記事でもご紹介しましたが、
そうした懸念から日本は多国間で締結できる
TPPを推進してきたわけです。
※RCEPの今後 参加国の思惑とは? https://www.y-chohobu.com/archives/2518
ですが、TPPの離脱表明をしてしまった
トランプ大統領を相手に
少なくとも日米FTAの協議開始は
避けては通れない道なのかもしれません。。。
以上、いかがでしょうか。
一部の新聞・テレビなどで
「朝鮮有事が迫る最中にゴルフ外交なんて・・・」
というような浅はかな論調が
少なからず見受けられた
トランプ大統領の来日ですが、
その中身はトランプ流の日米同盟の強化を
手土産に持った商談だった
というのが本当のところでしょう。
日本から見れば、
朝鮮有事に加えて国内産業の有事にも
なりかねない事態ですから、
米国側の要求次第では
楽観視できるものではないと思います。
特に現在の日本の立場的に
無下に断れる状況にありませんから、
今後の動向を注意深く見守っていく必要がありそうです。
それでは、今週の報告は以上です。
次回も宜しくお願い致します。