諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回も引き続き
「漫画村問題」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

■海賊版サイトが相次いで閉鎖!? 漫画村問題とは?(後半)

ご存じの方も多いと思いますが、
主要な海賊版サイトが相次いで閉鎖に追い込まれています。

政府がインターネットプロバイダーに
自主的に海賊版サイトを
接続遮断(ブロッキング)を
促す緊急対策を決定しました。

この決定が各業界団体を巻き込んだ
大論争へと発展しています。

一体何がどうなっているのか、
前回に引き続きまとめてみます。

●前回のまとめ

前回は、「漫画村」「anitube」「MIOMIO」をはじめとする、
漫画やアニメを始めとする著作物(コンテンツ)を
無断で複製・改変し、配信・配布するインターネットサイト、
いわゆる「海賊版サイト」に対しての
政府側の緊急対応「サイトブロッキング要請」と、
それに対する「賛成」「反対」の様々な意見・声明等についてまとめました。

今回はその要請を受けたISP、つまりプロバイダー側の状況についてまとめます。

●実は喜んでいる(?)プロバイダー

前回の日本インターネットプロバイダー協会の
声明を見て頂ければお分かりかと思いますが、
プロバイダー協会は「断固反対」の姿勢を表明しています。

ですが、実際のところ、軒並みプロバイダー各社は
サイトブロッキング対応を行ってしまったわけです。

また、対策された漫画村も負けじと、
すぐさま別サイト「漫画タウン」を
立ち上げましたが、それにも迅速に対応するという徹底ぶり。

プロバイダー各社が協会の言うように本当に、「
断固反対」の姿勢であれば、
対応しないプロバイダーが現れたり、
漫画タウンは放置したりしても良さそうですが、
そうならなかったのはなぜでしょうか?

実は、多くのプロバイダーにとって
漫画村は邪魔な存在だったわけです。

その理由は、ソフトバンクの例を見ると
わかりやすいかもしれません。

以下は、ソフトバンクが
「ウェブ安心サービス」で
青少年にアクセス制限をしている対象サイトです。

※○がアクセス制限をしているもの。

大カテゴリ 小カテゴリ ウェブ利用制限 ウェブ利用制限(弱)
不法 違法と思われる行為
著作権や商標権の侵害行為
薬物 違法と思われる薬物
不適切な薬物利用
自殺 自殺誘引
出会い 出会い
暴力・恐怖 暴力組織・カルト
グロテスク・ショッキング
ポルノ 性行為
ヌード・セミヌード
性風俗
アダルト検索・リンク集
フェティシズム
文章による性的表現
裏情報 裏情報
セキュリティ クラッキング
不正コード配布
フィッシング詐欺・ワンクリック詐欺
翻訳・キャッシュ ウェブ翻訳
検索キャッシュ
プロキシ
コミュニケーション 子どもの利用への配慮が不足、大人が対象
子どもの利用への配慮レベル1~3 ×
ギャンブル・宝くじ ギャンブル・宝くじ
飲酒・喫煙 飲酒
喫煙
アルコール製品
成人娯楽 成人娯楽 ×
主張 極端な主張 ×
ショッピング オークション・オンラインショッピング × ×
懸賞・副収入 懸賞・副収入 × ×
趣味・娯楽 ゲーム × ×
動画 × ×
音楽 × ×
占い × ×
タレント・芸能人 × ×
娯楽一般 × ×
プロスポーツ × ×
ポルノ 性行為
ヌード・セミヌード
性風俗
アダルト検索・リンク集
フェティシズム
文章による性的表現
裏情報 裏情報
セキュリティ クラッキング
不正コード配布
フィッシング詐欺・ワンクリック詐欺
翻訳・キャッシュ ウェブ翻訳
検索キャッシュ
プロキシ
コミュニケーション 子どもの利用への配慮が不足、大人が対象
子どもの利用への配慮レベル1~3 ×

ザッと見ておわかりかと思いますが、
サイトブロッキングという形ではないですが、
そもそもサイトフィルタリングによって
見れないサイトは元々多数あります。

注目してもらいたいのは、
趣味・娯楽の動画や娯楽一般などは
フィルタリング対象ではないことです。

ですが、2017年8月末頃、
ソフトバンク系の回線で
漫画村へのアクセスができない
という状況が発生しました。

これに対して、漫画村側が公式に
「ソフトバンクが速度制限をかけている」と明言。
同様にauでも繋がらない事態となり、
一時騒然となりました。

特に、ソフトバンクは、
ドコモの運営するアニメストアへの
アクセスを規制しているとも言われており、
これはソフトバンクの運営する
自社のコンテンツ「アニメ放題」の
ライバルだからという憶測も出ているようです。
※ちなみに、一説では、この騒動によって
漫画村の知名度が一気に上がったとの話もあるようです。

つまり、ソフトバンクやauを始めとする
多くのプロバイダーは、電子コミックサービスや
アニメ動画配信サービスを展開しており、
漫画村やanitubeによる直接的な被害者であるわけです。

ですから、漫画村等へのアクセスを
何らかの理由で制限をしたいところなのですが、
先の騒動のようにこっそり速度制限かけると
大騒動になってしまいますから、
どうしても大義名分がほしかったのではないでしょうか。

そう考えると、今回の漫画村等への
サイトブロッキング対応が、
反対しているはずのプロバイダーが
キッチリ対応している状況を理解できると思います。

政府に圧力かけられて、
粛々と対応している格好を見せていますが、
その実は喜々として
やっているのではないでしょうか。
「あ、これも漫画村だよ。あ、それも」みたいな。

また、反対している団体等も、
憲法等の高邁な理想だけを
掲げて反対しているわけではなく、
本当のところは、自分たちの立場や
利益主張をしているようにも見えなくもありません。

そうした意味では、今回のサイトブロッキング対応は、
やはり事前の利害調整を
もう少ししっかりとやっておけば、
良かったと思います。

また、こうなってしまった現在は、
反対を表明している団体を
利益の輪の内側に入れてやることが
解決の近道でしょう。

あえて具体的なことは書きませんが、
この騒動の落ち着く先は、反対を表明している
多くの団体がサイトブロックを検討する枠組みに入り、結
果として、何らかの役割を担うことになるのではないでしょうか。

ただし、倒閣のネタにしたい団体は除外されるでしょうが・・・

以上、いかがでしたでしょうか。

今回の問題で、日本社会に一石を投じた格好になった漫画村。
その影響範囲が大きかったため、
様々な団体が群がる問題にまで発展しました。

守るべき日本のコンテンツが、
正しい利益関係を築き、
正当な方法で提供されるようになるには
もう少し時間がかかるかもしれませんが、
良い傾向であるのは間違いないと思います。

とは言え、1人の消費者から見れば、
無料の漫画・アニメサイトが
利用できなくなるというのは残念です。。。
という人が多いのかもしれません。

ということで、今回は以上です。
それでは、また次回宜しくお願い致します!