こんにちは!諜報部長!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。

さて、今回のテーマは、
「税理士事務所の求人状況」
という内容で話を進めていきます。

世間一般的には人手不足や、
バブル期依頼の売り手市場!
なんて言われていますが、
税理士事務所の業界ではどうなのでしょうか?

税理士、並びに税理士事務所との
やり取りから感じられる状況について
お話をしていきます!

■税理士事務所の求人状況-①未だかつてない状況

前段の通り、昨今は人手不足、求人難が
世間一般的には騒がれています。
有効求人倍率は1.59倍となり(※)となり、
最近のニュースでは、求人難・採用難による
中小企業の倒産も増加傾向と報じられています。

※厚生労働省:一般職業紹介状況(平成30年3月分及び平成29年分)について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000204352.html

では、上記が企業・業種全体での統計とすると、
税理士・会計業界はどのようになっているのでしょうか?

●ご多分に漏れず

税理士・会計業界でも、他業種同様、
求人難、採用増加、人手不足となっています。

大きな報道で取り上げられるのは、
建設業界、飲食業界、
介護等の福祉業界等が多いですが、
実際、会計業界でも
結構人手不足は続いています。

元々、税理士や公認会計士というのは、
独立・開業する人も多い業界なので、
自身のステップアップの為、
開業するための退職等、
税理士・公認会計士資格者の出入りは
そこまで珍しいものではありません。

ただ、現段階は数年前から
有資格者だけでなく、それをサポートする
事務員、作業員、パートタイマー等も
非常に人手不足が続いています。

弊社は、税理士紹介業ということで、
分かりやすく言うと、
税理士さんに事業者(=仕事)を紹介しています。

その為、税理士さんとやり取りが多いのですが、
その中で、数年前より増えた要望が、

  • 誰か採用できそうな人を知らない?
  • 退職考えている経理の人いない?
  • 転職する資格者の人に心当たりは?

というような、人に関するものです。

●考察される理由

なぜ、こういった状況となっているのでしょうか?

私自体は人材採用の専門家ではありませんが、
業界的な状況を考慮して私見をまとめてみます。

【1点目:他業界との給与比較】

これは、有資格者というよりも、
事務員やパートタイマー採用において
言える事なのですが、
税理士・会計の業界は非常にわかりやすい
一つの基準があります。

それは、資格(税理士・公認会計士等)の
資格保有かどうかが、給与に反映することです。
他の業界でも当たり前と言ってしまえばそうですが、
この会計業界でもそのような基準になります。

その為、税理士等の資格者は結構高い給与での
求人募集が存在するのですが、
事務員、パートタイマーとなると、
はっきり言って、そこまで高い給与での
募集は多くありません。

そうなると、無資格者の人にとっては、
長期的に税理士・会計業界での業務を
希望している人でない限り、
給与・待遇面では他の業界の方が、
魅力的に映ってしまうかもしれません。

【2点目:確定申告者数の増加】

以前にも諸々の報告で触れていますが、
人口減少社会に突入した日本でも、
確定申告数は毎年増加しています。

当然、2,000万人以上の確定申告者のうち、
大半はご自身で済ませていますが、
母数が増加しているわけですから、
税理士への依頼総数も増えている状況です。

そして、今後は政府としても、
ダブルワークや副業、個人での収入増加等を
推奨していく傾向が強くなっていますので、
確定申告が必要な人は増加していく傾向にあると思います。

そこで、税理士としては仕事が増えて
良いことではないか!
という点もあるのですが、
確定申告に関しては、各事務所で
受けられるキャパシティが決まってしまう仕事です。

理由は簡単で、全ての人が同じ期限だからです。
日本の法人は3月に決算が集中している傾向ですが、
基本的には12ヶ月のうち、好きな月を設定できます。
ですが、個人に関してはそうはいきません。
全員一律で1月~12月末で〆て、
翌年の3月15日までに申告・納税をする、
ということに決まっています。

だからこそ、従業員数や作業内容に応じて、
確定申告の受託件数が決まってしまうのですが、
逆に言うと、従業員が増加すれば、
もっと仕事も受けられる内容です。
また、簡易な申告は見習いのスタッフに任せて、
難しい内容・時間のかかる仕事を
経験値のある従業員に任せたりもできます。

この確定申告の増加要因も、
業界としての求人難(求人要望増加)に
影響しているのは間違いないと思います。

【3点目:大規模事務所の増加】

合併・吸収、M&A等による
業界再編というのは、小売業界や
金融機関で一昔前から始まっていますが、
そういった大きな流れは
税理士・会計の業界でも起きています。

昔からある四大監査法人とか、
四大税理士法人とかを除いても、
新興事務所や業歴のある事務所等が
どんどん合併や吸収を繰り返して、
規模の大きな事務所も
昔より増加しています。

そのように拡大していった事務所は、
事業内容こそ会計事務所ではありますが、
事業規模・従業員数的には
通常の企業と変わりありません。

通年で採用も行っていたり、
給与待遇でも高待遇を実現できたり、
キャリアパスを明確に描けたり、
個人や中小の会計事務所では
中々導入が難しいことも実施できます。

この場合、どちらの事務所の方が
求職者に対して魅力的に映りやすいか、
というと、言わずもがなという話だと思います。

一般企業でも規模の大きい会社の方が、
採用数も多いですし、採用の難易度も下がりますからね。

勿論、大きな企業やシステムが確立した事務所では
実現不可能なことを個人の事務所なら
代表者の裁量で決定できるので、
個人・中小事務所の方が驚くほど高待遇、
という場合もあるのは事実だと思いますが、
中々一般的ではないと思います。

大規模事務所では無い会計事務所では、
縁故等を除いた一般の採用の難易度が、
一昔前より、各段に上がっていると思います。

さて、今回の報告は以上です。
次回も「税理士事務所の求人状況」
という同テーマでお話していきます。

また、次回宜しくお願い致します。
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