諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは、
「地下銀行」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■「地下銀行」って何? 急増するニーズとカラクリ
「地下銀行」ってご存知でしょうか?
近年、地下銀行のニーズが急増しており、
警察の摘発が追い付かない状況のようです。
「地下銀行とは何か?」
「その仕組みは?」
まとめてみます。
●地下銀行とは?
地下銀行とは、銀行法等に基づいた許認可を得ずに、
不正に海外に送金する業者のこと。
日本では、送金や銀行振込などの
為替取引は銀行のみ認められていますが、
銀行で海外送金するためには
免許書やパスポートなどの本人確認書類が必要となります。
ですが、そのような
本人確認書類等が用意できない人にとっては
「地下銀行」が数少ない送金手段になっている
という実情があるようです。
つまり、本人確認書類等が用意できない
不法滞在の外国人が、不法就労や犯罪で入手した資金を
母国などに送金するために利用されているわけです。
その手口は、当初はシンプルに飛行機で
現金を持ち込むものから、
代替品を輸出入させることで資金移動をさせる等の
複雑・組織的なものまで様々あり、
その規模は全体を把握できないレベルの巨額が動いているようです。
※中国では、2016年に中国国内の地下銀行500カ所を摘発し、
その取り扱い総額は9000億元(約15兆3000億円)で、
犯罪容疑者800人以上を逮捕したと発表しています。
特に、地下銀行は国際的なテロ組織や犯罪集団が
送金やマネーロンダリングの手段として
利用していることもあり、
2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、
金融庁が取り締まりを強化している状況です。
ですが、最近はちょっと状況が変わってきているようです。
●ニーズが変わってきた地下銀行
まずは、こちらのニュースをご覧ください
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地下銀行で不正送金 山形県警など、容疑のベトナム人逮捕
河北新報 2018年7月5日
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180705_53042.html
地下銀行を営みベトナムに不正送金したとして、
警視庁と山形、山口両県警は4日までに、
銀行法違反(無免許営業)の疑いで
東京都板橋区赤塚、ベトナム国籍の
無職グエン・スアン・トゥアン容疑者(28)を逮捕した。
逮捕は2日。警視庁などはトゥアン容疑者らのグループが
2016年1月~18年6月に、計約20億円を不正送金したとみて調べる。
逮捕容疑は、17年3月ごろ、ベトナム人2人から
依頼を受けて計約31万円を送金し、銀行業を営んだ疑い。
また、警視庁などは4日、送金に使用するため、
会員制交流サイト(SNS)で銀行口座を買い取ると
呼び掛けたとして、犯罪収益移転防止法違反容疑で、
ベトナム国籍の専門学校生の男(22)を書類送検した。
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逮捕された容疑者は地下銀行グループのメンバーで、
国内の貿易業者を介して建設機械などを
輸出・換金するといった組織的なものだったようです。
一方の利用者は、SNSなどで集められた
一般の外国人労働者で実習生や
正規の就労ビザを持つ者も多かったようです。
その背景には、外国人就労者数の急拡大にありそうです。
2017年10月末時点の外国人労働者数は、
約128万人と過去最大を記録しており、
前年比約18%増で伸び率も過去最大という状況です。
特に、就労者全体の3割が中国人で最大ですが、
増加率ではベトナムが突出しており前年比約40%増という状況です。
外国人労働者が日本で稼いだお金を
母国に送金する際、国内の銀行で
10万円を海外送金すれば、
4,000~5,000円の手数料がかかってしまいます。
ですから、格安の手数料(数百円~千円程度)で
送金できる地下銀行を利用するのは、
ある意味で自然な流れなのかもしれません。
このように、地下銀行は従来の不法滞在者などの送金だけでなく、
一般の外国人労働者などを巻き込んでニーズが拡大しているのです。
●様々な海外送金サービスが登場
このような海外送金ニーズを狙って
拡大しているのは地下銀行だけではありません。
正規な適法な枠組みでも、
様々なサービスが登場し始めています。
その最たるものが、仮想通貨でした。
ビットコインを始めとする仮想通貨は
送金手数料が格安であることから
利用者が爆発的に伸びたことは記憶に新しいと思います。
ですが、中国では大規模な規制が入ったことや
ビットコインの手数料も上がりつつあり、
送金手段としてのニーズは落ち着いてきた感があります。
こうした背景を狙ってか、
NTTドコモが昨年9月に海外送金サービスを開始しています。
ドコモユーザーである外国人が
スマホアプリを使って母国に送金を手軽に行えるサービスで、
送金手数料は一律1,000円と銀行に比べれば破格と言えるでしょう。
※参考)docomo MoneyTransfer https://dmt.docomokouza.jp/
また、セブン銀行がセブンイレブンに
設置されているATMを使って
簡単に海外送金できるサービスを開始しています。
さらに国別に送金専用アプリを整備し、
利便性向上や手数料をわかりやすくしようと
取り組んでいるようです。
※参考)セブン銀行 海外送金サービス https://www.sevenbank.co.jp/soukin/jp/
このように海外送金ニーズの高まりに
応えるように様々なサービスが登場しつつあります。
外国人労働者の海外送金ニーズは、
少なく見ても数千億~1兆円規模はあるでしょうから、
こうした流れは当面続くのではないでしょうか。
以上、いかがでしたでしょうか。
外国人労働者の急増により海外送金ニーズが高まり、
地下銀行が一般に浸透しつつある
という状況がお分かり頂けたかと思います。
もちろん金融庁が黙っていませんから、
今後摘発される地下銀行も増えてくるはずです。
一方で、民間企業が適法な海外送金サービスを
続々と展開するでしょうから、
現状の「地下銀行の一般への拡大」は
一時的なことで、今後収束していく気がします。
さて、今回は以上です。
次回も宜しくお願い致します。