諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは
「世界同時株安」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■日経平均が急落!?世界同時株安の影響は?
10月11日、米国株価の急落を受けて、日経平均株価が急落しました。
また、中国・上海などアジア市場も軒並み株安となり、
世界同時株安の様相を呈してきているようです。
一体何が起きているのでしょうか。まとめてみます。
●日経平均株価が一時1,000円超の急落
まずは、ニュースからです。
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日経平均、一時1,000円超下落 世界同時株安の様相
2018年10月12日 金曜 午前0:44 FNN PRIME
https://www.fnn.jp/posts/00402971CX
世界同時株安の様相。
日経平均株価も急落し、
下げ幅は、一時1,000円を超えた。
取引直後から急落した、11日の日経平均株価。
午後には一時1,000円以上急落し、
終値は、10日に比べ915円安と、
2018年3番目の下落幅となった。
東京に続いて取引が始まった
アジアやヨーロッパの株式市場でも、
それぞれ値を下げるなど、世界同時株安の様相に。
この下落の原因となったのが、
ニューヨーク市場のダウ平均株価の急落。
10日のニューヨーク市場では、
ダウ平均株価が831ドル値下がり。
2018年3番目の下げ幅を記録した。
この大幅な下落に、アメリカ・トランプ大統領は、
「FRB(連邦準備制度理事会)は間違いを犯している。
彼らはすごくケチだ。頭がおかしくなったんじゃないか」と語った。
「高い株価が、自身の経済政策の正しさだ」
と主張していたトランプ氏によるこの発言。
名指しで批判されたのは、アメリカの中央銀行にあたるFRB。
FRBは9月26日、政策金利の引き上げを決定。
さらに2020年にかけて、
段階的に利上げを続ける方針を示していて、
企業の収益が圧迫されるとの懸念が広がっていた。
三井住友アセットマネジメント
シニアストラテジスト・市川雅浩氏は、
「米国の10年国債利回りは、
10月2日から5日にかけて約0.17%、
“短期間で急激に上昇”しました。
金利が上昇しますと、企業の借り入れのコストが上昇します。
これは企業の投資活動とか、
また消費者の消費行動にも影響が出ますので、
景気が減速して、企業の収益も悪化する」と語った。
さらに、もう1つの要因として挙げられたのは、
アメリカと中国の貿易摩擦の激化。
市川氏は、「この問題が長引いておりますので、
先々にですね、世界の貿易量を停滞させるような、
そういう状態に発展するんじゃないか
というおそれが強まっていました。
世界経済の見通しが悪化しますと、
投資家は手持ちの株式を売り、
利益確定を急ぐ傾向があります。
その結果、株式が大きく下落する
という事態につながりやすいということが言えます」と話す。
世界の市場を襲った同時株安。
今後について、市川氏は、
「おそらく、長くて1カ月ぐらいではないか
と考えております。不安定な動きをするという意味では、
少し長いかもしれませんけれども、
落ち着きを取り戻せば、
日本株にも徐々に買い戻しが入ってくるのでは
と考えております」と語った。
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事の発端は、米国FRB(連邦準備制度理事会)による
政策金利の引き上げにあったようです。
この金利引き上げが、
好調の米国経済に冷や水を浴びせる形になり、
米中貿易戦争の先行き不安も相まって、
市場の警戒感が急速に広がったということのようです。
●すべては予定調和だったはず・・・?
今回の株安は、FRBの金利引き上げでしたが、
そもそもFRBが金利引き上げすることは、
今年計4回と以前から予定されていました。
そのため、市場では利上げリスクは
織り込み済みとの見方も少なからずあり、
今回のような暴落には至らないと予測もありました。
ですが、9月下旬の3回目の引き上げが
直接的な要因となってしまったわけです。
では、なぜこうなってしまったのでしょうか。
一番の要因は、今回の利上げの結果、
10年物米国債の利回りは
一時年率3.24%前後まで
急上昇したことにありそうです。
実はFRBが見込んでいた中立金利※の水準は3.0%で、
最終的には3.5%程度まで引き上げることが中心シナリオとなっていました。
※中立金利:景気に対して中立的な実質金利の水準のこと。景気を刺激も抑制もしない目安。
ですが、今年2月に就任したパウエル議長は、
政策運営で独自色を出し始めたこともあり、
FRBがどのようなペースで
3.5%まで引き上げていくのか、
市場が疑念を持っている状況だったのです。
そうした疑念がある中で、
今回の10年物の利回りが
3.24%まで上昇したことが景気に打撃を与えると
市場が判断し、米株価暴落、
安全資産である円が買われ、日本株も下落する
という流れになったようです。
●米国中間選挙に大きな影響が
今回の結果は、11月6日の
米国中間選挙に大きな影響を与えそうです。
直接的な見方では、
景気に暗雲が立ち込める形となってしまったため、
トランプ氏が更に不利になると考えられますが、
タダでは転ばないトランプ氏ですから
これを好機と捉えるのではないでしょうか。
トランプ氏は今回の利上げを
「FRBはクレージーだ」と厳しく非難しており、
FRBと全面戦争に持ち込む様相を呈してきています。
もともとFRBには根深い批判や
疑念を持つ人が一定割合でいます。
「米国経済を牛耳っており、
リーマンショックなどの様々な経済危機も
予見できなかったにも関わらず、
何の責任も負わず、のうのうとしている。」
といった具合です。
つまり、トランプ氏がFRBを非難すれば、
FRBを快く思わない層へのアピールになるわけです。
その一方で、FRBは政治から中立であるべき
とされていますから、
トランプ氏が舌鋒鋭くFRBを非難すれば、
リベラル層からの反発は必至でしょう。
ですが、この構図はかつて見た光景ではないでしょうか?
そう、トランプ氏が誕生した大統領選です。
当時トランプ氏は、
「エリート社会に対するアンチテーゼ」を
核として選挙戦を戦い、労働者階級を中心に
多くの支持を取り付け勝利しました。
つまり、今回のFRB批判をキッカケとし
米国民の意見の対立を生み出す、
トランプ氏にとっての主戦場といえるのではないでしょうか。
まさに大統領選の構図を
再現することができるわけです。
もともと中間選挙は不利だと見られている
トランプ陣営ですが、巻き返しの材料
とするのは間違いないでしょう。
そう考えると、今回の世界同時株安は
中間選挙の結果が出るまで
様子見となる可能性が高い気がします。
●日本への影響は?
今回の世界同時株安は、
日本にとってどのような影響があるのでしょうか?
実際、円高株安が進み、
日経平均は2万3500円台から
一時、2万2300円台まで下落しました。
ですが、今このタイミングで
注目されているのは「消費増税」です。
来年10月の消費増税へ向けて、
今まさに実施の判断を検討している段階での
降って湧いたマイナス要因ですから、
景気への影響が大きいとなれば、
消費増税見送りと判断する可能性もあるわけです。
そうしたこともあって、麻生財務相が早速発言をしています。
「米国の経済を始め、世界経済が
堅調に推移していることに
変わりはないと認識している。
政府としては、金融為替市場を、
緊張感を持って注視していく」
つまり、「消費増税の判断には影響がない」
と言いたいようです。
いずれにしても、米国では11月に中間選挙、
そしてFRBの利上げは年末にもう1回予定されており、
それらの結果が世界経済に大きな影響を
与える可能性もありますから、
まだ予断を許さない状況だと言えそうです。
以上、いかがでしたでしょうか。
今回の世界同時株安の影響は
ひとまず限定的なものになりそうです。
ですが、今後の中間選挙、
FRBの利上げ次第では、
大きな影響がある可能性がありますから、
しばらく注視していく必要がありそうです。
特に、日本においては株価や為替だけでなく、
消費増税への影響もありますから、
今後の行方を見守っていきたいところです。
それでは、また次回宜しくお願い致します。