諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは
「消費増税」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■消費増税10% ついに決定!? はやくも迷走の兆し?
消費増税10%の予定通り実施に向けて、
いよいよ本格的に動き出すようです。
新聞各社はこぞって
「安倍総理、消費税10%表明」と報じています。
その一方で、経済的打撃が甚大になることが
予想されることから、
様々な経済対策の実施を
検討しているようです。
まとめてみます。
●消費税10%予定通り実施へ
10月15日の臨時閣議で、
総理から消費税に関する発言がありました。
新聞各社はこれを受けて、
消費増税10%表明と報じていますが、
一体どのような発言だったのでしょうか。
まずは、その総理発言を確認してみましょう。
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消費税率引上げとそれに伴う対応について(臨時閣議における総理発言)
平成30年10月15日(月)臨時閣議
消費税率については、法律で定められたとおり、
平成31年10月1日に現行の8%から10%に
2%引き上げる予定です。
5年半に及ぶアベノミクスの推進により、
生産年齢人口が450万人減少する中においても、
経済は12.2%成長しました。
そして雇用は250万人増え、正規雇用も78万人増えました。
今こそ、少子高齢化という国難に
正面から取り組まなければなりません。
お年寄りも若者も安心できる
全世代型の社会保障制度へと、
大きく転換し、同時に財政健全化も確実に進めていきます。
今回の引上げ幅は2%ですが、
前回の3%引上げの経験をいかし、
あらゆる施策を総動員し、
経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応します。
第1に、消費税率引上げ分の使い道を変更し、
2%の引上げによる税収のうち半分を
国民の皆さんに還元します。
来年10月1日から、
認可・無認可合わせて幼児教育を無償化します。
第2に、軽減税率を導入し、
家計消費の4分の1を占める飲食料品については、
消費税を8%のまま据え置きます。
軽減税率の実施に向けて、準備に遺漏無きよう、よろしくお願いします。
第3に、引上げ前後の消費を平準化するための
十分な支援策を講じます。
消費税引上げ後の一定期間に限り、
中小小売業に対し、ポイント還元といった
新たな手法による支援を行います。
さらに、商店街の活性化のための対策もしっかりと講じます。
また、消費税の引上げ前後で
消費者の皆さんに安心して購買いただくために、
消費税引上げ前後に柔軟に価格付けができるよう、
ガイドラインを整備します。
もちろん、同時に、中小企業が取引先に対して、
消費税を円滑に転嫁できるよう、対策を講じます。
第4に、消費税負担が大きく感じられる
大型耐久消費財について、
来年10月1日以降の購入にメリットが出るように、
税制・予算措置を講じます。
自動車については、来年10月1日以降に購入する
自動車の保有に係る税負担の軽減について検討を行い、
今年末までに結論を出していただけるよう、
党に審議をお願いします。
同様に、住宅についても、
来年10月1日以降の購入等について、
メリットが出るよう施策を準備します。
こうした対策に加え、国民的な関心事となっている
防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を
更にしっかりと講じてまいります。
来年度、再来年度予算において、
消費税対応で臨時・特別の措置を講じてまいります。
消費税率引上げによる経済的影響を
確実に平準化できる規模の予算を編成してまいります。
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以上が、総理の発言です。
これをザックリと要約すると
次のようなものになるのではないでしょうか。
「予定されている消費税10%に向けて経済へ影響を与えないよう準備を進める」
新聞各社の報道「消費税10%表明」等と比べると
趣旨が変わっているように感じるのではないでしょうか。
実は、今回の総理発言では
過去の消費税の実施判断の際と、
大きく異なる点があります。
それは、事前に有識者による
景気見通しの判断を行っていないことです。
そのため、総理は冒頭に
「法律で定められたとおり~(中略)~引き上げる予定です。」
として景気見通しによる実施を
判断したわけではないテイをとっているわけです。
ですから、今後、有識者による景気判断を踏まえ
再度延期される可能性は少なからず残っている
と言えそうです。かなり難しいでしょうが。。。
※ちなみに、現在の消費増税法案では、
いわゆる「景気判断条項」は削除されています。
この景気判断条項とは、
かつての三党合意の際に設けられていた条項で、
名目及び実質の経済成長率、物価動向等、
種々の経済指標を確認し、
経済状況等を総合的に勘案した上で、
実施することが定められたもの。
1回目の延期をした際に削除されています。
2回目の延期段階では、
既に景気判断条項はなかったのですが、
選挙で信を問うとして延期を実現しています。
詳しい経緯は、こちら(※)をご覧ください。
※参照:消費増税10%の判断はいつ? 本当に実施される?
●具体的な平準化対策とは?
では、政府は消費増税をするために
どのような対策をするのでしょうか。
現段階でわかっている内容をみてみましょう。
- 中小小売店でキャッシュレス決済をした場合、
2%分のポイントを還元する制度の導入 - 消費税引き上げ前後に還元セールなどの実施を容認するガイドライン策定
- 中小企業が消費税を円滑に転嫁できるような対策
- 大型耐久消費財への税制・予算措置(住宅・自動車など)
ザッと項目を見てもわかる通り、
どれもまだ具体的に固まったものではなく
素案段階であることがわかります。
特に、1のポイント還元制度ですが、
以前の記事でも触れたようにかなり筋の悪い政策だと思います。
当然、既にあちこちから批判や不安の声が上がっており、
1週間も経たずに次のような修正プランや
別の補填プランが浮上してきています。
「2%還元 全商品対象」を検討 キャッシュレス決済
FNN PRIME 2018年10月19日
https://www.fnn.jp/posts/00403517CX
消費増税で公明「商品券を検討」 低所得者への対策主張
朝日新聞 2018年10月19日
https://www.asahi.com/articles/ASLBL53L5LBLULFA01L.html
政府、カード手数料下げ要請へ 消費増税で
産経新聞 2018年10月19日
https://www.sankei.com/economy/news/181019/ecn1810190004-n1.html
元々筋の悪い政策ですから、
多少の修正では良くなる気がしませんが、
キャッシュレス決済時のポイント還元制度の対象を
中小小売店のみから飲食・宿泊業などを含む
B2Cビジネスをする中小全事業者へ拡大する案が出てきています。
また、公明党を中心に
低所得者層や需要喚起を目的とした
プレミアム付き商品券の検討も
始まっているようです。
※補足)プレミアム付き商品券
支払額以上の価値(プレミアム)のある自治体が発行する商品券。
これまでの事例では、20~30%のプレミアムが付くのが一般的で、
1万円で1万2000円分の商品購入ができる。プレミアム分の費用負担は国・自治体が行う。プレミアム商品券は、これまでも転売・買占め・抽選による不公平など
様々な問題が生じているのに加えて、
メリットを受けるのが商品券を購入した人のみであることや
需要を先食いしてしまう等、そもそも経済効果自体にも疑問が上がっている。
さらにその挙句に、政府が民間のカード会社などに
決済手数料引き下げ要請までするようですから、
どれだけ歪んだ政策であるかお分かりになるのではないでしょうか。
そもそも、キャッシュレス決済が
前提であるこの制度では、
クレジットカードなどが持てない子供や
自己破産した人、生活保護受給者などの
弱者が利用できない制度であるため、
不公平感が強い本末転倒な政策であるわけです。
なぜ検討段階でこうした指摘が
できなかったのかと考えると、
まだまだ迷走を続けることは必至と言えそうです。。。
以上、いかがでしたでしょうか。
消費増税をするために、
様々な歪んだ制度が作られようとしている状況を見ると、
「なぜそこまでして消費増税をしなくてはならないのか?」
と、とても疑問に思えてきます。
確かに社会保障費は年々増大していますが、
そのペース以上に税収は右肩上がりで伸びています。
※一般会計税収:2012年43.9兆円→2018年59.1兆円(予算)
今月24日から臨時国会が召集されますが、
そうしたことも踏まえて
消費増税についてしっかりと議論してもらいたいものです。
それでは、また次回宜しくお願い致します。