諜報部長!お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは
「日本国の借金」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■今、知っておきたい国の借金1,000兆円の真実
「国の借金は1000兆円超」
消費増税の実施が迫る中で、
“国の借金”という単語を
耳にする機会が増えてきている気がします。
「国の借金を減らさないと日本が破たんする」
-というわけです。
ですが、本当にそうでしょうか?
まとめてみます。
●国の借金はいくらなのか?
財務省の発表によれば、
平成29年度末時点で1,087兆円
になるとされています。
これは、GDPの198%にあたり、
平成28年度末と比べ約31兆円増加し、
過去最悪になるとのこと。
これを同時点での人口推計で単純計算すると
国民1人あたり約859万円の借金を
抱えていることになるそうです。
このままでは破たんしてしまうというわけです。
…新聞・テレビなどでよく聞くフレーズです。
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国の借金1087兆円 17年度末、過去最大更新
毎日新聞2018年5月10日 18時08分
https://mainichi.jp/articles/20180511/k00/00m/020/031000c
国の借金、1087兆円に増加 3月末、国民1人当たり859万円
日経新聞 2018年5月10日 14時41分
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL10HOP_Q8A510C1000000/
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こうした報道は、ほぼ一字一句違わず
そのまま財務省の発表によるものです。
あたかも財務省は国の借金を
国民1人1人に負担させたいようです。
ちなみに、最近はそうした内容を
YouTube等で動画にアップしたり、
特設サイトを公開して、多くの人に周知させようと必死です。
日本の財政を家計に例えると、借金はいくら?
MOFJapan―Youtube財務省公式アカウント
https://www.youtube.com/watch?v=sRIZlDEwcbw
日本の財政を考える-財務省特設サイト
http://www.zaisei.mof.go.jp/
では、国の借金とは一体なんなのでしょうか?
●国の借金ってナンダ?
国の借金とは、公債の残高のことで、
政府が発行する国債や地方自治体が発行する地方債などの総額のことです。
では、政府や自治体は
一体誰から借金しているのでしょうか?
平成30年6月段階での
国債の保有者は次のようになっています。
ほぼ過半数を日本銀行が保有し、
残りを銀行・生損保等で保有しています。
この関係を簡単に図で示すと
次のようなお金の流れになります。
国民は銀行や保険会社に預けたり、
保険に加入したりします。
そのお金を元手に銀行等は
国債や地方債を購入し、運用し利益を得ています。
政府や自治体はこうして
資金を調達しているわけですが、
全体を俯瞰してみると、
国民のお金が巡り巡って
公債に代わっていることがわかると思います。
つまり、国の借金は国民が貸しているのです。
ちなみに、現在は日銀が国債を引き受けたり
市場から買い取ったりしていますから、
必然的に債権は日銀へと集まり、
資金が銀行等へと流れることになっています。
これが現在実施されている量的緩和政策です。
では、日銀が引き受けた国債は
どうなるのでしょうか?
●日銀が引き受けた国債はどうなる?
そもそも政府が発行する国債は、
元本に利息を加えた金額を返済することになります。
銀行等は、この利息と安定した運用を
目当てに国債を購入しているわけです。
これは、日銀においても同様です。
日銀が引き受けた国債分にも
当然利息を支払うことになります。
ですが、ここに重要なポイントがあります。
日銀は、政府が55%の株式を保有する
政府の連結子会社なのです。
ですから、日銀が得た利益は国庫納付金として
政府に納められるのです。
つまり、政府が国債の利息を日銀に支払い、
その分の金額を日銀が政府に返しているのです。
加えて、もう一つポイントがあります。
日銀は日本銀行券、
すなわち日本円を発行することができます。
日銀の国債の購入は、
日本円を発行して行っているのです。
つまり、日銀が国債を引き受け続ける限り、
利払いは実質ゼロになるわけです。
さらに、日銀は国債の償還時期を迎えても、
そのまま買い換えますから、
政府が返済を迫られることはないのです。
●実は政府は資産もある!
国の借金が大量にあると
感じている人が多いと思いますが、
実は政府は多額の資産も保有しています。
平成28年度末における
国の資産合計は672.7兆円。
借金と同じように換算すれば、
国民1人あたり約531万円の
資産を持っていることになります。
意外に思われる方も多いのではないでしょうか?
国の借金が、1,087兆円だとすると、
その半分以上の資産を持っているわけです。
ちなみに、資産の内訳は、
現預金、有価証券、貸付金、出資金等の
比較的換金可能な金融資産が約半分、
有形固定資産、運用寄託金などの
換金に時間がかかるものが約半分といった状況です。
マイホームを買った人などはよくわかると思いますが、
数千万の借金を何十年もローンを組んでいる方も多いと思います。
では、その人は「破たんする」でしょうか?
全く違いますよね。
むしろ、その資産を担保に
お金を借りたりもすることができる
担保にもなるものです。
万が一の際には、
資産であるマイホームを売却すれば良いのです。
つまり、国の資産も
同様に考えることができるわけです。
●事実上の資産はプラスマイナスゼロになっている
これまで説明してきた通り、
政府の発行する国債は
半数近くを日銀が保有したことで、
事実上の借金は半減しています。
さらに、もう半分に相当する
国の資産がありますから、
実質の国の資産はプラスマイナスゼロ
になっているわけです。
最近、IMFが注目の発表を行いました。
「IMFの財政モニター2018年10月 公的資産管理」(英文)
https://www.imf.org/en/Publications/FM/Issues/2018/10/04/fiscal-monitor-october-2018
その中で、「日本の負債額はGDPの283%に相当するが、
その半分以上を日本銀行を含めた政府機関が抱えており、
他の資産も考慮に入れて試算すると、
日本の「純資産」はほぼプラスマイナスゼロになる」
としています。
この考え方は、負債だけに焦点をあてた現在の見方から、
より公平で正確な評価をするもので、
今後注目されることになりそうです。
以上、いかがでしたでしょうか。
国の借金1000兆円の裏には、
その半分が連結子会社の日銀から借金となっており、
さらに670兆円以上の資産があるため、
事実上の純資産はプラマイゼロ、
という状況であることがお分かり頂けたと思います。
実は、財務省もこうした状況は当然把握しています。
ですが、あえてそうした情報は発表してきていません。
その理由は、「増税するためには都合が悪い」
からに他なりません。
借金を国民1人あたりで換算するのであれば、
同様に資産についても行うべきでしょう。
では、なぜ財務省は国民をだますような形
をとってまで増税したいのでしょうか。
それは、また別の記事にまとめたいと思います。
それでは、また次回宜しくお願いします。