お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは、
「TPP」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■第一回TPP委員会開催 各国の思惑とは?
1月19日、都内でTPP閣僚級会合
「第一回TPP委員会」が初めて開かれました。
日本が主導して進めてきたTPP11ですから、
政府には「ようやくここまで来た」
という万感の思いがあるように思います。
ですが、国内に根強い反対があったり、
各国の様々な思惑があったり、というのも事実。
日本は本当にこれでよかったのでしょうか?
まとめてみます。
●TPP発効後の初会合、都内で開催
まずはニュースからです。
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TPP、発効後初の閣僚会合、加盟国拡大を議論
多国間の枠組みで保護主義に対抗へ
2019年1月19日 14:10 産経新聞
https://www.sankei.com/economy/news/190119/ecn1901190017-n1.html
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国は
19日、東京都内で発効後初となる閣僚級会合
「第一回TPP委員会」を開いた。
加盟国・地域の拡大に向けた手続きのあり方などを
議論し、終了後に共同声明を発表する。
参加国を増やすことで、アジア太平洋地域における
自由貿易圏を拡大し、米国発の保護主義に
対抗する狙いだ。
安倍晋三首相は閣僚会合の冒頭、
「不満や不安がときに保護主義への誘惑を生み出し
国と国との間に激しい対立を生み出すが、
私たちは時計の針を決して逆戻りさせてはならない」
と述べ、米中の貿易戦争を念頭に、
自由貿易圏の拡大に強い意欲を示した。
TPPには、タイやコロンビア、英国のほか、
韓国、台湾、インドネシアといった国と地域が
参加に関心を示している。
現在、新規加盟が最も有力視されているのはタイ。
タイの新規加盟申請は下院総選挙後となる予定だ。
2月末と想定されていた総選挙は、
延期の公算が大きくなっているが、
今年前半にも新規加盟に向けた交渉が
始まる可能性がある。
11カ国の合計で国内総生産(GDP)が
世界全体の13%を占める
巨大な自由貿易圏に参加する意義は大きい。
域内で工業製品や農産品の関税が撤廃・削減され、
貿易や投資に関する共通のルールにより、
経済活動の活性化が見込まれるからだ。
日本にとっても参加11カ国でGDPを
年7兆8千億円押し上げると試算するが、
参加国が増えることで、
さらなる経済効果の上積みが期待できる。
TPPは11カ国のうち、これまで国内手続きを終えた
日本やメキシコなど7カ国で既に発効し、
残り4カ国も国内手続きを終え次第、発効する。
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今回初めて開催された「第一回TPP委員会」では、
アジア太平洋地域における
自由貿易の共通ルールを確立した事の意義と、
それに賛同する国にはオープンに受け入れていく事を
声明として取りまとめています。
また、声明の中でも
「最近の保護主義的傾向への懸念の高まりの中で、
効果的で、開かれた、包摂的な、ルールに基づく
通商システムという原則を維持し、
更に強化していくことが最重要である」とし、
米国・中国に対するけん制も明文化されました。
参考)2019年1月の東京における第一回TPP委員会についてー内閣官房 https://www.cas.go.jp/jp/tpp/tpp11/index.html#iinkai1
では、各国はどのように見ているのでしょうか。
●各国の思惑が渦巻く
日本にとって米国抜きのTPP11を
推進してきた最大の理由は、
米国へのけん制にあったと思われます。
政府はTPPを推進する理由の1つとして、
日米2国間での自由貿易協定(FTA)では
どうしても不利になってしまうことを挙げ、
だから米国を含む多国間協議TPPに
参加する必要があるとしてきました。
その後、トランプ政権に代わり
米国がTPPを離脱しても、
日本はそれまで以上にTPPを推進してきました。
名実共に日本が主導してきた
と言っても過言ではないでしょう。
その理由は、米国をもう一度TPPへ
引き戻したいという期待と、
TPPレベルの協定を確定して
ベースラインとして国内外に周知させたい
という考えだったようです。
そうした努力も結果として見れば、
対米においては最悪のシナリオ
になっていきそうです。
実は、今月以降に日米のFTA交渉が
開始されることになっています。
政府はその事実をあまり公にしたくないらしく、
物品貿易協定(TAG)などと呼び
「FTAとは全く異なる」と詭弁を弄していますが、
実際は米国主導のFTAそのものです。
そこでは、米国からは
日米の自動車輸出入の格差をネタに
農産品の輸入拡大を迫られることになりそうです。
また、日本のもう一方の狙いである
中国へのけん制は一定の効果が期待できそうです。
事実として、中国は
一帯一路構想・海洋国家構想などをベースに
新興国への経済・軍事進出を進めてきており、
中国主導の独自経済圏が
広がってきた背景があります。
その手口は、新興国へ返済できないレベルの
多額の融資を行い、返済できないことを理由に
中国に有利なルールを強要するもので、
中国が国外に設けた軍港は
オーストラリア、ミャンマー、スリランカ、
パキスタン、オマーンなどを含み
既に30カ所を超えています。
TPPは投資環境を整備することで、
新興国への投資がクリーンでオープンなものにし、
中国の経済・軍事侵略を一定程度抑止する効果がある
と見られています。
参加する多くの新興国は、
もともと米国への輸出や投資の期待を
中心に考えていたようですが、
安全保障面からもTPPが重要である
との認識を持ちつつあるようです。
他方で、参加検討すら進んでいないのは韓国です。
本来であればアジア圏の自由貿易には
積極的に参加してしかるべき
資本主義国の韓国ですが、
国内で意見対立が続き、
未だにまともに検討すら
進んでいない状況にあります。
その理由は、中国からの圧力の懸念です。
TPPはまさに中国包囲網ですから、
それに参加することは中国へ反旗を翻すことに
なりかねないわけです。
近年では、在韓米軍へのTHAAD配備を巡って、
中国が韓国に外交・経済面で圧力をかけ、
即座に屈したことが
記憶に新しいのではないでしょうか。
韓国は歴史上ずっと中国の属国でしたから、
中国の“ご意向”に反する考えを
持てないのかもしれません。
そういった意味では、韓国が参加する可能性は低く、
また参加するにしてもかなり先の話になりそうです。
また、イギリスはTPPへ関心を示しているようです。
1月9日からイギリスを訪問した
安倍総理の目的の1つに英国のTPP参加について
意見交換があったようです。
イギリスは、EU離脱交渉が難航しており、
EUとの交渉が不調であるに加え、
国内ですら方針がまとまらない状況にあります。
そうした中で、EU離脱のデメリットを
TPP加盟で補うような考えがあるようです。
また、英国国防相が昨年末に
「シンガポールあるいはブルネイに
軍事基地を建設する」
意向を表明しています。
その理由は、EU離脱により英国は
「第二次世界大戦終結以来、
最も重要な時期を迎える」との認識を示し、
「経済的利益のある場所では
軍事的プレゼンスが必要だ」と語ったようです。
そう言った意味では、
英国がアジアの経済圏へ加わって行こうと
本気で考えていると言えそうです。
このように第一回TPP委員会で
“クリーンでオープンな声明”を掲げた裏では、
各国の様々な思惑が渦巻いている状況のようです。
以上、いかがでしたでしょうか。
「TPPにはブレずに断固反対」
だったはずの自民党ですが、
気がつけば最も推進している国
になっていたことを考えると、
なんとも言えない気持ちになります。
とは言え、中国の世界侵略の動きを見ると、
誰かが自由貿易を推進しなくては
ならなかったでしょうし、
その主体はやはり日本しかなかったのも
理解できます。
ですが、TPPによるGDP押し上げ効果は
2.5%程度が見込まれているようですが、
農林業など一部の業界においては
大打撃となるのは間違いありません。
また、TPPから離脱した米国とのFTA交渉により、
さらなる打撃が予想されますから、
決して手放しで喜べる状況にありません。
そう言った意味では、TPPを巡る一連の動きで
国際政治の難しさを象徴するもの
になった気がします。
いずれにしても今後も注目していきましょう。
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