お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。
さて、今回のテーマは、
「エイベックスの新決済サービス」
についてです。
しっかりチェックしておきましょう!
■エイベックスが決済サービス!? その思惑とは?
エンタメ業界の雄、エイベックスが
決済サービス市場に参入するようです。
その理由は何なのか?
そこから見えてくる戦略について、まとめてみます。
●エイベックスが決済サービス!?
まずはニュースからです。
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エイベックス 決済参入…アプリ 夏にも
2019年2月10日 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190210-OYT1T50070/
ポイント優遇…ファンの関心分析
音楽大手エイベックスが今夏にも、
スマートフォン決済サービスに参入する。
アーティスト限定グッズやライブなどに使える
ポイントの付与が特徴で、
音楽ファンの取り込みを図る。
他の音楽会社などにも参加を呼びかける。
インターネット音楽配信の普及で、
顧客データは米アップルや
米アマゾン・ドット・コムといった
巨大IT企業に偏りやすくなっている。
決済やポイントで顧客情報を集め、
サービス充実につなげる。
エイベックスが始めるのは、
スマホ決済用アプリ「エンタメウォレット」。
店舗やオンラインで使える電子マネー
「エンタメコイン」の利用金額に応じて
ポイントが付与される。
好きなアーティストの動画を視聴したり、
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で
記事をシェア(共有)したりした際にも
ポイントを与える。
たまったポイントは、限定グッズとの交換や、
特別イベント、ライブへの招待券などに
使えるようにする。
エイベックスは
2022年に決済高4,500億円規模を目指す。
ポイント付与を通じてファンの行動や
関心などを読み取り、ライブやイベントなど、
楽曲販売以外の消費につなげる狙いがある。
他の音楽会社や芸能事務所などにも
広く参加を呼びかけ、顧客データは独占せず、
それぞれの参加事業者に還元するという。
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記事にあるように、エイベックスが
スマホ決済サービス「エンタメコイン」
を開始するようです。
その時期は、2019年4月を予定しているようで
既に子会社「エンタメコイン株式会社」を設立し、
サービスサイトを立ち上げ、
準備を進めているようです。
エンタメコイン株式会社の有田雄三社長によると、
エンタメコインを立ち上げたきっかけは
「コンサート会場でのグッズ販売」
の原体験にあったようです。
「暑い中、コンサート会場の外のグッズ売場で
現金を握りしめ長蛇の列に並ぶファンの方々の
ストレスをなくしたいと思っていました」
と語っています。
実際の決済方法は、
「プリペイド決済システム」となっており、
顧客が事前にエンタメコインを購入し、
それを使って支払いができるというもの。
前払方法には、銀行入金やクレジットカード入金、
コンビニATM入金など5つの入金方法が用意され、
実際の対面決済ではQRコードを使用するようです。
近年のこうした決済システムの仕組みは、
ほぼ横並びで似たようなものとなっており、
昨年末に20%~全額キャッシュバックで
話題となったPaypayなどと
同じような仕組みになっています。
そう言った意味では、
「もうこれ以上いらない」と思う方も多いはず。
なぜ後発ながらも算入が後を絶たないのでしょうか?
●エンタメ業界特有の特徴
エイベックスのエンタメコインには、
後発ならではの工夫があるようです。
その工夫とは独自のポイント制度「エール」。
「エール」というアーティストを応援する愛情値を
示すポイントは、どれくらいお金を使ったかという
キャッシュバック的なポイント付与だけではなく、
お金の絡まない「応援熱量」と組み合わせて
算出される仕組みになっているとのこと。
具体的には、アーティストの曲を歌ったり、
動画サイトで曲を聴いたり、
SNSでシェアしたりといった日々の応援活動で
ポイントが貯まるような
仕組みになっているようです。
まだ詳細についてはわかりませんが、
アーティストとファンとを囲う経済圏を
創りだそうと考えていると思われます。
参考)詳しく知りたいは、プロモーション動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=uA-075GN248
実際問題、日本のエンタメ業界は
デジタル化推進に大きく立ち遅れており、
音楽業界はCDなどのショップセールスに
引きずられてきた結果、音楽ダウンロードなどは
他業界のプラットフォーマーに
その座を明け渡してきた経緯があります。
例えば、音楽ダウンロード販売全盛期には、
数十パーセントの手数料が搾取され、
音楽の定額配信が主流となりつつある現在は、
プロモーションの一環と捉えるぐらいの
立ち位置になりつつあります。
実際のところエンタメの収益構造は、
ライブなどのコンサート売上に
集中せざるを得ない状況にあったわけです。
恐らくこの「エンタメコイン」は、
そうした状況への「最後の叛逆」
と言えるのではないでしょうか。
他業界のプレイヤーに取られていた
中間マージンを取り返すことで
アーティストへの還元、
ひいては業界全体の盛り上がりにつなげていきたい
という考えが見えてきます。
そしてその考えは、
「エンタメコイン」
という名称からも読み取れます。
多くのプラットフォーマーが始めている
決済サービスは、そのほとんどが
独自のブランドや固有名詞
を使ったものになっています。
例えば、AppelePay、GooglePay、
dポイント、au WALLETなど。
そんな中で一般名詞の組み合わせで作られた
「エンタメコイン」という名称は、
「抵抗感なく幅広く使ってもらいたい」
という考えが読み取れるのではないでしょうか。
2022年には4,500億円規模の決済高を目指す
としていますから、どこまで普及できるかが
これからの勝負となるでしょう。
以上、いかがでしたでしょうか?
このエンタメコインに見られるように、
今後も多くの決済サービス
が登場してくると思われます。
1人のユーザーとして見れば、
Suicaだけあれば十分と思ってしまいがちですが、
特有のメリットが提供されるサービスが
増えてきそうです。
そう言った意味では、お金の使い道に応じて
決済サービスを使い分けるのも
賢い選択なのかもしれませんね。
それでは、また次回、宜しくお願い致します。