お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは、
「米FRBの利上げ見送り」
についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

米FRBが年内の利上げ見送り 日本への影響は?

米FRBが年内の利上げ見送り 日本への影響は?

米国の中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)が
年内の利上げを見送る方針を示しました。
以前から利上げを抑制する方針は示していましたが、
年内ゼロ回になると予想していた人は少なく、
市場からは驚きと共に様々な反応が起きているようです。

日本経済にも大きな影響を及ぼすことになりそうですから、
チェックしてみてください。

●米FRBが「年内の利上げ停止」へ

まずはニュースからです。

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「ことしは利上げ行わず」経済成長鈍化で 米FRB

2019年3月21日 3時21分 NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190321/k10011855511000.html

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、
アメリカ経済の成長が鈍っているとして、
ことしは1回も利上げを行わずに
景気に配慮していく姿勢を示しました。

FRBは20日までの2日間、ワシントンで
金融政策を決める公開市場委員会を開きました。

委員会のあと、FRBは声明を発表し、米中の貿易摩擦や、
中国やヨーロッパなど世界経済の減速を背景に、
アメリカ経済も「成長が鈍っている」
として景気判断を引き下げました。

またことしの経済成長率についても
これまでのプラス2.3%の予想を2.1%に引き下げました。

この結果、FRBは、景気に配慮して
政策金利は現状のまま変えず、
2.25%から2.5%の範囲に据え置くことを決めました。

そのうえで今後の利上げの見通しも修正し、
去年12月の時点ではことしは2回利上げを
行うとしてきましたが、今回、
ことしは1回も利上げしないという想定を示しました。

さらにFRBは、これまで市場にあふれさせた
大量の資金を徐々に減らしていく政策も
ことし9月末に停止することを発表し、
一連の対応で景気に配慮する姿勢を鮮明にしました。

中国、ヨーロッパ、日本など各国で
景気減速が懸念される中、
これまで世界経済の成長をけん引してきた
好調なアメリカ経済も先行きに警戒感が高まっています。

FRB議長「米景気は予想より鈍い」

FRBのパウエル議長は記者会見で、
アメリカ経済の景気判断を引き下げたことについて
「景気は底堅いペースで拡大を続けるとみているが、
予想より成長の勢いは鈍っている。
イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱の協議や、
米中の貿易交渉といった未解決の政治問題も
先行きのリスクだ」と述べ、景気の先行きに配慮するため、
当面、利上げを見送る考えを強調しました。

ダウ平均株価 一時上昇も終値は100ドル超下落

FRBの決定を受けて、ニューヨーク株式市場の
ダウ平均株価は一時、急上昇しましたが、
その後は、アメリカ経済の先行きに対する不安が
改めて意識されたため値下がりに転じ、
終値は100ドルを超える下落となりました。

20日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、
前の日に比べて141ドル71セント安い
2万5745ドル67セントでした。

この日、ダウ平均株価はFRBの決定内容が伝わると、
当面、景気に配慮した政策が続く
として株価は急上昇しました。

ただ、その後はアメリカ経済の先行きに対する不安が
より強く意識されたほか、低金利が続けば
収益が上がらないとして金融関連株が大きく売られ、
結局、値下がりしました。

一方、外国為替市場では、
当面、低い金利が続くドルを売って円を買う動きが出て、
円相場は1ドル110円台半ばまで円高ドル安が進みました。

市場関係者は「年内の利上げはないというFRBの決定は
景気に配慮する姿勢がさらに強まって
サプライズと受け止められ、買い注文につながった。
しかし景気見通しを下方修正したことは
アメリカ経済の先行き不安を強めることにもなった」
と話しています。

来年は1回の利上げを想定

FRBは、3か月に1度、パウエル議長をはじめ
金融政策を決める会合の参加者が今後、
何回くらいの利上げを想定しているかを公表しています。

個別の判断をみますと17人の会合の参加者のうち
過半数の11人が、ことしは利上げしない
という考えでした。

また来年については、これまでと同じ
年1回の利上げを想定しています。

2021年は利上げをしない想定となっています。

また長期的にはどのくらいの政策金利で落ち着くか
という見通しはこれまでと変わらず2.75%で、
あと2回程度の利上げが望ましい水準だと考えています。

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今回のFRBの利上げ見送りは、
利上げペースを減速する方針を示していたものの
市場の予想を上回る大幅な変更となりました。
これまで市場では年2回が中心シナリオで、
少なくとも年1回の利上げは
織り込んでいる感がありましたが、
今回の発表で今年は0回、来年は年1回を想定となり、
市場からは大幅な見直しとして
捉えられることになったようです。

そこまで見直さざるを得なかったのは、
米中貿易戦争の影響を含め
今後の世界経済の先行き不透明感を受けて、
米国経済の見通しも悪くなってきた
と考えたからのようです。

また、FRBは以前からトランプ大統領から
利上げ停止の圧力を受けていたこともあり、
「FRBがトランプの圧力に屈した」
との見方もあるようです。

いずれにしても、今回のFRBの発表は大きな波紋を呼び、
早速様々な反応が出始めています。

●過去はどうだったのか?

そもそも米国が利上げを行うと
どのような影響があるのでしょうか。
過去を振り返って確認してみましょう。

米国は2008年のリーマンショック以降、
ゼロ金利政策を実施し、国債を大量に買い入れる
量的緩和を段階的に行い、
市場に資金供給を増やしてきました。

その結果、米ドルの魅力が低下し、
余った資金が新興国などに流れ込み
新興国の発展に大きく寄与したと言われています。

その後、2015年にFRBはゼロ金利政策を解除し、
金利引き上げに舵を切ります。

すると、新興国へ逃げていた資金が
再び米国へ集まりだすことになりました。

新興国では資金流出が問題となり新興国の経済が停滞、
投資家は安全資産を求め日本円などに避難し、
円高が進むことになりました。

このように過去の例を見ると、
米国が利上げを行えば、
ドル高となり米国に資金が集まり、
利下げを行えば、ドル安となり
米国から資金が流出しています。

では、今回の「利上げ停止」は
どのようになるのでしょうか。

●米利上げ停止でどんな影響が?

市場の反応を見ると、
早速ドル安への動きが始まっています。

FRBの発表後、対ユーロ・円ともに
ドル売りの傾向が優勢となっており、
しばらくの間はドル売りの傾向が続く
と見られているようです。

一方で、ユーロはブレグジット問題が
喫緊の課題となっており、
その状況次第では大幅なユーロ安
となる可能性も含んでいるので、
単純にドル売りとはならないとの見方も根強くあります。

そうなると、日本円に買い圧力が
集中してきてしまうことになるため、
円高傾向が徐々に強まる可能性が高いと言えそうです。

当然日本株への影響も出始めており、
日経平均株価は下げに転じ始めています。

今後、円高傾向が続くとなれば、
日本株にも悪影響が強まってくることになりそうです。

また、資金流出に悩んでいた新興国は、
FRBの利上げ停止を受けて資金流出の圧力が弱まり、
追い風が吹きこんでくることになりそうです。

新興国の経済が好転すれば、現状の先行き不透明で
停滞する世界経済をも好転させる可能性がありますから、
全体的に見れば今回のFRBの判断は妥当だと思います。

以上、いかがでしたでしょうか。
米国のFRBの利上げ停止の影響は、
これから大きな影響を及ぼすことになるはずです。

全世界的に見ると良い方向になりそうですが、
こと日本経済にとっては
手放しで喜べない状況になりそうです。

少なくとも円高傾向になることは間違いなさそうですから、
日銀が一層の金融緩和などで
対策を講じない限り窮地に陥る可能性もあります。

そう言った意味では、今回のFRBの利上げ停止で
一番圧力がかかったのは日銀なのかもしれません。

いずれにしても、今後どのように推移するか
見守っていく必要がありそうです。

それでは、また次回、宜しくお願い致します。