お世話になってます!
さすらいの情報収集家Kです。

さて、今回のテーマは、
「新紙幣デザイン」についてです。
しっかりチェックしておきましょう!

新紙幣デザイン発表 賛否様々な反応

■新紙幣デザイン発表 賛否様々な反応

新元号に続き、今度は新紙幣のデザインが
発表されました。
発表されたのは2千円札をのぞく
全ての紙幣と500円硬貨で、
紙幣の刷新は20年ぶりになるようです。

一体どのような目的で刷新されるのでしょうか、
また新デザインには賛否様々な反応がでているようです。
まとめてみます。

●新紙幣発表、20年ぶりに刷新

4月9日、財務省が新しい日本銀行券と
500円貨幣の発行を発表しました。

その目的は、偽造抵抗力の強化等で、
慣例的に約20年を目安に
デザインの刷新を行ってきました。

新デザインには、従来の偽造防止対策を
さらに向上させた新技術を導入しつつ、
ユニバーサルデザインを考慮し、
指の感触で識別できるような配慮や
外国人でもわかりやすいように
額面のアラビア数字を大型化するなどの配慮をしています。

また、図柄については、明治以降の文化人から選定し、
精巧な写真が入手できる人物、品格のある顔、
国民各層に広く親しまれている、
学校の教科書に載っているなど
広く認められているなどを考慮して人選したとのこと。

券 種 表(肖像)
新一万円券 渋沢栄一 東京駅(丸の内駅舎)
新五千円券 津田梅子 フジ(藤)
新 千円券 北里柴三郎 富嶽三十六景 ※

※富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(葛飾北斎)

新紙幣デザイン:一万円札

新紙幣デザイン:五千円札

新紙幣デザイン:千円札

特に紙幣については、
最先端技術を用いたホログラムを導入し、
肖像の3D画像が回転するもので、
銀行券への採用は世界初となるようです。
発行時期は、2024年度上期を目途としています。

また、500円硬貨については、新規技術である
バイカラー・クラッド(二色三層構造)などを導入し、
偽造防止に努めているようです。
発行時期は、2021年度上期を目途としています。

新五百円硬貨説明

●採用された人物はどんな人?

いずれも国内だけでなく世界的に評価された偉人です。

新一万円券:渋沢 栄一(しぶさわ えいいち)1840~1931

日本資本主義の父、日本経済の近代化の最大の功労者。
第一国立銀行、東京株式取引所(現 東京証券取引所)、
東京商法会議所(現 東京商工会議所)、キリンビール、
東洋紡績など多種多様の企業の創設に関わり、
生涯に約500もの企業の設立等に関わったといわれ、
実業界で活躍。

それだけの企業創設に関わりながらも、
渋沢は「私利を追わず公益を図る」を信条にし、
自分自らの財閥を作らなかったことが
高く評価されています。

また、教育・社会事業・民間外交にも尽力しており、
養老院の院長を務めたほか、東京慈恵会、
日本赤十字等の設立にも関わっています。

現在でも東京証券取引所の証券史料ホールには、
渋沢栄一のパネルが展示されており
「近代日本資本主義の父」と紹介されています。

現代経営学の発明者と称されるピーター・ドラッカーは、
自身の著書「マネジメント」の中で渋沢について言及し、
「率直にいって私は、経営の『社会的責任』について
論じた歴史的人物の中で、かの偉大な明治を築いた
偉大な人物の一人である
渋沢栄一の右に出るものを知らない。
彼は世界のだれよりも早く、
経営の本質は『責任』にほかならない
ということを見抜いていたのである」と述べ、
渋沢栄一が世界的にも最も先進的なリーダーであった
と指摘しています。

新五千円券:津田 梅子(つだ うめこ)1864~1929

日本初の女子留学生、近代的な女子高等教育に尽力。
1871年、岩倉使節団に随行した最初の女子留学生の一人。
1900年に女子英学塾(のちの津田塾大学)を創立するなど、
近代的な女子高等教育に尽力。

津田梅子の名言に「東洋の女性は、
地位の高い者はおもちゃ、
地位の低い者は召使にすぎない」とあり、
当時の女性の扱いがどのようなものであったかが
よくわかります。

彼女は、そうした女性の地位向上を目指し、
「男性と協力して対等に力を発揮できる
自立した女性の教育」を教育理念として掲げ、
尽力したようです。

新千円券:北里 柴三郎(きたさと しばさぶろう)1853~1931

日本細菌学の父、日本医学の発展に貢献。
世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功、
破傷風血清療法を確立。
また、ペスト菌を発見。私立伝染病研究所、
私立北里研究所を創立。後進の育成にも尽力。

北里の功績として、破傷風菌の毒素を中和する抗体を
発見したことが挙げられますが、
それ以上に評価されているのが血清療法の確立です。

当時、あらゆる伝染病に対する有効な原因療法が存在せず、
対処療法が主なものとなっていました。
北里は破傷風治療をするために、
破傷風菌の毒素を無毒化して
少量ずつ少量ずつ注射することで
体内に抗体がつくられ、病気の根治ができることを発見。
これが現在の「血清療法」です。

この血清療法は、破傷風菌にとどまらず、
ジフテリアなどにも応用できたため、
海外の研究者などに取り上げられ
世界的な名声を博しています。

●発表と同時に賛否が分かれる

発表と同時にネットでは否定的な意見が多くみられました。
その内容は主に次のようなもの。

【ネットの否定的な意見】

  • 数字がでかすぎる
  • ダサイ
  • 品がない
  • 数字のフォントが安っぽい
  • おもちゃの紙幣みたい、外国紙幣みたい

特に新紙幣に大きく表示された
アラビア数字について否定的な意見が多く、
中でも数字のフォントが不評のようで、
Twitterでは「数字のフォント」がトレンド入りするほど。

従来の紙幣では、漢数字表記が
大きく中央に配置されていましたが、
新紙幣では漢数字は隅においやられてしまいました。

これはユニバーサルデザインを考慮した結果なのですが、
それが不評の原因となってしまったようです。

一方で、賛成意見も少なからずあります。

【ネットの肯定的な意見】

  • 数字が大きくて見やすい
  • 一万円札と千円札の「1」が違っている。
    区別しやすく配慮されてる
  • 外国人にも配慮されていて良い
  • 渋沢栄一とか、埼玉県民歓喜

賛成意見は比較的多様性に配慮されたデザインが
好評を得ているようで、特に高齢者などからは
数字が大きくなって見やすい点が評価されているようです。

●やはり難癖をつける声も

もはや恒例行事のようですが、
政府の発表に難癖つける人々がいるようです。

その内容は、主に次ようなもの。

「新紙幣の前倒し発表は、政府の政治利用だ」

前倒しで発表した理由について、
麻生財務相は「紙幣のデザイン決定等を含む
完成までに約2年、その後の自動販売機などの
対応の猶予期間として約2年半を考慮して、
今回のタイミングで発表になった。」と説明しています。

ただ、この発言に対して、
それは自販機などの対応の必要性は
前回の紙幣刷新(2004年)段階でも
同様だったはずとの指摘に対して、
「前回は偽札が増えてきていた背景もあり
対応が急務だったため短期間の対応となった」
と回答しています。

政治利用の側面がないとは言えませんが、
発表されたデザインはまだ未確定であり
財務相の回答は一定の合理性があるのではないでしょうか。

「渋沢栄一は韓国侵略の代表的人物。韓国への配慮が欠けている。」

韓国メディアやそのシンパがこぞって言及しています。
実は、渋沢栄一は日本統治下にあった韓国で、
日本の株式会社第一銀行
(第一勧銀を経て、現在はみずほ銀行)の
韓国総支店で発効された紙幣に採用されていました。

旧第一銀行券

この第一銀行券は、韓国政府公認紙幣として
流通していたという経緯があるのです。
そしてそれは、近代韓国での
はじめての「紙幣」であったことから、
韓国から見れば「最初の紙幣の肖像画が日本人」
という屈辱的な歴史と捉えているようです。

実は、韓国メディアが日本紙幣に難癖をつけたのは
これが初めてではありません。
旧千円札の伊藤博文の頃には、
韓国の英雄「安重根」が暗殺した
伊藤博文を日本侵略の象徴として非難。
福沢諭吉の1万円札についても、
「脱亜論」等で朝鮮侵攻を扇動した人物として
非難していました。
そう言った意味では、「韓国への配慮が欠けている」
という指摘は韓国から見れはそうみえるかもしれませんが、
逆に日本紙幣のデザイン考案が
「国外の政治的意図に配慮した」
となればそちらの方が問題となることを考慮すれば、
やむを得ないのではないでしょうか。

どんなことでも少なからず反対意見がでてくるものです。
新元号にしろ、新紙幣にしろ、決めたことであれば
臆することなく進めることも大切なのかもしれません。

以上、いかがでしたでしょうか。
突然の感のあった新紙幣のデザイン発表。
「誰なの?」という声が多かったですが、
調べてみるとやはり納得の大偉人であることが
よくわかりました。

今のうちに渋沢などのトリビアを覚えておいて、
さらっと披露するとカッコイイかもしれませんね。