お世話になってます!
現役税理士諜報部員のDです。
さて、今回も引き続き、
「配偶者短期居住権および配偶者居住権」
というテーマでお話していきます。
<前3回:下記リンク参照> ※①はじめに ※②それぞれの説明 ※③配偶者居住権創設の経緯
■④配偶者居住権の活用事例
前回は「配偶者居住権」の
創設される経緯についてお話をしました。
今回は、より詳しい話として、
「配偶者居住権」の活用事例等について
説明を進めていきます。
●前回の簡単なおさらい
今までは、配偶者が引き続き自宅に居住し続けることを
保障する法定の権利は存在しませんでした。
そのため、配偶者がその後も自宅に居住し続けるには、
- 相続で所有権を得る
- 所有権を得た人との間で賃貸借契約等を締結する
ということが必要でしたが、
どちらも配偶者にとっては負担が大きいものであり、
配偶者に従前どおりの生活を
保障するための制度が必要となり、
配偶者居住権が新設された、ということです。
●配偶者居住権の活用事例
配偶者が配偶者居住権を取得した場合、
その財産価値は相続分の計算に
算入されることになりますが、
この財産価値は、自宅の所有権を
そのまま相続した場合よりも低額になります
(具体的な計算方法は割愛します)。
なので、その分、配偶者は現預金等の財産を相続し
生活資金に充てることが可能となるのです。
さらに、再婚で連れ子が存在するようなケースで、
相続発生後も配偶者を自宅に住み続けさせたいが、
配偶者の死後は自分と血のつながりのある子に
自宅を譲りたいと考えている場合についても、
配偶者居住権の利用が考えられます。
このようなケースで、
「自宅の所有権は配偶者に相続させる。
配偶者の死亡後は(自分と血のつながりのある)
子Aに相続させる。」
と遺言で定めることも考えられますが、
このような遺言は、配偶者の財産にまで
及んでいるため無効と考えるのが一般的です
(家族信託であれば可能かもしれませんが)。
そこで、「自宅の所有権は子Aに相続させ、
居住権は配偶者に取得させる。」
と遺言で定めることで対応できるでしょう。
●配偶者居住権の成立要件
最後に配偶者居住権の成立要件
についてご紹介します。
まず、当たり前ですが、
被相続人が自宅の所有者であったこと、
そして配偶者が自宅に居住していたこと。
また、自宅が配偶者以外の者との
共有になっていないことです。
(例えば、被相続人の子との
共有になっているようなケースでは
配偶者居住権は認められません)。
配偶者短期居住権および配偶者居住権の施行日は
2020年4月1日からとなります。
配偶者居住権を取得した配偶者が
死亡した場合(二次相続発生)の
配偶者居住権の評価方法や
配偶者居住権が登記(配偶者居住権は登記事項となります)
された建物が競売にかけられた場合の対応など、
まだ疑問がのこる問題もありますが、
今後の実務では頻繁に登場してくるであろう
改正でしたのでご紹介させていただきました。
さて、今回は以上です。
今回は4回にわたって、
- 配偶者短期居住権
- 配偶者居住権
についてお話を進めてきましたが、
いかがでしたでしょうか?
新しい法律等が出てくると、
今まで知識だけでは応対が難しくなるため、
相続の対策等にも影響が出る場合があります。
もし、もっと詳しい話を
今のうちに税理士と進めておきたい!
ということであれば、
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それでは、また次回宜しくお願い致します。