こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さて、今回のテーマは、
「闇営業」
に関する内容でお話をしていきたいと思います。
昨今、頻繁に話題に上がる内容ですが、
内容を勘違いされている方も多いですので、
是非、チェックして頂ければと思います!!
■芸能人による闇営業問題
2019年6月初旬、某お笑い芸人が
所属芸能事務所を通さずに他のお笑い芸人の仲介を行い、
さらに、その営業相手が振り込め詐欺グループだった
ということが発覚したため、
所属芸能事務所から契約を解除されたという
報道が一斉に流れました。
そして、この問題は契約解除されたお笑い芸人だけでなく、
仲介されて現場の営業に訪問した芸能人にも飛び火しました。
仲介されたお笑い芸人たちは当初、
「お金は貰っていない」という主張でしたが、
実際には謝礼もきちんと支払われており、
営業を行った対象が振り込め詐欺グループだったかは
現地で判別が出来なかったにしても、
反社会的組織向けの闇営業があったことは事実となりました。
そのメンバーの中には、人気TV番組の
レギュラーも務めるメンバーも含まれていましたが、
全員が謹慎等の処分を受け、出演番組も差替え・編集される
という状況になっています。
ここまでは、みなさんご存知の状況だと思います。
ただ、この問題、どのポイントが悪いのでしょうか?
「闇営業」という言葉が出てきてしまったので、
その言葉のイメージから全てが一緒くたにされ、
「闇営業が悪い!」
「闇営業をするなんて最低だ!」
という話まで出ているので、
まずはきちんと整理していきたいと思います。
●闇営業とは?
まず、「闇営業」についてです。
この「闇」というワードがついてしまったため、
闇営業自体が悪いこと、法律にひっかかる、
社会通念上宜しく無い、という認識をお持ちの方も
多い印象です。
ただ、この闇営業とは、直営業のことです。
簡単にいうと、自分が所属している芸能事務所等を通さずに、
自ら仕事を取る・受けてしまうということです。
簡易な例で言えば、学生時代の友人が芸能人になっていて、
個人的に頼んでイベントに出てもらったとか、
知り合いのアナウンサーに結婚式の司会を
個人的に依頼したとか、こういうのと同じです。
上記の例は、対象の芸能人が芸能事務所に所属していて、
且つ個人的に受けている仕事なのであれば、
「闇営業」です。
この説明でわかる通り、闇営業自体は
法的には何の問題もありません。
どんな芸能人、タレントでも副業が禁止されている
わけではありません。
実際、芸能の仕事だけで生計を立てられない人は、
お笑い芸人だけでなく、バンドマンとか、
役者とか、モデルとか沢山存在していますが、
殆どがアルバイトをしていたり、
中には企業に正社員として勤めていたりする人もいます。
なので、副業が問題では無いんです。
この闇営業で問題があるとすれば、
所属芸能事務所との契約関係の問題です。
芸能に関わる活動、例えばTVやラジオ、イベント等で、
事務所毎にどこまで制限があるかわかりませんが、
タレント(お笑い芸人)として活動する仕事は、
所属の芸能事務所を通さなくてはならない、
という契約を結んでいる(ということが濃厚)なので、
問題に上がっているということです。
一般の会社員に例えるなら、
就業規則に違反した内容を行った為、
会社から処分(訓告・減給・降格・解雇等)を
受けているというような話です。
勤め先企業との約束を守らなかった点は宜しく無いので、
本人が勤務先から罰則を受ける可能性はありますが、
就業規則違反が法律違反では無い
ということと同じです。
●今回の闇営業、何が問題なのか?
今回の問題ですが、普通の闇営業なのであれば、
要はただの直営業ですから、
対象のメンバーが所属事務所に呼び出されて注意を受けたり、
一定期間は仕事を制限されたりといった、
内々の処分で済んだ内容かもしれません。
「あ、あの人最近テレビ出てないな」
程度の話で、メディアや各種週刊誌で
報道すらされないかもしれません。
では、何故この問題がここまでなったかというと、
振り込め詐欺グループとの闇営業だったことです。
要は、「反社会的組織とのつながり」が問題なのです。
「闇営業」という言葉で一緒くたにされがちなのがこの点で、
反社会的組織とのやりとりだから闇営業、ということではなく、
闇営業(=直営業)の相手が、振り込め詐欺グループ
のような反社会的組織、ということが問題なのです。
反社会的組織に対しての取引だと、
芸能人たちが受け取る報酬の元となった資金、
つまり、反社会的組織がお金を稼いだ活動は
非合法である可能性が高いという点、
さらに、そういった組織から闇営業を打診されるような、
個人的な関係があることが問題なのです。
だからこそ、この営業を仲介したメインのお笑い芸人は
処分が最も重い内容である契約解除、
会社で言えば「解雇」となるのです。
そして、今回の問題が発覚したことで
闇営業に参加した芸能人が問題視されているのは、
その営業で得た収入を確定申告に加えていないという点です。
こういった闇営業の現場、さらに相手が反社会的組織となると、
闇営業の報酬は現金で支払われた可能性が高いです。
現金で支払われた報酬は、黙っていれば確かにバレにくいのですが、
芸能活動を行って、それに伴う報酬として受け取ったのであれば、
相手が誰であれ、それは立派な売上です。
確定申告の収入に加え、申告・納税を行わなければなりません。
このような問題がある為、参加したメンバーに関しては、
仲介したお笑い芸人ほど重い処分ではないものの、
活動自粛・謹慎や、実質的にこの活動で得た収入を0にする為に
NPO法人への寄付等を行っています。
会社員であれば、「減俸」、「降格」のような処分です。
●まとめると・・・
今回の芸能人による闇営業問題に関しては、
- 闇営業は直営業なので所属芸能事務所との問題
- 闇営業を行った相手が反社会的組織なのが大問題
- 受け取った報酬を確定申告に加えていないのも問題
ということなのです。
闇営業という言葉のイメージから、
上記の3点が一つの言葉に全て含まれていそうな印象を
受けてしまいがちですが、
実際は、闇営業が大きな問題なのではなく、
その対象である反社会的組織とのつながり、
そして報酬を得たことへの適切な処理が問題ですので、
必要以上に混同しないよう、ご注意ください。
ちなみに、この闇営業に参加したメンバーが
最も多かった大手芸能事務所には、
所属芸能人との契約内容、芸能人への管理、
報酬の配分等、このような闇営業を
所属芸能人に行わせてしまう下地があったのではないか?
という批判も出ています。
実際、この内容をご覧頂いている方の中にも、
「勤務先の給料が低い」、「副業も認めてくれない」、
という不満をお勤めの企業にお持ちの方も
いらっしゃるかもしれません。
ご自身が生活していくためにはお金が必要ですから、
給与が低いのであれば、転職するか、
副業等で他の収入も増やすしかありません。
その中で、就業規則への違反というのは、
ただの個人的なリスクの問題で済むかもしれませんが、
- 反社会的組織への営業、繋がり
- 得た収入の未申告
この2点はどんな状況でもNGなので、
絶対にご注意ください。
もし、勤務先への不満や給与の低さから、
既にご自身で副業や副収入を獲得しているのであれば、
絶対に確定申告が必要です。
概ね、副業や副収入に関しては、
本業の会社員としての給与を超える水準には
中々なっていないと思いますので、
ご自身で確定申告が可能だと思いますが、
ただ、その確定申告に関しても、
- 数年間未申告で放置している分がある
- 売上が大きくなってきたので自分でやるのが大変
こういった理由があれば、
税理士に依頼を検討するのも一つです。
特に、申告をしていない状態での放置は
ご自身にとってリスクでしかありません。
税理士に依頼すれば報酬は発生しますが、
- 専門家なので早期に対処・解決が可能
- 節税等の助言も貰える
といったメリットもあります。
ご自身で出来る範囲であれば、
ご自身で解決頂くのが良いと思いますが、
自分での応対が難しかったり、
今後も継続的に一定の売上が見込めたり、
という状況であれば、早期に税理士への依頼を
考えた方が良い状況です。
税理士が必要だけど、ご自身で見つけるのが難しい方は、
無料で紹介可能な下記サービスへ是非ご相談ください。
税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/
さて、今回の報告は以上です。
また、次回宜しくお願い致します。