お世話になってます!
現役税理士諜報部員のDです。

さて、今回のテーマは
「奨学金返済の肩代わり」
についてのお話です。

奨学金の肩代わりに係る税務関係

■奨学金の肩代わりに係る税務関係

大学の学費として借りた奨学金の返済に
苦労している人は少なくないようです。

返済期間も長いものでは10年を超えるようなものもあり、
大学を卒業しても長い間は返済に追われてしまいます。

そんな状況を踏まえてか、
昨今では、企業が従業員の奨学金の返済を
支援するところも増えてきました。

今回は、企業が個人の奨学金返済を肩代わりする際の
税務関係について考えてみました。

●実際の運用に際しての注意事項

実際に奨学金返済を肩代わりしている状況をみると、
奨学金を返済中である自社の従業員を対象に、
その返済支援という名目で、毎月の給与や賞与とは
別枠の一定額を支給するケースが多いようです。

通常、学資に充てるため給付される金品などは
所得税法上、原則非課税とされていますが、
給与等の性質があるものは課税となります。

したがって、企業が奨学金の返済支援
という名目で従業員に金銭を支給しても、
直接学資に充てられるものではないことから、
一般的には学資金に該当せず、
給与として源泉徴収の対象となってしまいます。

一方、自治体がその地域に暮らす住民や地元企業で働く人に対して、
奨学金の返済支援として一定額を支給する制度もあります。
上記と同じで、原則は学資金に当たらないことになりますが、
奨学金を支援する財団等に自治体が
直接金銭を支払っているような場合には、
学資金に該当することとになりますので、
非課税として差し支えないとされています。

また、企業ではないですが、
親族から奨学金返済の支援を受けた場合には、
原則贈与税が課税されてしまうので、注意が必要です。
ただし、本人が資力を喪失して債務の弁済が困難
と認められる場合には、贈与税が非課税となります。

大学等の高等教育を受ける為に奨学金を利用した人が
多数だと思いますが、実際に返済は大変なものです。
ただ、その奨学金返済の支援を受けたことにより、
税金が発生してしまうこともありますので、注意が必要です。

さて、今回は以上です。

昨今は従業員確保が非常に難しい為、
中小企業でもこういった独自制度を導入して、
若い世代の従業員を確保しようと
検討している企業も増えてきています。

ただし、こういった報酬・給与に関わるような
独自の制度を社内だけで検討して実施してしまうのは、
非常にリスクが高いです。

税理士・社会保険労務士等と契約していれば、
そちらに相談すれば問題無いと思いますが、
実際に契約が無い状態であれば、
これを機に専門家と契約することを
おススメします。

もし、税理士に心当たりの無い方は、
下記サイトへ是非ご相談ください。

税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/

それでは、また次回宜しくお願い致します。