こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さて、今回のテーマは
「脱税」です。
今年も年末が近づいてきていますが、
ニュースの内容にもお金にまつわることが
増えてきている印象です。
その中でも絶対NG!である
「脱税」に関して注意喚起も含め、
今回はお話をしていきます!
■脱税、なぜバレるのか?
10月に報道されたチュートリアル:徳井氏の
複数回にわたる無申告問題、
有名企業内で発生した大規模横領事件等、
お金のニュースが増えてきています。
恐らく、税務調査等が終了し片付いたものの中で、
重大な案件については、見せしめというか、
税や申告に対する意識を高める為にも
情報がリークされ報道発表されているのでしょう。
日本は義務教育の中で国民の3大義務として
「納税」を教えていますから、どんな人でも
脱税が悪いことだという認識はあるはずです。
その状況にもかかわらず、申告しない、納税しない、
という人は悪いと言わざるを得ないのですが、
でも、毎年毎年、何でこんなに脱税の話は
上がってくるのでしょうか?
やっている当事者たちは
コソコソやっているはずなのに、
どうしてバレてしまうのでしょうか?
●脱税の定義
なぜ脱税がバレてしまうのか?
という話をする前に、
脱税の定義について話をしていきます。
脱税=税を納めないこと
という事ではありません。
きちんと申告して、納税の時期が遅れたり、
資金が足りずに期限までに納められなかったり、
というケースが存在しますが、
これらは脱税ではありません。
また、脱税=(納税額を)少なく申告すること
という事でもありません。
今はパソコンで処理を行うことが一般的ですが、
それでも計算間違いや売上計上漏れ、
過剰な経費計上等は存在します。
これらが、脱税にあたる訳ではありません。
では、「脱税」とは何なのか?
それは、「意図的に税負担を減らそうとして
不正や隠ぺいなどを行う行為」です。
意図的、意識的、自分が率先して、敢えて、
色々言い方はありますが、偶然やミスではなく、
意図的にやっているのが脱税です。
要は意識・目的があるかの違いです。
複数回の無申告等による税務調査が報道された
チュートリアルの徳井義実氏の場合、
金額は非常に高額なのですが、
「脱税」と確定的に言われていないのは、
仮装・隠ぺい等は全くやっておらず、
ただ単に申告期限を守らない、期限内に納付しない、
こういった内容の繰り返しだからです。
※それでも、回数と金額が多いので「脱税」と
認定されてしまうかもしれませんが・・・
●脱税と認定されるのは・・・
これで、脱税の定義はお分かり頂けたと思います。
今後、税の未納や追徴課税の報道が出た際でも
「申告漏れ」や「所得隠し」という表現の場合は、
「脱税」、つまり意図的にやったという認定までは
されていないということ、とご理解頂ければと思います。
では、意図的な行為、脱税と認定されるのは
どんな状況なのでしょう?
【意識的な無申告】
日本は申告納税制度という自己申告の制度の為、
個人も法人も決算(確定申告)をしなければ、
税金が確定出来ない為、納付が出来ません。
特に個人事業者に関しては、確定申告をしない場合は、
所得税だけでなく、住民税の計算も出来ないので、
全く税を支払わない状態となってしまいます。
勿論、世の中には子供や高齢者のように
収入が無いので親族の扶養に入っている人も存在しますが、
自ら稼いでいるのに、そしてそれを理解しているのに、
申告・納税を拒否し続けるのは「意図的だ」と
認定されてしまうかもしれません。
【取引を隠して申告する】
お金というのは自然に増えることはありません。
年金だって国からもらっていますし、
事業を行って取引を行うにせよ、
利息を受け取るにせよ、必ず他者から
お金を貰う事でお金が増えています。
1年間で増えたお金・稼いだお金の
内容・状況・金額等を申告するのが
確定申告になるわけですが、
事実と異なる内容で申告を行う、
それによって税額を少なくするというのは、
当然、意図的と判断されやすいです。
具体的には売上を抜いたり(除外)、
経費を水増したりすることで、
税額を減らそうという行為がそれに当たります。
ただ、事実と違う内容といっても、
実際よりも多く稼いだ・儲けたとして申告するのは、
納税額が増える為、税務署は止めません。
ですが、これは実際よりも自らの申告・決算を
良く見せることなので粉飾決算に当たります。
粉飾決算をすると税額は増えますが、
金融機関に提出する資料としては
良い評価を受ける為、
粉飾した決算書によって融資等を受けた場合は、
別の罪に問われる場合もありますので、
ご注意ください。
【脱税した金額や年数】
上記の内容というのは、多かれ少なかれ、
事例として多数存在するものです。
その中でも、脱税と判断される案件は、
税を軽減した金額が大きかったり、
何年にもわたって行われていたりするものです。
別に無申告がずっと続いていても、
税金が発生するかしないか微妙なラインであれば、
恐らく税務署もわざわざ動かないでしょう。
同様に、事実と違う決算書を提出していても、
納税額に大差が無かったり、それによって
融資等も受けていなかったりすれば、
お咎めを受ける可能性も低いです。
ただ、金額が大きくなれば話は別です。
明らかに納税すべき額が減らされている、
それによって対象者が不正な利益を得ている、
という事であれば、税務調査の対象となり、
多額の追徴課税も発生します。
更に、その税を逃れた金額が
1億円を超えるような規模となってくると、
管轄の税務署ではなく、そのエリア全体を統括する
国税局が動く可能性があります。
国税局が動く話だと、脱税した金額を徴収するだけではなく、
脱税の事件として告発することも考えられますので、
逮捕や罰金・懲役などの実刑の可能性も出てきます。
一般的に「脱税事件」というように報道されるのは、
この国税局が出てきているような案件だけですが、
そこまで到達しない「申告漏れ」や「所得隠し」も、
意図的にやっているなら「脱税」と変わりませんので、
手痛いペナルティを受けています。
●どうしてバレてしまうのか?
脱税のリスクをご理解頂いた所で、
結局のところ、何で脱税行為は
バレてしまうのでしょうか?
説明していきます。
1:金融機関の情報を確認できるから
事業者において売上の入金や出金・支払等で
金融機関の口座利用は欠かせませんが、
この情報は税務署が閲覧可能です。
最終的にここに履歴が残っているなら、
申告書だけいじっても必ずバレてしまいます。
2:取引先の情報によって発覚するから
自分は気を付けていても、取引先に税務調査が入る
という可能性もあります。
となると、その取引先の帳簿や申告内容によって
自分の所までたどり着くことが出来てしまいます。
実際、税務調査においては「反面調査」といって、
メインの調査対象の取引先に調査が入ることもあります。
3:当事者の行動で目をつけられるから
脱税する人はお金を貯める為に
やっているのでしょうか?
これ、恐らくNOです。
不正を行って税逃れをして
手元にお金が残り、その結果、
おとなしく慎ましく生活する・・・
という人はあまりいません。
大体、派手な生活をしたり、
車や不動産等の大きな買い物をしたりします。
ですが、残念ながら、その大きな出費により
何かしらの履歴が発生し、自身の申告・納税状況との
乖離を疑われる結果となってしまいます。
4:現地・実態調査で確認を取られるから
上記の3つで殆どが網羅されてしまうと思いますが、
現金商売(飲食店等)のお店に対しては、
怪しい所は調査官が実態を確認しています。
自らも客として幾度か訪問したりすることで、
客単価や来客数が想定できるので、
申告状況と大幅な乖離があれば、
どんどん証拠を集めてから調査に来ることになります。
●最後に・・・
先ほども触れましたが、お金というのは、
自然に増えることはありません。
増えた場合は必ず誰かから貰っている
ということになります。
そして、誰かから貰っている以上、
現代社会では何かしらの履歴や痕跡が残り、
その残った情報が存在する限り、
バレる可能性が必ず存在するということです。
どれだけ知恵を絞ってもこれは変わらないので、
同じく知恵を絞るなら脱税の為ではなく、
自社の事業拡大や業績UPに使いましょう!!
さて、今回は以上です。
今回は脱税の事について記載しましたが、
内容をご確認頂いてお分かり頂ける通り、
脱税は非常にバレやすく、
そしてバレた場合は税務調査を経て、
追徴課税が発生します。
個人的な印象として、
脱税はハイリスク・ローリターンです。
あまり実施するメリットがありません。
ですが、過去の申告内容が適当で
この内容を見てご不安になった方、
税務署からの連絡が来ていない状況なら、
今のうちに解決した方が傷は浅く済みます。
ご自身で解決できるならそれでOKですが、
それが難しい方は、早めに税理士に相談しましょう。
税理士に依頼し、合法的な節税のアドバイスも貰い、
憂いなく事業に集中できる方が、
恐らく大きなメリットになるはずです。
税理士をお探しの方、検討されている方は、
全国の税理士の紹介を無料で行う
下記サービスへ是非ご相談ください。
税理士紹介ネットワーク~タックスコンシェルジュ~
https://www.tax-concierge.net/
さて、今回の報告は以上です。
また、次回宜しくお願い致します。