こんにちは!
税理士紹介サービスを営む、諜報部員のSです。
さて、今回のテーマは
「各種給付金」についてです。
今回の新型コロナウイルスによる
経済活動への影響はとてつもなく甚大です。
少し前は東日本大震災やリーマンショック時と
比較されていましたが、
恐らく戦後最大の危機であることは間違いなく、
将来的には「コロナ恐慌」のように
名称がついた歴史的な出来事として
恐らく教科書にも掲載されるような状況なのだと思います。
以前と同様の日常は戻らない
という考えの人もいますし、
その前提で生活・活動を変化させている
人や企業も出てきています。
ただ、以前同様の状況が戻るにしても、
元通りではなく新しい常識が追加されるにしても、
全ての人が全力で経済活動を行うには
少し時間が必要になるので、
失った売上・利益の補填等の為に
今回は政府や自治体から未曾有の財政出動が
行われています。
今回の給付金・支援金等の内容は
多くの方がご存じかもしれませんが、
見直すきっかけになれば幸いです。
■各種給付金は申請しましたか?~新型コロナウイルス関連~
今回の新型コロナウイルスによる
経済活動への影響を考慮し、
国・自治体からの給付金や補助金は
普段では考えられないレベルで行われています。
その施策の中には、日本国内居住者一律の
「特別定額給付金(10万円)」も含まれていますが、
今回の話は「事業者向け」で主だったもの
ということでお話を進めていきます。
●持続化給付金
Webや新聞での広告も多いですし、
ご存じの方が多いと思いますが、
一部の大企業やその関連企業を除けば、
大半の法人や個人事業者が対象となるのが
持続化給付金で、
法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円
が支給されます。
※2020年6月27日、追記・修正しました。
対象となる企業・事業者をざっくり説明すると、
- 「資本金が10億円未満、もしくは従業員2,000人以下」
「2019年以前から事業を行っている」※2020年1月~3月創業者も含まれることになりました!
- 「不給付要件に該当しない」
- 「反社会的組織に無関係」
という法人や個人事業主の中で、
「2020年1月~12月の対象月の売上が
2019年の同月等(※)の対象売上より50%以下」
となっている法人や個人が支給対象者です。
※2019年同月比で比較するのが基本ではありますが、
季節性の売上変動が大きい事業者、2020年創業者等、
対象月の売上計算が特殊な場合もあります。
「不給付要件」に該当する企業や個人というのも、
公共法人(ほぼ国営)、政治団体、宗教法人・団体や
性風俗関連の事業者だけで、
後は「適当でないと中小企業庁長官が判断する者」
という記載がありますが、通常の事業者であれば
まず不給付要件には該当しないと思います。
支給額の計算に関しても、基本的(※)には、
「前年度(個人の場合は2019年)の売上総額」から
「前年比50%以下となった対象月×12か月分」を
差し引いた額、ということになっていますので、
自粛期間中が本来は繁忙期であったり、
前年度売上が1,000万円以上だったりするのであれば、
大半の方が満額(200万円or100万円)支給になると思います。
※例外の計算方法もあります。
また、対象月に関しても「2020年1月~12月の売上」
となっていますので、期限は来年(2021年)1月15日までであり、
現段階ではあまり売上減少の影響が出ていなかった事業者でも、
6月以降の売上で申請可能となります。
基本はオンラインでの申請となりますが、
書面のSCANや画像添付等が必要になりますので、
PCを持っていない、PC作業が苦手な人に関しては、
各地の商工会等で設置されている「申請サポート会場」で
申請を行うことが可能です。
詳しくは、持続化給付金の申請サイトをご確認ください。
※持続化給付金 申請サイト
https://www.jizokuka-kyufu.jp/
●雇用調整助成金
雇用調整助成金は、
今回の新型コロナウイルスの影響を考慮して
休業を行った事業者の中で、
その休業期間中に自社従業員へ休業手当を支払い
雇用を守った事業者に対して、
その大半、または全部を補填する内容です。
大企業と中小企業では助成率に差が出るのですが、
業種によって大企業と認定される基準に差はありますが、
「資本金5,000万円以下、または従業員50名以下」
であれば、どの業種でも中小企業認定です。
基準となる条件も
「(売上高や生産量が)前年同月比で5%以上の売上減」、
ということですから、休業を実施すれば間違いなく
該当する水準だと思います。
本来であれば、事前に計画を提出したり、
支給対象に含まれる労働者にも条件があったり、
支給率も企業が従業員に支払った休業手当の2/3(中小企業)
だったりという内容のものですが、今回に関しては、
「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例」
ということで、諸々の条件が大幅に緩和され、
支給率も大幅に増額しています。
特例期間に関しても、本年6月30日までという予定でしたが、
第2次補正予算案が国会で可決されれば、
本年9月30日までこの特例が延長されることになります。
上記の通り、休業等を行い、従業員に休業手当を
支払って自社の雇用を維持した事業者であれば、
「反社会的組織に関係がある」
「過去に雇用関連助成金で不正受給をしている」
「雇用保険に未加入」
という事業者以外は基本的に支給対象になります。
郵送、オンライン申請のどちらも対応していますが、
オンライン申請には度々不備が出ている助成金であり、
特例で非常に簡易化されているとはいえ、
持続化給付金と比べると準備も条件も複雑です。
必ず情報を収集した上で、申請等を進めて頂ければと存じます。
詳しくは、厚生労働省のページをご確認ください。
※厚生労働省:雇用調整助成金
(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
●家賃支援給付金
事業者が経費として支払うものの中で、
商品の原価を除くと大きな割合を占めるのが
「人件費」と「家賃」です。
人件費に関しては、上記の雇用調整助成金で
対応していますが、家賃に対してもサポートを行うのが
この家賃支援給付金です。
※2020年8月1日、追記・修正しました。
こちらは第2次補正予算案が国会通過してから
正式に決定するものなので、
現段階での情報は限られていますが、
ざっくりとした情報をまとめると、
- 「2020年5月以降の売上が大幅減の事業者」
- 「大企業以外の法人や個人事業主」
が対象の給付金で、実際の家賃支払い額に応じて
計算される給付額を6ヶ月分補填するという内容です。
法人の場合と個人の場合、更に複数個所の賃料が発生するか
更に、支払っている賃料の金額に応じて
上限が設定されています。
※当初想定されていた、1か所のみの賃料か、
複数か所の賃料かという条件は無いようです。
【法人の場合】
1箇所のみなら、月額補助は最大50万円なので、
6ヶ月分で最大300万円。複数個所の賃料が発生している場合、月額補助は
最大100万円なので、6ヶ月分で最大600万円。- 月額家賃75万円以下の部分は給付率2/3で計算
- 月額家賃75万円以上の部分は給付率1/3で計算
つまり、月額家賃75万円以下の場合は、
月額家賃×2/3×6ヶ月分を支給。
月額家賃75万円以上の場合は、
{50万円+(月額家賃75万円の超過金額×1/3)}×6ヶ月分を支給。
具体的な数字にすると、月額補助は
月100万円の6か月分(合計600万円)が最大なので、
上記の計算式に照らし合わせると、
月225万円以上の家賃が発生している法人は、
上限額(600万円)の支給となります。
【個人事業主の場合】
1箇所のみなら、月額補助は最大25万円なので、
6ヶ月分で最大150万円。複数個所の賃料が発生している場合、月額補助は
最大50万円なので、6ヶ月分で最大300万円。- 月額家賃37.5万円以下の部分は給付率2/3で計算
- 月額家賃37.5万円以上の部分は給付率1/3で計算
つまり、月額家賃37.5万円以下の場合は、
月額家賃×2/3×6ヶ月分を支給。
月額家賃37.5万円以上の場合は、
{25万円+(月額家賃37.5万円の超過金額×1/3)}×6ヶ月分を支給。
具体的な数字にすると、月額補助は
月50万円の6か月分(合計300万円)が最大なので、
上記の計算式に照らし合わせると、
月112.5万円以上の家賃が発生している法人は、
上限額(300万円)の支給となります。
上限額を突破した事業者にとっては
満額になるので計算は簡単ですが、
上限額以下の事業者にとっては
計算式がやや複雑かもしれません。
それでも、小規模事業者であれば半額以上の賃料が
6ヶ月にわたって補填される前代未聞の給付金です。
5月分の売上減が認められる内容の為、
恐らく緊急事態宣言中に丸々休業していたような
店舗や事業者は該当してくるのではないかと思います。
第2次補正予算案通過後、申請の正式情報が判明しますので、
決定次第、詳細をご確認ください。
詳しくは、経済産業省のページをご覧ください。
※家賃支援給付金 申請サイト
https://yachin-shien.go.jp/※経済産業省:家賃支援給付金に関するお知らせ
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html
さらに!この家賃支援に関する給付金は、
国からではなく自治体(都道府県・市区町村)でも
実施しているところが出てきています。
上記の「家賃支援給付金」だけでなく、
自社・ご自身の自治体が実施しているものが
存在するかどうかも、漏れずにチェックしましょう!
●都道府県からの給付
上記3点は国からの給付となりますが、
それ以外にも、都道府県が実施している
給付金・支援金も存在します。
有名なのは、東京都の
「感染拡大防止協力金」だと思います。
※東京都:感染拡大防止協力金
https://kyugyo.metro.tokyo.lg.jp/
緊急事態宣言の発令に伴い、都から休業を要請され
それに応じて休業した施設・事業者や、
営業時間短縮・自主休業を行った飲食店等が対象で、
1店舗の場合は50万円、複数店舗の場合は100万円となっています。
こちらは、「4月16日~5月6日まで」の期間分の
申請は6月15日が最終となっていますが、
緊急事態宣言が延長されたことを踏まえ、
「5月7日~5月25日まで」の期間分で
第2回目の申請も6月17日からスタートします。
そして、東京都だけではなく他の道府県でも、
独自の支援金・給付金・協力金は実施されています。
以下、お金諜報部調べによる各都道府県で実施している
給付金や支援金の情報です。
【北海道・東北地方】
対象自治体 | 名称 | URL |
---|---|---|
北海道 | 経営持続化臨時特別資金 | http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kks/keieijizokukarinjitokubetsushienkin.htm |
休業協力・感染リスク低減支援金 | http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/csk/sienkin.htm | |
青森県 | 青森県新型コロナウイルス感染症感染拡大防止協力金 | https://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/shoko/kansenkakudaiboushi_kyoryokukin.html |
岩手県 | 岩手県感染拡大防止協力金 | https://www.pref.iwate.jp/sangyoukoyou/sangyoushinkou/shougyou/shougyou/1029636.html |
秋田県 | 秋田県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 | https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/49212 |
山形県 | 緊急経営改善支援金 | https://www.pref.yamagata.jp/ou/shokokanko/110001/keieishienkin.html |
福島県 | 福島県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金・支援金 | https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32011a/covid19kyouryokukin.html |
【関東甲信越地方】
対象自治体 | 名称 | URL |
---|---|---|
茨城県 | 茨城県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 | https://www.pref.ibaraki.jp/shokorodo/chusho/shogyo/2020kyouryokukin.html |
栃木県 | 新型コロナウイルス感染拡大防止協力金 | http://www.pref.tochigi.lg.jp/f03/kyoryokukin.html |
群馬県 | 感染症対策事業継続支援金 | https://www.pref.gunma.jp/07/ct01_00002.html |
埼玉県 | 埼玉県中小企業・個人事業主支援金 | http://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/koronashien.html |
千葉県 | 千葉県中小企業再建支援金 | https://www.chiba-shienkin.com/ |
東京都 | 東京都感染拡大防止協力金 | https://kyugyo.metro.tokyo.lg.jp/ |
神奈川県 | 神奈川県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(第2弾) | https://www.pref.kanagawa.jp/docs/jf2/chusho/0205kyouryokukin_vol2.html |
長野県 | 県・市町村連携 新型コロナウイルス拡大防止協力金 | https://www.pref.nagano.lg.jp/sansei/sangyo/shokogyo/covid19kyoryoku.html |
新潟県 | 休業要請に係る協力金の支給について[第1期分] | https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/sangyoseisaku/sikyu.html |
休業要請に係る協力金の支給について[第2期分] | https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/sangyoseisaku/sikyu2.html |
【北陸・中部地方】
対象自治体 | 名称 | URL |
---|---|---|
富山県 | 富山県・市町村型新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 | http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1306/kj00021931.html |
石川県 | 石川県新型コロナウイルス感染拡大防止協力金 | https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kinyuu/keieishien/kansenkakudaibousikyouryokukin.html |
福井県 | 小規模事業者等再起応援金 | https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/sinsan/ouenkin.html |
静岡県 | 【第2期】静岡県新型コロナウイルス感染拡大防止協力金 | https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/covid-19-kyouryokukin2.html |
愛知県 | 愛知県・市町村型新型コロナウイルス感染症対策協力金 | https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/kyoryoku1.html |
岐阜県 | 岐阜県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 | https://www.pref.gifu.lg.jp/kinkyu-juyo-joho/shingata_corona_kyugyoyosei.html |
三重県 | 三重県新型コロナウイルス感染症拡大阻止協力金 | https://www.pref.mie.lg.jp/SHINSAN/HP/m0143000160_00001.htm |
【北陸・中部地方】
対象自治体 | 名称 | URL |
---|---|---|
滋賀県 | 感染拡大防止臨時資金 | https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/syougyou/311523.html |
京都府 | 京都府休業要請対象事業者支援給付金 | http://www.pref.kyoto.jp/sanroso/news/coronavirus-kyuhukin.html |
大阪府 | 休業要請支援金(府・市町村共同支援金) | http://www.pref.osaka.lg.jp/keieishien/kyugyoshienkin/index.html |
兵庫県 | 休業要請に応じて頂いた事業者の皆様の経営継続支援事業(県・市町協調事業) | https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/kyugyoshien.html |
奈良県 | 奈良県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 | http://www.pref.nara.jp/55156.htm |
和歌山県 | 事業継続支援金 | https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/060100/d00204233.html |
【中国・四国地方】
対象自治体 | 名称 | URL |
---|---|---|
広島県 | 広島県感染拡大防止協力支援金 | https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/2019-ncov/covid19-support.html |
山口県 | 新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 | https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a10900/corona/202004290001.html |
鳥取県 | 新型コロナウイルス克服再スタート応援金 | https://www.pref.tottori.lg.jp/292068.htm |
香川県 | 香川県感染拡大防止協力金 | https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir6/dir6_2/dir6_2_1/w7d7f3200422163947.shtml |
徳島県 | 徳島県新型コロナ対応!企業応援給付金 | https://www.pref.tokushima.lg.jp/jigyoshanokata/sangyo/shokogyo/5035852/ |
生活衛生関係営業者応援給付金 | https://www.pref.tokushima.lg.jp/jigyoshanokata/kurashi/seikatsueisei/5036913/ | |
愛媛県 | 新型コロナウイルス感染症対策推進事業者協力金 | https://www.pref.ehime.jp/h30800/sansou1.html |
えひめ版創業者持続化緊急給付金 | https://www.pref.ehime.jp/h30800/sougyoushajizokukakinnkyuu.html | |
高知県 | 高知県休業等要請協力金 | https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/151401/kyouryokukin.html |
【九州・沖縄地方】
対象自治体 | 名称 | URL |
---|---|---|
福岡県 | 福岡県持続化緊急支援金 | https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kinkyushienkin.html |
佐賀県 | 休業要請等に伴う『佐賀型 店舗休業支援金』 | https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00374044/index.html |
長崎県 | 新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る休業要請協力金 | https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/kansensho/corona_kyouryokukin/ |
熊本県 | 熊本県休業要請協力金 | https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_32491.html |
宮崎県 | 宮崎県休業要請協力金 | https://www.pref.miyazaki.lg.jp/shokoseisaku/shigoto/shokogyo/20200424180342.html |
鹿児島県 | 鹿児島県新型コロナウイルス感染症対策休業等協力金 | http://www.pref.kagoshima.jp/af02/sangyo-rodo/tyusyoukigyou/koronauirusu.html |
鹿児島県新型コロナウイルス感染症対策宿泊予約延期協力金 | http://www.pref.kagoshima.jp/af08/02covid19.html | |
沖縄県 | ・感染症防止対策緊急支援事業 ・感染症拡大防止協力金 ・感染症防止対策支援事業 |
https://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/seisaku/kikaku/covid-19/keizaisiensaku.html |
大半が緊急事態宣言に伴う休業要請に対する補償、
という体裁の給付が多い印象ですが、
独自のスタイルで支援を行っている所もあります。
また、上記は給付金(貰えるもの)という基準で
記載したため、自治体独自で給付策を行っていない
という自治体も存在しますが、そういった所に関しても、
独自の補助金等は展開されています。
詳細は対象の自治体ホームページをご確認ください。
●市区町村からの給付
市区町村レベルになると、非常に膨大になってしまうため、
お金諜報部調べでのまとめ・一覧は割愛しますが
ざっと調べている印象としては、
事業者に対しての給付金・支援金を
市区町村で実施しているかどうかは、
本当に自治体によって異なります。
予算規模も全く異なりますし、
都市部と郊外でも大きく差があります。
支援対象への基準も、都道府県レベルだと
「休業要請に対する補償」
というものが多かった印象ですが、
市区町村レベルの給付金に関しては、
上記同様の休業に対する補償的なものもあれば、
「売上減に対する補償」
「都道府県の保証が得られない事業者が対象」
「全事業者が対象」
等、色合いがかなり異なって独自性があります。
その分、期限や申請方法、必要書類等は
各種申請によって異なりますので、
事業所が所在する市区町村での給付金・支援金については、
都道府県の給付金・支援金と同様、
必ず自治体のホームページをご覧頂き、
申請条件等をご確認ください。
●各種給付金・支援金は課税対象?
さて、上記にある国・都道府県・市区町村と
全ての支援をフル活用して給付を受ける予定の方、
もしくは、既に大半は受領しているという方も
いらっしゃるかもしれません。
そして、その方たちはご存じだとは思いますが、
「念押し」ということでお伝えします。
上記にあるような、国の「持続化給付金」、
「雇用調整助成金」、「家賃支援給付金」、
そして都道府県・市区町村からの
「各種支援金・給付金・協力金」は、
全て課税対象です。
その支援金からいきなり税金が引かれる
ということではありませんが、
個人・法人の次回決算時、
収入金額に含めることになります。
具体的には、雑収入になるはずで、
法人の場合は営業外収益に計上され、
個人事業主の場合は事業の収入(売上)と
一緒に記載することになると思います。
「国や自治体からの給付なのに税金がかかるのかよ!?」
というように思われる方も
いらっしゃるかもしれませんが、
今回の給付金・支援金は損害賠償金ではなく、
「本来得られた売上・利益の補填」
「経費の補填」です。
本来、これらは事業活動を行った売上・利益によって、
事業者や法人が得る・支払うものなので、
国からもらった・自治体からもらった、
というだけで、非課税の所得にはなりません。
各種給付金・支援金を受領した方に関しては、
「粗利100%の売上を得た」
くらいで考えておく方が、良いと思います。
ただし、消費税は含まれていませんので、
消費税計算には含めないことになりますし、
次回の決算が上記の給付金・支援金を含めても
赤字(マイナス)になるようであれば、所得税は発生しません。
●まだまだ大変な時期は続くのか?
新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした
日本全国での緊急事態宣言も
5月最終週には解除され、
少しずつ日常が戻ってきていますが、
「完全に元通り」と言えるほどではありません。
しかも、このコロナウイルスの影響は、
このまま収束していくのか、
再度感染拡大していくのか、
風邪やインフルエンザのように
恒常的に付き合うものになるのか、
全く見えていませんので、
多くの人が漠然とした不安を抱えながら
生活をされている状況だと思います。
ただ、その不安の中には、
「コロナウイルス感染への不安」
もあると思いますが、
「経済活動に対する不安」
も含まれていると思います。
緊急事態宣言下の中では自主的なものも含め
休業等を行った所も多くありましたが、
その関連企業にお勤めの方であれば、
「自らの雇用がきちんと守られるか」
「給与がきちんと支払われるか」
という事が非常に不安だと思いますし、
事業主・経営者側の立場になると、
上記の自分の生活に関わることだけでなく、
「従業員への給与支払が出来るか」
「取引先への支払いが可能か」
こういった不安が追加されます。
ご自身とご家族のことだけではなく、
会社・従業員(とその家族)のことまで
考えなくてはならない事業者・経営者の方々にとって、
今回の新型コロナウイルスの影響は
未曾有の災害・危機であり、
まだまだ大変な時期が続くかもしれませんが、
上記の各種給付金・支援金、
更に金融機関の融資や補助金等を含め、
利用できるものはフル活用して
この難局を乗り切っていきましょう!!
さて、今回は以上です。
また次回宜しくお願い致します。